はっちゃんZのブログ小説

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『武闘派!』なのに、実は超能力探偵の物語

あらすじ

桐生 翔(きりゅうしょう)は新宿の片隅で私立探偵業を営む。困った人を助けたいと思う正義感あふれる若い探偵が、この小さな探偵社を訪れるクライアントから持ち込まれるさまざまな依頼を真摯に解決していく。

ある日突然超能力(テレポーテーション)に目覚めるが、本人もその能力をあまり信用しておらず発現頻度も曖昧で使い方もよくわかっていないまま物語は進んでいく。

翔の高い格闘技術と最新探偵道具を使い事件の核心を掴み解決していく姿と恋人百合とのラブラブな場面を楽しんで欲しい探偵小説。 

~もくじ~

1.絶体絶命のはずなのに?       2.翔、帰還?! 

3.京(狂)一郎、見参!        4.『葉山館林研究所』到着 

5.いつ出るの?超能力!                       6.葉山館林邸1

7.葉山館林邸2                           8.テロ教団から都民を救え!1

9.テロ教団から都民を救え!2     10.テロ教団から都民を救え!3

11.「目黒館林研究所」完成        12.臓器売買組織を壊滅せよ

13.ストーカー事件を解決せよ!1  14.ストーカー事件を解決せよ!2

15.ストーカー事件を解決せよ!3  16.ストーカー事件を解決せよ!4

17.百合との出会い1                     18.百合との出会い2

19.百合との出会い3           20.百合との出会い4

21.幼い兄妹を救え1                           22.幼い兄妹を救え2

23.幼い兄妹を救え3           24.幼い兄妹を救え4

25.幼い兄妹を救え5        26.翔とミーアと百合1

27.翔とミーアと百合2                       28.局アナ盗撮事件を解明せよ1

29.局アナ盗撮事件を解明せよ2   30.局アナ盗撮事件を解明せよ3

31.局アナ盗撮事件を解明せよ4   32.局アナ盗撮事件を解明せよ5

33.未知の物質は?         34.桐生事務所ビル改築

35.オレオレ詐欺団を壊滅せよ1      36.オレオレ詐欺団を壊滅せよ2

37.オレオレ詐欺団を壊滅せよ3      38.オレオレ詐欺団を壊滅せよ4

39.オレオレ詐欺団を壊滅せよ5   40.お化けアパートの怪1

41.お化けアパートの怪2              42.お化けアパートの怪3

43.お化けアパートの怪4              44.お化けアパートの怪5 

45.お化けアパートの怪6      46.初めてのくちづけ

47.百合、実家で相談する      48.翔、久々に実家へ帰る1

49.翔、久々に実家へ帰る2     50.百合、初めて桐生家へ

51.翔、初めて葉山館林家へ1    52.翔、初めて葉山館林家へ2

53.翔、初めて葉山館林家へ3    54.翔、初めて葉山館林家へ4

55.新宿探偵事務所スタート1    56.新宿探偵事務所スタート2

57.新宿探偵事務所スタート3    58.新宿探偵事務所スタート4

59.逆恨み1            60.逆恨み2

61.逆恨み3               62.消された記憶1

63.消された記憶2            64.消された記憶3

65.怪しいクライアント       66.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ1

67.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ2  68.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ3

69.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ4  70.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ5

71.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ6  72.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ7

73.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ8  74.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ9

75.遺族の恨みは晴れるのか1      76.遺族の恨みは晴れるのか2

77.遺族の恨みは晴れるのか3              78.遺族の恨みは晴れるのか4

79.遺族の恨みは晴れるのか5              80.遺族の恨みは晴れるのか6

81.遺族の恨みは晴れるのか7              82.遺族の恨みは晴れるのか8

83.遺族の恨みは晴れるのか9              84.遺族の恨みは晴れるのか10

85.遺族の恨みは晴れるのか11            86.遺族の恨みは晴れるのか12

87.遺族の恨みは晴れるのか13            88.遺族の恨みは晴れるのか14

89.遺族の恨みは晴れるのか15            90.遺族の恨みは晴れるのか16

91.遺族の恨みは晴れるのか17    92.特訓1 (浅間別荘編1)     

