はっちゃんZのブログ小説

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『武闘派!』なのに、実は超能力探偵の物語

あらすじ

桐生 翔(きりゅうしょう)は新宿の片隅で私立探偵業を営む。困った人を助けたいと思う正義感あふれる若い探偵が、この小さな探偵社を訪れるクライアントから持ち込まれるさまざまな依頼を真摯に解決していく。

ある日突然超能力(テレポーテーション)に目覚めるが、本人もその能力をあまり信用しておらず発現頻度も曖昧で使い方もよくわかっていないまま物語は進んでいく。高い格闘技術と最新探偵道具を使い事件の核心を掴み解決していく姿と恋人高林百合とのラブラブな場面を楽しんで欲しい探偵小説。 

~もくじ~

1.絶体絶命のはずなのに?       2.翔、帰還?! 

3.京(狂)一郎、見参!        4.『葉山館林研究所』到着 

5.いつ出るの?超能力!                       6.葉山館林邸1

7.葉山館林邸2                           8.テロ教団から都民を救え!1

9.テロ教団から都民を救え!2     10.テロ教団から都民を救え!3

11.「目黒館林研究所」完成        12.臓器売買組織を壊滅せよ

13.ストーカー事件を解決せよ!1  14.ストーカー事件を解決せよ!2

15.ストーカー事件を解決せよ!3  16.ストーカー事件を解決せよ!4

17.百合との出会い1                     18.百合との出会い2

19.百合との出会い3           20.百合との出会い4

21.幼い兄妹を救え1                           22.幼い兄妹を救え2

23.幼い兄妹を救え3           24.幼い兄妹を救え4

25.幼い兄妹を救え5        26.翔とミーアと百合1

27.翔とミーアと百合2                       28.局アナ盗撮事件を解明せよ1

29.局アナ盗撮事件を解明せよ2   30.局アナ盗撮事件を解明せよ3

31.局アナ盗撮事件を解明せよ4   32.局アナ盗撮事件を解明せよ5

33.未知の物質は?         34.桐生事務所ビル改築

35.オレオレ詐欺団を壊滅せよ1      36.オレオレ詐欺団を壊滅せよ2

37.オレオレ詐欺団を壊滅せよ3      38.オレオレ詐欺団を壊滅せよ4

39.オレオレ詐欺団を壊滅せよ5   40.お化けアパートの怪1

41.お化けアパートの怪2              42.お化けアパートの怪3

43.お化けアパートの怪4              44.お化けアパートの怪5 

45.お化けアパートの怪6      46.初めてのくちづけ

47.百合、実家で相談する      48.翔、久々に実家へ帰る1

49.翔、久々に実家へ帰る2     50.百合、初めて桐生家へ

51.翔、初めて葉山館林家へ1    52.翔、初めて葉山館林家へ2

53.翔、初めて葉山館林家へ3    54.翔、初めて葉山館林家へ4

55.新宿探偵事務所スタート1    56.新宿探偵事務所スタート2

57.新宿探偵事務所スタート3    58.新宿探偵事務所スタート4

59.逆恨み1            60.逆恨み2

61.逆恨み3               62.消された記憶1

63.消された記憶2            64.消された記憶3

65.怪しいクライアント       66.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ1

67.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ2  68.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ3

69.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ4  70.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ5

71.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ6  72.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ7

73.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ8  74.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ9

75.遺族の恨みは晴れるのか1      76.遺族の恨みは晴れるのか2

77.遺族の恨みは晴れるのか3              78.遺族の恨みは晴れるのか4

79.遺族の恨みは晴れるのか5              80.遺族の恨みは晴れるのか6

81.遺族の恨みは晴れるのか7              82.遺族の恨みは晴れるのか8

83.遺族の恨みは晴れるのか9              84.遺族の恨みは晴れるのか10

85.遺族の恨みは晴れるのか11            86.遺族の恨みは晴れるのか12

87.遺族の恨みは晴れるのか13            88.遺族の恨みは晴れるのか14

89.遺族の恨みは晴れるのか15            90.遺族の恨みは晴れるのか16

91.遺族の恨みは晴れるのか17            92.特訓1      

93.特訓2                                         94.特訓3

95.特訓4                                           96.特訓5

97.特訓6               98.特訓7

99.特訓8(葉山編1)         100.特訓9(葉山編2)

101.特訓10(葉山編3)                    102.特訓11(葉山編4)

103.特訓12(葉山編5)

 

さざなみにゆられて-北海道編-

小説期間:2000年平成12年4月1日~

あらすじ:

さざなみにゆられて-山陰編-の続編です。

山陰地方で生まれた美波は写真集で見た富良野などの北海道の雄大な風景に憧れ、

自分のことを全く知らない人の街で一人で暮らしてみたいと北海道の大学を受験。

小樽商科大学に無事合格し義父の影響で銀行員を目差す。

両親は米子市にいたが、2000年に義父の勤務する銀行の合併に伴い、

偶然札幌市へ異動となる。

北の都『札幌』を中心に各季節ごとに趣きを変える北海道内の自然や観光名所を含めて

慎一、静香、美波、雄樹、夏姫の生活が始まる。

悲しい事件は起りません。おだやかに時間が過ぎていくだけです。

 

登場人物

日下慎一 現在41歳、1999年静香と再婚。山陰支店では預金課で勤務している。

     2000年4月より関西中央銀行と札幌振興銀行が合併し「六花銀行」となる。

     2000年に北海道札幌市へ再度融資課員(支店長代理)として異動。

日下静香 現在39歳、17年前に夫と死別し娘(美波)を一人で育てた。

                  1999年5月に日下慎一と再婚。現在妊娠中。

日下美波 現在19歳、鳥取県米子東高から北海道小樽商科大学へ入学し青春を満喫中。

日下雄樹 2000年夏に生まれる男の子。

日下夏姫 2000年夏に生まれる女の子。

 

もくじ

1.札幌へ              2.初めての胎動

3.美波の戸惑い           4.慎一の自覚と不安

5.初出勤              6.二人でコーヒー

7.美波の誕生日           8.YOSAKOIソーラン祭り

9.美波、学生生活スタート        10.独立への一歩

11.母の再婚と強がり娘        12.サークル

13.ゲレンデ             14.雪のイベント

15.誕生               16.子供たちのお披露目

17.お宮参りと育児への参加              18.銀杏の下で

19.シシャモ祭りとラムジンギスカン     20.お食い初め

21.美波の憂鬱                                         22.流氷観光1

23.流氷観光2            24.流氷観光3

25.桃の節句                                            26.静香始動            

27.支笏湖とオコタンペ湖1                   28.支笏湖とオコタンペ湖2     

29.端午の節句                                         30.美瑛と富良野1         

31.美瑛と富良野2                                  32.すながわスウィーツロード1   

33.すながわスウィーツロード2             34.美波、YOSAKOIへ出場1

35.美波、YOSAKOIへ出場2    36.子供達の誕生日

37.函館港まつりへ1-地球岬-         38.函館港まつり2-森駅-

39.函館港まつり3-ホテルにて-      40.函館港まつり4-花火大会-

41.函館港まつり5-ホテルの朝食-     42.ねぶた祭り1-青森へ移動-

43.ねぶた祭り2-青森観光1-           44.ねぶた祭り3-青森観光2-

45.ねぶた祭り4-祭り本番-        46.青森から函館へ-竜飛海底駅-

47.函館観光1                       48.函館観光2

49.函館観光3-恵山岬-          50.洞爺観光-有珠山昭和新山-

51.洞爺から札幌-クマ牧場・望羊中山-   52.

    

 

さざなみにゆられて-山陰編ー

*あらすじ*

山陰地方の町、米子市で小料理屋「さざなみ」を営む静香・美波親子と

関西生まれの銀行マンの慎一とのふれあいを描く。

山陰地方の豊かな四季の中で三人三様の心の傷が癒される時間を描く。

*登場人物*

後藤静香 小料理屋「さざなみ」の店主。

                  地の食材を美味しく食べさせてくれる店。

     店ではいつも弓浜絣を着ておりおだやかな笑顔の女性。

                  娘と二人暮らし。

後藤美波 静香の娘。高校一年生。明るく人懐こいところがある。

日下慎一 春に米子へ新規開拓を目的に赴任してきた独身の銀行マン。 

 

 

~もくじ~

1.赴任                2.「さざなみ」初来店

3.秀峰大山へ             4.静香のまなざし、美波のまなざし

5.面影                6.追憶1

7.追憶2               8.美波の秘密

9.がいな祭りと境港         10.がいな大花火大会

11.美波、秋の県大会新人選へ出場  12.帰途の二人

13.とまどい            14.師走、三人で

15.帰省、遠い記憶         16.初詣

17.移り変わる記憶         18.桜街道

19.二人で出雲へ          20.母の再婚

21.彼との距離           22.浴衣1

22.浴衣2             24.突然の辞令

25.それぞれの思い         26.いつもの音

27.美波のがまん          28.慎一の約束、静香の願い

29.異動の朝            30.湯呑

31.壊れた携帯           32.霧と痛みの世界

33.間違い電話           34.幸恵の疑問

35.静香親子、神戸へ        36.春の息吹

37.再赴任             38.再び『さざなみ』へ

39.美波の受験           40.美波の言葉

41.旅立ちの日           42.広すぎる家

43.最初の夜            44.相性

45.新婚旅行、娘と1        46.新婚旅行、娘と2   

47.業界再編への動き、そして

90.遺族の恨みは晴れるのか16

その時、屋敷内から華田社長の声が響き渡った。

「早くそいつを殺せ。その後にお前達の願いは全て聞いてやる」

「さあ、いくよ」

「グワッ」

「・・・」

「ネコ、返事をしなよ」

「・・・」

「まあいいや、あんたはそこでこいつと私たちの戦いを見とけばいい。

 後で酷い目にあわせるよ。覚悟しときな」

 