93.特訓2(浅間別荘編2)                   94.特訓3(浅間別荘編3)

95.特訓4(浅間別荘編4)                     96.特訓5(浅間別荘編5)

97.特訓6(浅間別荘編6)        98.特訓7(浅間別荘編7)

99.特訓8(葉山編1)         100.特訓9(葉山編2)

101.特訓10(葉山編3)                    102.特訓11(葉山編4)

103.特訓12(葉山編5)

 

さざなみにゆられて-北海道編-

小説期間:2000年平成12年4月1日~

あらすじ:

さざなみにゆられて-山陰編-の続編です。

山陰地方で生まれた美波は写真集で見た富良野などの北海道の雄大な風景に憧れ、

自分のことを全く知らない人の街で一人で暮らしてみたいと北海道の大学を受験。

小樽商科大学に無事合格し義父の影響で銀行員を目差す。

両親は米子市にいたが、2000年に義父の勤務する銀行の合併に伴い、

偶然札幌市へ異動となる。

北の都『札幌』を中心に各季節ごとに趣きを変える北海道内の自然や観光名所を含めて

慎一、静香、美波、雄樹、夏姫の生活が始まる。

悲しい事件は起りません。おだやかに時間が過ぎていくだけです。

 

登場人物

日下慎一 現在41歳、1999年静香と再婚。山陰支店では預金課で勤務している。

     2000年4月より関西中央銀行と札幌振興銀行が合併し「六花銀行」となる。

     2000年に北海道札幌市へ再度融資課員(支店長代理)として異動。

日下静香 現在39歳、17年前に夫と死別し娘(美波)を一人で育てた。

                  1999年5月に日下慎一と再婚。現在妊娠中。

日下美波 現在19歳、鳥取県米子東高から北海道小樽商科大学へ入学し青春を満喫中。

日下雄樹 2000年夏に生まれる男の子。

日下夏姫 2000年夏に生まれる女の子。

 

もくじ

1.札幌へ              2.初めての胎動

3.美波の戸惑い           4.慎一の自覚と不安

5.初出勤              6.二人でコーヒー

7.美波の誕生日           8.YOSAKOIソーラン祭り

9.美波、学生生活スタート        10.独立への一歩

11.母の再婚と強がり娘        12.サークル

13.ゲレンデ             14.雪のイベント

15.誕生               16.子供たちのお披露目

17.お宮参りと育児への参加              18.銀杏の下で

19.シシャモ祭りとラムジンギスカン     20.お食い初め

21.美波の憂鬱                                         22.流氷観光1

23.流氷観光2            24.流氷観光3

25.桃の節句                                            26.静香始動            

27.支笏湖とオコタンペ湖1                   28.支笏湖とオコタンペ湖2     

29.端午の節句                                         30.美瑛と富良野1         

31.美瑛と富良野2                                  32.すながわスウィーツロード1   

33.すながわスウィーツロード2             34.美波、YOSAKOIへ出場1

35.美波、YOSAKOIへ出場2    36.子供達の誕生日

37.函館港まつりへ1-地球岬-         38.函館港まつり2-森駅-

39.函館港まつり3-ホテルにて-      40.函館港まつり4-花火大会-

41.函館港まつり5-ホテルの朝食-     42.ねぶた祭り1-青森へ移動-

43.ねぶた祭り2-青森観光1-           44.ねぶた祭り3-青森観光2-

45.ねぶた祭り4-祭り本番-        46.青森から函館へ-竜飛海底駅-

47.函館観光1                       48.函館観光2

49.函館観光3-恵山岬-          50.洞爺観光-有珠山昭和新山-

51.洞爺から札幌-クマ牧場・望羊中山-   52.

    

 

さざなみにゆられて-山陰編ー

*あらすじ*

山陰地方の町、米子市で小料理屋「さざなみ」を営む静香・美波親子と

関西生まれの銀行マンの慎一とのふれあいを描く。

山陰地方の豊かな四季の中で三人三様の心の傷が癒される時間を描く。

読者の対象年齢は20歳以上に設定しています。

*登場人物*

後藤静香 小料理屋「さざなみ」の店主。

                  地の食材を美味しく食べさせてくれる店。

     店ではいつも弓浜絣を着ておりおだやかな笑顔の女性。

                  娘と二人暮らし。

後藤美波 静香の娘。高校一年生。明るく人懐こいところがある。

日下慎一 春に米子へ新規開拓を目的に赴任してきた独身の銀行マン。 

*改訂について*

内容は数年単位で徐々に見直しを行っています。

目次の後に(改)となっているものは見直して内容を若干変えています。 

~もくじ~

1.赴任                2.「さざなみ」初来店

3.秀峰大山へ             4.静香のまなざし、美波のまなざし

5.面影                6.追憶1

7.追憶2               8.美波の秘密

9.がいな祭りと境港         10.がいな大花火大会

11.美波、秋の県大会新人選へ出場  12.帰途の二人

13.とまどい            14.師走、三人で

15.帰省、遠い記憶         16.初詣

17.移り変わる記憶         18.桜街道

19.二人で出雲へ          20.母の再婚

21.彼との距離           22.浴衣1

22.浴衣2             24.突然の辞令

25.それぞれの思い         26.いつもの音

27.美波のがまん          28.慎一の約束、静香の願い

29.異動の朝            30.湯呑

31.壊れた携帯           32.霧と痛みの世界

33.間違い電話           34.幸恵の疑問

35.静香親子、神戸へ        36.春の息吹

37.再赴任             38.再び『さざなみ』へ

39.美波の受験           40.美波の言葉

41.旅立ちの日           42.広すぎる家

43.最初の夜            44.相性

45.新婚旅行、娘と1        46.新婚旅行、娘と2   

47.業界再編への動き、そして

96.特訓5(浅間別荘編5)

翌日も朝のトレーニングで「母の白滝」付近に来た時、

百合が滝つぼ付近の崖に綺麗な花を見つけて立ち止まった。

翔は『先に行ってるね』と声を掛けて戻っていく。

神社を回り別荘への分かれ道を通り過ぎた頃、振り返るとブルーに太いホワイトラインが数本入ったスポーツウェアの百合の小さな姿が目に入る。

滝つぼの近くでまだ花を摘んでいるみたいだった。

 

その時、

翔の視界の隅に映る大きな藪の左側で何かが動いた。

よく見ると丸い黒い何かが動いている。

百合は背中を向けているので気がついていない。

翔は焦って大声で呼んだが、

滝の音が大きく翔からは遠いため、百合には聞こえていない様子。

翔は全速力で走った。

近づいていくと熊だと判明した。

大きな藪の左側にいる熊の視線が右側を向いた。

ちょうど百合のいる方向だった。

熊が百合の方へ走っていく。

百合は全く気がついていない。

 

走っても走っても近づかない。

このままでは百合が背後から襲われてしまう。

まさかこんな所に熊がいるとは思ってもいなかった。

冬眠前の熊は気が荒くて人間でさえも簡単に襲うと聞いている。

熊はとうとう藪から出て百合の背後に出現した。

百合が気配に気付いて振り向いたが、

驚いて固まっているのがわかった。

絶対絶命だった。

 

翔は必死で走りながら百合の方を見た。

その時、視界が揺れて、視界の光景が回りから消えていく。

眉間の奥が熱くなり、『ズーン』と痺れるような感覚が、

その部分から全身へ広がっていく。

その痺れが引いた瞬間に百合と熊の間に立っていた。

後ろの百合から『翔さん・・・』とかすれた声が漏れる。

突然現れた翔に一瞬驚いた熊だったが、

鋭い牙の生えた顎と人間の指ほどの長さと太さのある爪が構えられている。

首元に特徴のある白い輪が見え、両足立ちになり両手を上げて攻撃態勢を整えている。

バトルスーツを着ていないので熊の攻撃を受けることはできない。

 