二匹の獣人が同時に前方と上空から翔を襲った時、

『ネコ』と呼ばれた男は、翔の前に立ち二人の攻撃を受けた。

『ゴウ』『ガチッ』『ガキッ』と音が交差した。

片手でヒグマ男の拳を、もう片一方でフクロウ女の爪を受けた。

「ガウ」

「とうとう、私達を裏切るのかい。じゃあ死ね」

次の攻撃は直接、『ネコ男』に向けられた。

翔はその一瞬の機会を捉えて、

ベルトに仕込んでいた『薬注入君』を取り出して二人に投げつけた。

この『薬注入君』には「獣人化減弱薬」が入っている。

だが、勢いのある二匹の獣人の攻撃は、

『ネコ男』の腹部と首に加えられた。

ガリッ』

首の後ろ部分に埋め込まれた機械を狙っての攻撃だった。

フクロウ女の鋭い爪は、その鉄製部分をも切り裂き『ネコ男』は倒れた。

 

『ヒグマ男』『フクロウ女』は、

翔へ攻撃をかけようとし始めた途端、震え苦しみ始めた。

大量に注入された「獣人化減弱薬」の効果が見え始めたからだった。

二人の獣人の身体が急に小さくなり始めた。

その異変を感じた二匹の獣人が屋敷奥へ逃げようとした時、やっと警察隊が到着した。

その時、屋敷奥の土蔵の屋根が開き始めた。

社長の華田がヘリコプターで逃げようとしている。

それを阻むかのように土蔵の上空に警察のヘリコプターが到着して、

ホバリングで華田の高飛びを抑えた。

警察隊も今はもう既に人間に戻った二人の獣人を取り囲み逮捕した。

都倉警部は、急いで土蔵へ踏み込み華田を逮捕した。

(つづく)

89.遺族の恨みは晴れるのか15

そこから無言の戦いが始まった。

拳と筋肉が『ガツン』『バチン』と当たる音と

二人の呼吸音と裂帛の気合のみが庭に響いている。

全身筋肉のような獣、地上最大最強の獣、ヒグマに獣人化した人間だった。

敵はもう人間のような言葉は発せない。

太い幹をも折れ砕く前腕、噛み砕く牙、

翔の体重の乗った全力の蹴りをも軽く弾く身体、

翔も全力を持って闘った。

さすがに何度も受けることのできない打撃だった。

敵の払いを避けた一瞬の隙を見つけ、敵の側面へ移動し片目へ指を入れた。

これで片目は死んだ。

距離感が狂うので敵は体力を消耗するはずである。

 

「あれー、あんた。大丈夫なのかい?そんなことになっちゃって。手伝おうか」

『グオー、グオー』

「あんた、何、言ってるかわかんないよ。まあ、今回は貸しね」

今まで太い幹で高見の見物をしていた闇から女性のような声がした。

左右から殺気が押し寄せてくる。

枝に止まっていた獣はどうやら「フクロウ」のようで、鋭い爪が武器だった。

身軽い動きで一瞬の隙を付いて攻撃してくる。

また金色に光る目を見ていると、

なぜか身体が重くなるので視線も合わせることは出来なかった。

 

その時、新しい獣の気配が押し寄せてきた。

「へえ、猫が出てきたか。うまく説得できたのかねえ。社長も必死だね」

三方から囲まれて、ヒグマ・ネコ・フクロウの三位一体攻撃を食らっては

さすがの翔も苦戦することを覚悟した。

「くそー、こんな奴らに日本が好きにされるのか」と翔が呟いた。

その呟きを聞いた新しい獣から言葉が発せられた。

「お前、日本人なのか?ここは日本なのか?」

二人の獣人は、やや焦ったように

「グワッ、グワッ」

「ネコ、何をしてるんだね。そんなこと気にせずにこいつを殺せ。

そうじゃないとお前が殺されるよ」

翔は彼に急いで伝えた。

「ここは、日本です。そして私は日本人です」

(つづく)