翔は熊の目をじっと睨みながら百合へと後退りしていく。

やっと百合のところへ着くと、

百合を背中に隠しながら滝つぼの崖方向へ移動して行った。

来るなと願ったが、やはり熊はこちらへ向かって来た。

すごいスピードだった。

吐き出される息吹、野生の匂いが鼻を突く。

このままでは二人とも殺されてしまう。

翔は百合を抱きしめると滝つぼの反対側を見つめた。

『ズーン』という痺れと視界がぼやける。

二人は最初居た滝つぼの反対側の崖の上に移動していた。

襲い掛かった熊は突然、獲物が急に居なくなったため滝つぼへ落ちていった。

(つづく)

47.函館観光1

宿泊したラビスタ函館ベイの前を通過し、「金森赤レンガ倉庫」に着いた。

ネットでは、この倉庫は明治期に建てられたもので、現在倉庫群を利用したショッピング&食事スポットとして人気と書いてある。確かに多くの観光客が歩いており、祭り期間中でもありどの店も満員のようだったので車から降りなかった。

次は、「基坂」と「八幡坂」である。

国道から末広町の高台まで一直線の道を進む。

函館は坂の多い街として有名で、

その中で有名な坂としては「基坂」と「八幡坂」がある。

基坂」は、函館から札幌へ向かう函館本道の起点で、里数を計る元標が建てられたことからその名がついた。

八幡坂は、昔、八幡神社があった頃から、その名前の「八幡」が残った坂道で、坂の上から一直線に海まで道が続いており、一番景色がいい坂といわれている。

非常に眺めがよいことから、CMやドラマにもよく使われているらしい。

ちょうど八幡坂の頂点部分でユーターンして道路脇に駐車しその景色を見る。

沿道に並ぶ夏の強い日差しをも吸収する濃緑の樹木がまっすぐに並び、

遥か遠くまで霞む港まで舗装された道路が続いている。

末広町付近には、多くの家や教会、喫茶店、レストランが並んでいる。

ところどころ昔の茶店風の木の温もりを感じる可愛いお店も見える。

明治時代の息吹が色濃く流れる街であった。

 

本日の宿泊予定の湯の川温泉にある「湯の川プリンスホテル渚亭」を目指しながら

その途中にあるトラピスチヌ修道院を訪れた。

この修道院の正式名称は、「天使の聖母トラピスチヌ修道院」、通称「天使園」とも言われている。日本初の女子修道院で、現在も厳格な戒律のもとで修道女が祈りと労働を中心とした自給自足の生活を送っている。

近くの駐車場に停め、寺院へ続く階段を上りながら、

「大天使聖ミカエル像」「慈しみの聖母マリア像」「ルルドの聖母」

聖テレジア像」「ジャンヌダルクの像」とたくさんの像が迎えてくれた。

その静謐な佇まいの中に漂う空気に強い宗教心が張り詰めているように感じた。

天使園の売店で修道女手作りの「マダレナ(マドレーヌ)」と「クッキー」を買った。

心地良い噛み心地と素材の優しい味とほのかな甘さが舌に残った。

これは後日コーヒーや紅茶で飲むことを考えて多めに買った。

 

修道女の厳しい生活を垣間見ながら、湯の川温泉「渚亭」へ向かう。

とりあえずチェックインし

荷物を部屋へ置き身軽になって再度函館市内へ向かう。

そろそろ夕方であり、函館山展望台からの夜景観光に出発した。

函館山は標高334mで、ロープウェイで登り、

展望台から見える風景は市街と函館港が一望におさまるため特に有名である。

函館山ロープウェイの駐車場に車を停めてロープウェイ客の列に並ぶ。

このロープウェイは大型で125名が乗り込むことができ、山頂まで3分で到着する。

家族がロープウェイに乗る頃にはちょうど夜の帳が降りてきている。

展望台に着く頃には、

水平線に星が瞬き太陽が沈んだ方向の夜空には名残の光が見える。

そこかしこから「オオー」「綺麗」の声が漏れてくる。

函館の街並みと港で輝く光の海、そしてそれらを囲む薄暗い海、

そのコントラストと綺麗な光の光景は目に焼きついた。

家族全員、その光景に目を奪われた。

(つづく)