41.函館港まつり5-ホテルの朝食-

花火が終わり、部屋へ戻って子供達をそっと和室の布団に寝かせると

コーヒーでも飲もうと言うことになった。

部屋のテーブルには豆のまま小分け包装されたコーヒーと

電動ミルとペーパーフィルターが備え付けられている。

人数分のコーヒー豆を電動ミルに入れて粉砕する。

そっとペーパーフィルターに入れると、

あたり一面がコーヒーの香りに満たされる。

湯をそっと少量注ぐとコーヒー粉がゆっくりと膨らんでいく。

十分に膨らむとお湯を入れる時間が訪れる。

コーヒーから出るエグ味をフィルターへ吸着させるように注いでいく。

出来上がった馥郁たる香りのコーヒーをカップに注いで静香と美波へ渡す。

慎一はブラック、

静香はミルク入り、

美波はミルク砂糖入りのコーヒーを楽しんだ。

 

朝食は2階にある『北の番屋』だった。

ここはバイキング日本一になったと同僚から聞いていたため楽しみだった。

近海でとれる新鮮な刺身や焼物などが並び、

ビュッフェスタイルで楽しめる和風レストランだった。

函館ならではの朝取れの魚やイカ、北海道の海産物の味覚が全て並んでいる。

慎一は、子供達用にお椀にご飯を入れてイクラ、ダシ巻玉子、焼き魚を盛り、アラ汁の汁だけを入れたものとミルクとデザートのフルーツ盛り合わせを二つ作った。

いったん席に戻って静香と美波へ渡すと、

子供達は待ちきれないように「マンマ、マンマ」と手を出してくる。

静香と美波は二人にミニ海鮮丼を頬張らせている。

慎一は、急いでどんぶりにイカ、ウニ、マグロ、タイ、ヒラメ、イクラ、ダシ巻玉子、焼き蟹を散らせたデラックス海鮮丼を作り、アラ汁を持って戻った。

そして、そのデラックス海鮮丼を味わいながらかきこんだ。

イカの歯ごたえと甘さ、

大間マグロの赤身の濃い味、

ヒラメのあっさりとしながらも深い味、

焼き蟹の香ばしさと特有の甘さ、

時折プチプチはじけるイクラの醤油漬が混じり合った中でも各々が主張している。

これは日本一と言われるのがわかる逸品であった。

イカに関しては、結構うるさい慎一は

山陰地方のシロイカの歯応えと甘みを好んでいたが、

函館の朝の獲れたてのイカの身の心地良い歯ごたえも最高だった。

ただ昨晩食べたイカは夕方まで熟成させておりその強い甘みの方が好みだった。

慎一が食べ終わると、次は静香と美波が朝ご飯を取りに行く。

慎一は子供達にフルーツを頬張らせて静かにさせている。

 

ふとバイキングコーナーを見ると、

二人は目を輝かせてどんぶりに海産物を盛っている。

どうやら二人は慎一と同じデラックス海鮮丼を作っているようだ。

美波は大好きなイクラをどんぶりから溢れるほどに入れている。

スプーンで食べる方が理にかなっているほどの盛り方だった。

相変わらずの双子母娘は

「これは絶対に太るわ」と笑い合いながらもりもり食べている。

(つづく)

88.遺族の恨みは晴れるのか14

京一郎の解析によるとこの男の後頭部の管は、脳の旧皮質へ連結されており、

薬剤は旧皮質の活動を選択的に高めるものだった。

旧皮質分野での個人的特性の高い素質を特化して強大化することにより

身体の筋肉及び骨格まで影響を及ぼせることがわかった。

ジャークと言う男は、人間性そのものが『ヘビ(爬虫類)』であった。

 

この薬剤はホルモン様物質で、「獣人化強化薬」であった。

体内に埋め込まれたポンプ状の機械から噴出するようにされており、

誰かが操作する手元のボタン一つで管を切ることができるようになっている。

薬剤投与が無くなればその人間は、効果は切れて元の姿に戻り死んでいく。

これらの解明と同時に「獣人化減弱薬」も開発された。

これを彼らに撃てば、その力を発揮することができない筈だった。

 

翔は青山の華田社長宅へ向かった。

翔の接近が敵に知られていることは、屋敷内から伝わってくる殺気でわかった。

翔はインターホンを押した。

「お前達、もう逃げられないぜ。国外脱出でもするつもりかい?

 お仲間の朴川専務には殺人罪で警察がマンションへ向かってるぜ」

『ブツン』とインターホンが切れて、正門が開かれた。

樹木の生い茂った屋敷内には灯りひとつ灯されていない。

庭の一角に一際深い小山のような大きな闇が凝固している。

その闇から常人ならば気絶しそうなくらい強い殺気が漂ってくる。

もうひとつ、樹木の太い枝に蹲る闇に気が付いたが殺気はなかった。

 

その庭の闇から突如殺気が消えた。

そろりと翔へ動いた。

呼吸するように自然な動きで翔は虚をつかれた。

身体の左側から風が吹いた。

翔は空手では一番固いと言われる十字防御で左を固めて受けた。

決して軽くはない翔の身体が一瞬で吹き飛ばされた。

前腕のプロテクターに亀裂が入るほどの衝撃だった。

 

野生動物のような体臭が流れてくる。

星明りの下では毛むくじゃらでわからない。

「ほう、受けることはできたのか。

 なかなかやるな。ヘビが負けたのもわかった。

 ただ俺には勝てないぞ。

 素直に俺達を脱出させたらどうなんだ?」

「残念ながらここは日本なんでね。

 外国人犯罪者が大手を振って脱出するのは許されないね」

「そうか、そうならばお前を倒して、

 この国の警察を壊滅させてから

 ゆっくりと脱出するとしよう。

 お前は知らないかもしれないが、

 昔からこの国日本の闇には我々の仲間が潜んでいる。

 彼らもそろそろ動き始めるだろう」

「その詳しい情報は、後でお前から聞くとしよう。そろそろ警察もここにくる」

「お前に後があればな」

(つづく)

40.函館港まつり4-花火大会-

夕食後部屋でゆっくりとしているとそろそろ花火大会開演時間が迫ってきた。

窓から会場方向をのぞくと、既に倉庫前の花火の上がる方向は席取りがされていて、

町のあちこちからぞろぞろと地元の浴衣姿のお年寄りや若い人も集まってきている。

慎一は一足先に車に乗せているシートを持って会場へ向かった。

ちょうど通路部分に空いているところがあったのでそこへシートを敷いて家族を待った。

 

夕日に照らされた空の端に夕闇が忍び寄ってきている。

多くの人達が通路以外の空いた部分へ思い思いに座っている。

風も強く、夏にもかかわらず肌に涼しいくらいだった。

しばらくしてから家族がシートへ座ってきた。

大花火大会開催のアナウンスが流れ、

メインスポンサーの北海道新聞函館支社長が挨拶を始めた。

さあいよいよ開演だった。

 

『ドーン』

最初の花火「大玉」が打ち上げられた。

見上げる視界全てに広がるその大きさは圧巻だった。

ふと米子の花火大会を思い出した慎一はそっと静香の手を握った。

静香は慎一を見つめると微笑み、そっと軽く握り返してきた。

慎一の膝では、

雄樹が背を父親の胸にもたれさせて驚いたように大口を開けて見上げている。

美波の膝では夏姫が大きな音に驚いたのか怖そうに美波の胸に顔をうずめている。

 

そこからは、

その花火を作成した職人の名前やテーマ、

そしてその思いがアナウンスされてから打ち上げられる。

その総数は1万発以上という話だった。

職人の強い思いがさまざまな形や色合いを生んでいるようで

街が、

夜空が、

海が、

人が、

極彩色の光に彩られ多くの色に染まっていく。

面白かったものとしては、函館の名産のイカの形の花火だった。

最初はあまりに唐突で想像もしていなかったので

一瞬何が打ち上げられたのかわからなかったが、

近くで「イカだ、イカだ」と叫ぶ声が聞こえたのでようやくわかった。

ここまで大掛かりな花火大会は、

みんな初めてで最後までワクワクした時間を過ごした。

しかし、そんな楽しい時間もとうとう終わりを迎える。

閉演時間の21時だった。

子供達は驚き疲れたのかスヤスヤと眠っている。

(つづく)

87.遺族の恨みは晴れるのか13

ヘビ男は、最初地上に横たわっていたが、

ハブのように上半身を立ち上げた。

そして風切音を発するスピードで、

一直線に翔へ向かってくる。

狙いは「眼」と見えた。

翔から鞭のようにしなった蹴りが繰り出された。

ヘビ男は、それを待っていたかのように蹴り足に絡みつき、

上半身は翔の背部へと回った。

このまま後ろに倒れ込むと敵の手が首に巻きつきチョークスリーパーになる。

首周りにはあのロープ上に変形した腕が巻きつけられてきた。

まだ身体の前に残っているヘビ男の鱗に守られた急所へ

鱗を突きぬいて指を根元まで突き立て、

そして指を曲げてグリグリと組織を破壊した。

ヘビ男の身体がこわばり、慄きの震えが走った。

「ギャア」

ヘビ男は叫び声を上げると翔の背部から離れた。

柔軟性に富み鱗に守られたヘビの身体はやっかいだった。

出来る事なら戦って捕まえたかったが仕方なかった。

 

『ポン』

木陰で待機していたアスカから目の細かい金網が発射された。

さすがのジャークもこの網だけは抜け出ることができない。

「それはお前専用で、伸縮自在の縄や網を用意している」

「くそっ、絶対に俺は捕まらないぞ」

ジャークが暴れれば暴れるほど、縄や網が身体に絡みついて締め付けていく。

やがて一切身動きが出来なくなった。

 