95.特訓4(浅間別荘編4)

この一帯は山間部のせいか朝が遅い。

二人が眠りから覚めてもまだ暗い。

やがていつもより弱く揺れるような光が差し込んできた。

カーテンを開けると

富士山が昇る朝日に照らされ、

山中湖湖面に反射し

その光が窓から差し込んできている。

 

二人はいつものロードワークに出た。

別荘から「母の白滝」「河口浅間神社」をルートとして

翔は2周走り、百合は1周で朝食の準備に別荘へ戻っていった。

別荘に戻って庭でいつもの鍛錬を行っていると

百合から朝食の声がかかった。

鍛錬でびっしょりとかいた汗をシャワーで流し食卓へついた。

食後の美味しいお茶を飲みながらゆっくりとして特訓の時間に入った。

 

特訓と言っても二人で考えてもなかなかアイデアが思いつかなかった。

別荘の庭で目標の木の隣付近をじっと見つめて『跳ぼう』としても何も起こらない。

座禅を組んで精神統一をして半眼で目標をじっと見つめていても何も起こらない。

過去の跳んだ時と同じ状況を意識しても何も起こらない。

それならと息が上がるまで動いて試しても何も起こらない。

滝から飛び降りる事も考えたが、仮に失敗した場合は生きていないし

百合が絶対に反対するので諦めた。

 

じっと見ていた百合から

「あまり無理しても仕方ないから、気分転換に河口湖を観光しない?」

と声がかかった。

焦っても仕方ないのでとりあえず午後は観光に向かった。

 

河口湖湖畔では、多くの観光客が歩いている。

百合は翔と手をつなぎながら色々と見て回った。

観光客相手のお店が並んでいる。

その中にレンタサイクルの店があった。

さっそく二人で湖畔を1周することにした。

河口湖は海抜839m、湖の深さは最深部で25m、周囲20kmで、

1時間もあればゆっくりと回ることができた。

湖水面からはコイ、フナ、ワカサギ、ブラックバスらしき魚影が映っている。

湖の中にある富士五湖で唯一の島「うの島」がよく見える。

湖面を渡る風にそよぐ百合の髪と翔へ向けられる笑顔が輝いている。

この笑顔がいつまでも続けばいいなと翔は感じた。

 

レンタサイクルを返して

『カチカチ山ロープウェイ』で天上山へ登りそこの茶屋で喉を潤すこととした。

実は天上山は『童話かちかち山』の舞台となっている山で、

泥舟を浮かべたのは河口湖らしい。

茶屋でフレッシュジュースとケーキを食べたながら

少し汗ばんだ首筋や頬を冷やしながら河口湖と富士山の絶景を楽しんだ。

湖面を見ると遊覧船やスワンボートが見える。

 

湖畔の「河口湖遊覧船アンソレイユ号」の乗船口へ向かった。

フランス語で「日当たり良好!」と言う意味の名を持つこの船は、

南欧のレイクリゾートをイメージして造られたらしい。

二人は2階席スペースで雄大な富士山や360°のパノラマビューを楽しんだ。

船内放送では『逆さ富士の名勝地』と説明されており、

翔は別荘の窓から見えた風景を思い出した。

(つづく)

46.青森から函館へ-竜飛海底駅-

 ねぶた祭り2日目の朝、JRで青森駅から函館駅へ向かう途中、

竜飛海底駅」に降りて観光することにした。

見学時間は2時間30分。

駅に到着し、車掌さんが非常コックを使いドアを開け、

緑のジャケットを着たガイドさんに続いて観光客は降りる。

ホームに降りると夏にも関わらず涼しい空気が流れている。

本坑から直角の建設されている若干薄暗い連絡誘導路へ移動していく。

ホームは480メートルと、東京駅の新幹線ホーム(410メートル)よりも長く、

最大編成の新幹線(17両)の停車にも耐えられるように建設された。

ベンチが並んでいる場所でガイドさんから見学ツアーのスケジュール説明を聞く。

ホーム誘導路の駅名プレートが目に入った。

白地に大きくひらがなで「たっぴかいてい」その下に漢字で「竜飛海底」、

その下に緑地の両矢印へ「←Tappi-kaitei→」、

最下段に「つがるいまべつ よしおかかいてい」と印刷されている。

普段は駅名プレートをしみじみと見る趣味はないのだが、

今回は初めてじっくりと見ていると、何となくここは津軽海峡の海底の駅、海面下140mもの深さにある駅なんだという実感が湧いてきた。

これより作業坑側に進む先にあるホームへの誘導路には、コンクリートの厚みが側面30cm 床面20cmであることが壁面に印字されており、その先にある連絡通路内に設置されている金属製の棚へ荷物を預けた。

ふと見上げるとトンネル上部には電線や空気ダクト、水道管などがひしめきあっている。

やがてケーブル斜坑の入り口が見え、そこからは壁がそれまでコンクリートだったものから吹付コンクリートの壁に変わっている。

吉岡海底駅に繋がっている通路もあるそうで、以前は歩いて吉岡定点まで行くイベントも行われていたようだが現在は行われていないようだ。

このまま避難所がある左側に進むとトンネル内で湧出た水を地上に配水するポンプ設備が見えた。平常時は常に1台が稼働しているとの説明で、常時強烈な水圧と染み出てくる水との戦いがあることに気がついた。

毎分排出される水量が約20000リットル。ポンプで排水された水は、ほとんどが海に流されますが、その一部は龍飛地区小水力発電所で発電に使われ、この水は海水と地下水(淡水)が混じった汽水ということで、チョウザメやヒラメ・イトウの飼育をする試験が行われていると説明された。

避難所に到着。ここにはトイレと公衆電話と更衣室が設置されている。

避難所を奥に進むと、頑丈な防風扉が見えてきた。奥にもう一つの扉があり、強い風が発生しないように簡単なエアロック状態となっている。

2つ目の防風扉を通過すると竜飛海底駅外のエリアとなり、青函トンネル記念館の地下展示施設・体験斜坑が展示されている。記念館に飾られている多くの写真は工事中の写真で工事の苦労や技術について細かく解説されており、体験斜坑コーナーでは、トンネル掘削で利用した機器や説明パネルなどが展示されている。

 

ここまで来ると「地上部へ出る竜飛斜坑口」とのアナウンスがあった。

青函トンネル竜飛斜坑鉄道のケーブルカー「もぐら号」に乗り込み地上を目指す。

乗り心地は、振動が激しく、ピコンピコンと警告音が絶えず流れ、騒がしかった。

窓から眩しい光が差し込んで地上の青函トンネル記念館駅にたどり着く。

地上駅はコンクリートの建物で、記念館の外からは津軽海峡が見える。

自由時間は約40分で、残念ながら竜飛岬まで行く事は出来なかった。

記念館には青函トンネルや使った機器などの説明展示をしており、慌しく見て回った。

すぐに集合時間が来て、ケーブルカーに乗り込み、再び海底駅、ホームへと向かった。

慌しい見学ではあったが、当時の最高技術を目にすることができたこと。

多くの人々の力が結集されてできた奇跡の工事であったことが理解できた。

しばらくすると帰りの特急白鳥が到着し、見学客は全員乗り込み函館駅を目指す。

函館駅周辺の3日目のみなと祭りを楽しむ人達に交じり、

屋台などで簡単なお昼ご飯を食べて乗車する。

先ずは五稜郭を目指したが、道路も駐車場もいっぱいで動けない状態だった。

五稜郭はまた別の機会にと考えて車で見ることのできる観光地を考えた。

(つづく)

94.特訓3(浅間別荘編3)