その時、『ピン』と小さな音がした。

男が急に胸を掻きむしって苦しみだした。

感情のないヘビのような黄色い目が見開かれ、苦しげに歪んでいる。

そして、こと切れた。

見る間に侵入者の身体が、普通の人間へ戻っていく。

そこには平凡なアジア系の顔つきの男が倒れているだけだった。

よく見ると首の後ろに細いホースらしきものがあり、

そのホースの途中が切れていた。

この不思議な侵入者の画像と共にその身体を京一郎の研究所へ送った。

(つづく)

39.函館港まつり3-ホテルにて-

「ラビスタ函館ベイホテル」は、

外装といい内装といい、

函館という街の醸し出す大正ロマンそのままに、

赤煉瓦の温かみや開拓時代の面影が漂っている。

早めのホテルのチェックインは正解だった。

港まつりが目的の家族客でフロントは長蛇の列だったからだった。

慎一以外はフロントのソファで休んで貰って時間を過ごした。

やっと部屋の鍵を貰いエレベーターに乗った。

部屋は簡単な玄関エリア付で

和室部分の窓は港に面しており夕日が部屋を照らしている。

 

『先ずは温泉を』と言うことで

慎一は一人で最上階にある大浴場「海峡の湯」へ向かった。

静香と美波は、女風呂へ向かう予定ということで子供達は二人に任せた。

温泉水としてはやや濁った掛け流しで

露天風呂やサウナ・スチームサウナも完備されている。

 

看板には以下記載がある。

泉質

ナトリウム-塩化物強塩泉(高張性中性高塩泉)

温泉の効能:

神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき他

 

身体の汚れを洗い流し、

少し硫黄の匂いが漂う浴槽へ身体を沈め手足をそっと伸ばす。

久々の長時間ドライブでやはり身体の芯には若干の疲れが感じられたが、

露天風呂から見える津軽海峡の美しい青さに流され、それらは消えてなくなった。

ちょうど目の前に花火大会会場があり、ちょうど花火が上がる高さだから、

いっそのこと、この露天風呂で湯に浸かりながら見えるのではないかと思ったが

湯に入るとプラスチック製の半透明の柵が邪魔して花火は見えないようだった。

それなば、と立ってじっとしていたが、

海峡からの強い浜風でしばらくすると寒くなってしまい。

残念ながら湯に浸かっての花火見物はできないことになる。

まあ、もしそれが可能なったら、

酒を飲みにながら花火を見て倒れるような不心得者が出ても困るので、

できないことが良いのかもしれないとも思いなおした。

 

風呂から部屋で戻ると子供達は戻っていた。

今回の宿泊予約では、大人は洋食セットが付いていたが、

子供達用に「魚介物のパイ生地蒸し」と「焼きたてパン」を頼んだ。

大人たちのメニューは

・ノルテ特製オードブルの盛り合わせ(イカ、タコ、ヒラメ、マグロ、イクラ添え)

・コーンクリームスープ

・夏野菜とアサリのパスタ トマト風味

・近海産魚介類とオマール海老のブイヤーベース

幌延産鴨モモ肉とコンフィ 粒マスタードソース

・焼きたてパン2種

・季節のフルーツ

・コーヒー

家族全員が堪能した夕食だった。

(つづく)

86.遺族の恨みは晴れるのか12

翌朝、朴川専務が必死にニュースを探すも

『女子高生による銀座タワーマンション飛び降り自殺事件』はなかった。

マンションの敷地を散歩するも一切痕跡はなかった。

試しに学校へ保護者を装い電話を掛けるも元気に登校しているらしい。

組織の掟として「失敗」=「死」である。

あの高さから飛び降りて助かるはずはないのだった。

しかし、なぜか彼女は助かった。

 

初めての失敗であった。

依頼主からは前金として半額の500万円が振り込まれており、

社長へは『処理済』の報告をしている。

このままでは自らの命が危ないと感じた朴川の脳裏に浮かんだのは、

いつも自分の身体を舐めるようにじっと見てくる『ヘビ男』の顔だった。

朴川は急いで『ヘビ男:邪悪(ジャーク)』をマンションに呼んだ。

口止めも含めてヘビ男へそのすばらしい肉体を提供して女子高生の殺害を依頼した。

 

『ジャーク』は、この前の事務所襲撃のミスでこっぴどく叱られており、

今度のミスは『死』だと社長の華田から厳命されていた。

ジャークが、白川邸付近へ身を潜めている。

どうやら白川邸の寝静まるのを待つつもりのようだ。

白川邸は、今夜も父親は帰ってこないため女二人である。

朴川から『娘も母親も一緒に首吊りにてあの世へ送れ』との指示を貰っている。

ジャークのずっとニタニタした顔からは、

朴川専務の作られたすばらしい身体を堪能した余韻に浸っていることがわかった。

『殺すのだから母娘は好きにしていい』と言われているようだ。

 

やがて白川邸の部屋の灯りが消えた。

ジャークは身体をヘビに変体させて広い庭を横切っていく。

「おい、もう良い子は寝ている時間だぜ」

「?!」

「俺の顔はもう忘れたのか?」

「お前は、あの探偵。なぜここがわかった」

「お前の身体にはGPS付きの針が身体深くに打ち込まれているのさ」

「なに?くそっ、こうなれば今度こそお前を殺す。組織の敵め」

「出来るものならね。おいでヘ、ビ、お、と、こ、君」

「その言葉が、お前の遺言ね」

(つづく)

85.遺族の恨みは晴れるのか11

翔は必死で彼女が落ちているベランダの真下部分へ急いだが間に合わない。

そして夜中なので彼女が見えない。

クモ助が腹部の光を強く発して場所を知らせた。

必死で目を凝らすと制服の白いスカーフを風にはためかせながら落ちている。

『あと少しなのに間に合わないのか』と心の声が脳裏へ響く。

脳裏に最近テレビ放送された飛び降り自殺の光景が浮かんだ。

真っ赤に染まった舗装された地面に横たわる蝋人形のような少女の瞳・・・

『何も罪のない彼女を殺させてはいけない。何とか近くへ行きたい』と叫んだ。

その時、『ふっ』と翔の視界がぼやける。

『この感触・・・どこかで・・・』と感じた瞬間、

翔の顔へ風が当たっている。

 

焦点が合うと

意識を無くして落ちていく彼女の横の空間へテレポーテーションしていた。

彼女をそっと抱きしめた。

とたんにRyokoから緊急連絡が入った。

「翔様、スパイダーネットでの救出が可能ですが、

 この加速度の衝撃を相殺できない可能性があります。ご注意ください」

『このままでは二人とも助からない。何とかしなければ・・・』

『こうなれば、もう一度試すのみ。一度あることは二度あるはず』

翔はバトルカーをじっと見つめた。

『ふっ』と視界がぼやける。

次の瞬間、翔はバトルカーの隣へ着地していた。

 

「うーん、・・・。えっ?あ、あなた、どなたですか?」

「はい、私はあなたのお母様から捜索を依頼された者です。良かったです。無事で」

「無事?・・・何の話ですか?」

「あなたが行方不明になったのは昨日の塾の時からですよ」

「えっ?そうなのですか?

 わたしは、今までどこにいたのでしょうか・・・

 塾の帰り道に女性に道を尋ねられ、その女性の光る目を見つめたとたん、

 知らないうちに知らないお部屋にいまして、身体が動きませんでした」

翔は、眉間の鈍痛と全身の筋肉が急に鉛に変わったかのような重みに耐えながら

心配している彼女の母親の元へ急いで送り届けた。

(つづく)

38.函館港まつり2-森駅-

地球岬公園を出発して、母恋中央通へ左折し母恋駅の方へ向かう。

突き当りの室蘭新道を左折し、

さる有名な地元政治家が作ったとされる白鳥新道(白鳥大橋)を越えて、

室蘭港口を横切って室蘭ICへ向かう。

白い雲を巻いた駒ヶ岳を背景に内浦湾(噴火湾)沿いに丸く道央道を走っていく。

やがて森町の標識が見えてきた。

ここにはかの有名な駅弁「森町のいかめし」の販売されている森駅がある。

どこのスーパーでも売られているが、

本物を食べるのは今回が初めてで楽しみにしている。

道央道の森ICを降りて森駅へと向かった。

 

慎一は森駅のロータリーに車を停めて、駅構内のキヨスクへ走る。

キヨスクでは出来立ての熱々を客へ渡せるように「保温用ボックス」から取り出してくれた。

手に持つと温もりがあって外側のラッピングが曇るほどの暖かさだった。

この弁当は作りたてに近く、

イカの身も柔らかく現地で買った甲斐があるというものだった。

1折2個入りとチラシが貼ってあったので2折買った。

森駅の近くの海岸線の見える場所で噴火湾の丸く蒼い水面を眺めながら賞味することにした。

どれどれと、一つ目の折の蓋を開けてびっくり、

やや小さめのイカが3個入っていた。

大きさ的に子供達用にちょうど良かった。

二人の口に近づけるとおそるおそる表面を少し舐めていたが、

甘辛くイカの味が美味しいと分かり両手に持って夢中でかじっている。

慎一は、噴火湾の美しい景色をおかずに

シンプルで素朴な味の「元祖森名物いかめし」を楽しんだ。

 

ここまでくれば函館市は目の前である。

左側に駒ケ岳の姿を見ながら大沼国道を南へ向かう。

やがて「大沼公園」の看板が見えてくる。

車窓にのどかな大きな大沼の湖面が広がってくる。

今晩は大沼公園でのキャンプを楽しむのか、

大沼沿いの道路脇を家族全員自転車で走っている姿も見える。

湖面にはカヌーに乗っている姿もx見える。

そこから大沼国道を走り、函館市中心部へ向かう。

向かう方向に函館市函館山が見えてくる。

本日の宿泊ホテルは「ラビスタ函館ベイ」だった。

もう夕方だったのでとりあえずチェックインし

花火が始まるまでゆっくりとすることにした。

大きめの和洋室を取っているので5人で寝るには十分だった。

(つづく)

84.遺族の恨みは晴れるのか10

Ryokoから新しい情報が入ってきた。

①朴川専務宅でどうやら「白川姫香」らしき女性が捕まっていること。

②殺し屋の一人が反抗しているため、華田社長宅土蔵部屋に監禁されていること。

③殺し屋の一人(女性)が朴川専務宅へ向かっていること。

④昨夜事務所へ侵入したヘビ男は、華田社長宅土蔵へ潜伏していること。

翔は、急いで銀座にある朴川専務宅の大きなタワーマンションへ向かった。

 

朴川専務のマンションから緊急情報が次々と送られてくる。

「白川姫香」らしき女性に危険が迫っているとの判断からだ。

現場にいるクモ助からの画像がヘルメットのフェイス部分へ映される。

現在、「白川姫香」らしき女性は、現在、マンションのベランダへ立っている。

目に膜がかかって意志のない様子でじっとしている。

殺し屋が彼女へ催眠術をかけている。

「あなたのお父様は殺人者の味方なので多くの人から恨まれています。

 あなたは娘としてその人たちへ謝罪しなければなりません」

「はい、私は謝罪しなければなりません。謝罪の手紙を書きます」

「では、ここへ私の話すように書いて下さい」

「はい、あなたの言うとおり書きます」

彼女は、殺し屋の言うとおりに謝罪の手紙を書いて、

封筒をスカートのポケットへ入れた。

 

「では、あなたは今から歩いてこの板を歩きます」

彼女は、ベランダへ斜めに立てかけられた幅広い板へ足をかけた。

両手を広げて板をそっと歩き始めた。

「そうそう、この道は幸せの国への道です。落ちないようにそっと歩いて」

彼女はゆっくりと板を歩いていく。

「Ryoko、彼女へ麻酔薬を打ち込め」

「翔様、クモ助にその機能はありません」

「何とか彼女を歩かせないようにできないか」

「翔様、現状では何もできません」

「わかった。クモ助を彼女の背に貼り付けろ。耳元でずっと話しかけさせろ」

「了解しました」

しかし、クモ助は移動に時間がかかり、なかなか彼女の耳元へ近づけなかった。

あっという間に彼女の足が何もない空間へ踏みだされた。

(つづく)

83.遺族の恨みは晴れるのか9

ある夜、事務所へ侵入者があった。

予期していたことなので

プードル型ロボット犬『ロビン』とアスカを待機させている。

鍵が音も無く開けられ、ドアも静かに開けられた。

気配を消して室内をうかがう侵入者、

寝息を立ててソファで眠っているふりをしているアスカへ近寄っていく。

アスカの首にロープが巻かれた。

『ギリギリ』

『?!』

普通の人間だったらきっと首の骨が折れたはずだった。

いつもの感触と異なることに気づいた侵入者は動きを止めた。

 

ロビンから多くの「麻酔針」が噴射された。

強力な麻酔効果のためすぐに倒れるはずの敵がまったく倒れない。

ロビンは、侵入者へライトを当てた。

侵入者の全身は蛇のような鱗に覆われていて、ヒモと思ったのは手だった。

アスカの首筋を狙って、細くした指先を突き刺してくる。

どうやら毒手の名手のようだった。

翔は急いで事務所から出てドアを締めた。

窓ガラスには割れないシートも貼ってあるし、ドアそのものは鉄製に変えている。

部屋の中ではアスカが背中部分から麻酔ガスを噴出している。

 

しばらくすると部屋の中が静かになった。

アスカからも侵入者が動かなくなったとの連絡が入った。

翔は侵入者を拘束しようとしたが、ヘビのような身体なので無理だった。

どうしようかと思っていると

今まで意識を失っていたはずのヘビ男が、

突然、翔の脇をすばやくすり抜けて事務所のドアを蹴破って脱出した。

ヘビ男の身体にはGPS装置の入った針が打ち込まれているし、

潜伏場所は青山の華田社長宅なので慌ててはいなかった。

 

すぐさま都倉警部へ連絡し敵の画像を見せる。

アスカが赤外線カメラで室内や敵を撮影している。

警部は侵入者のあまりに異様な姿に驚いている。

首を絞められたアスカの具合を心配していたが、

彼女を警部の隣へ座らせ、首元を確認させると

アンドロイド(OJO)である彼女のあまりの精巧さに目をパチクリさせている。

(つづく)