ビールで咽喉を潤してしばらく休んだ二人は、

いつものように鍛錬の時間に移った。

二人は別荘の外へ出て庭で鍛錬を行った。

一時間ほどして百合が夕飯を作りに別荘へ入っていく。

翔はたっぷりと2時間掛けて柔軟から格闘訓練まで行い、

全身が汗でびっしょりとなっている。

ちょうど終わると思われる時間に百合から声がかかった。

 

夕飯の献立は

食前酒として、淡い桜色の冷やしたロゼワインさくらんのワイン』

メインのワインは、『シャトーブリヤン2013』

厚さ2センチの『富士山麓牛』400gのステーキ。

たっぷりのサラダと具沢山のコンソメスープ。

炊きたて『ミルキークイーン』のおむすびが添えられている。

 

ちなみに

さくらんのワイン』は、山梨県産の甲州ぶどうとマスカットベリーAのぶどうを主原料にしたロゼワインで、サクランボの実を入れ、ほのかなサクランボの香りとフルーティーな甘さで冷やして飲むとほのかに春が感じられるものだった。

『シャトーブリヤン2013』は、ワインの醍醐味ともいえる長期熟成を経て味わう仕上がり1946年からのベストセラー商品らしくやわらかな果実の風味が落ち着きを感じさせた。

『富士山麓牛』は、赤身そのものの旨味が濃く、

噛めば噛むほど細かく交じり合った脂身の甘味が口中でほどけてくる。

ミルキークイーンのおむすびは

この米特有の優しい甘さといい、のどこしの良さといいバランスの取れたお米で、

空気を入れて優しく丸められたおむすびは最高に美味しかった。

 

食事の後は、テレビや映画を見てゆっくりしてお風呂に入った。

明日からの特訓のために早く寝ようと思ったが、

いい匂いの可愛い百合を見ているとそうならず、

ついついいつものように二人は抱き合った。

ふたりきりになって変わったところは

いつもの百合より少し感じやすくなり、

ほんの少しだけ大胆な百合がいたことだった。

(つづく)

45.ねぶた祭り4-祭り本番-

ねぶた祭りについては、青森ねぶたオフィシャルサイトの紹介では以下である。

七夕祭りの灯籠流しの変形であろうといわれていますが、その起源は定かではありません。奈良時代(710年~794年)に中国から渡来した「七夕祭」と、古来から津軽にあった習俗と精霊送り、人形、虫送り等の行事が一体化して、紙と竹、ローソクが普及されると灯籠となり、それが変化して人形、扇ねぶたになったと考えられています。

初期のねぶたの形態は「七夕祭」であったのでしょう。そこに登場する練り物の中心が「ねぶた」と呼ばれる「灯籠」であり、七夕祭は7月7日の夜に穢れ(けがれ)を川や海に流す、禊(みぞぎ)の行事として灯籠を流して無病息災を祈りました。これが「ねぶた流し」と呼ばれ、現在の青森ねぶたの海上運行に表れています。

「ねぶた(ねぷた・ねふた)」という名称は、東北地方を始め、信越地方「ネンブリ流し」、関東地方「ネブチ流し・ネボケ流し・ネムッタ流し」等の民俗語彙分布と方言学から「ねむりながし」の眠りが「ねぶた」に転訛したものと考えられています。

その他の情報としては、青森ねぶた祭りの一番の特色は、「ハネト(踊子の意味)の大乱舞」らしくどのようなものかがとても興味深かった。

 

ねぶたは決められたコースを一方向に全ねぶたが同時に動き始める。

そのコースは、青森駅前のアスパム通り交差点から柳町通りを通過し、中央公園通りで右折し、国道4号線に突き当たると右折しアスパム通りに突き当たると右折して駅前のアスパム通り交差点まで続く四角のコースであった。

多くの観光客がぞろぞろと歩道を歩いて、見るのにいい場所を探している。

ねぶたも待機しており、踊り子は興奮した表情で既に道路に待機している。

本日と明日は、子どもねぶた(約15台予定)・大型ねぶた(約15台予定)で有名ねぶたも数多く出陣されているらしい。

 

開始予定時間の19時になったとたん、

街中から一斉に笛(篠笛)、太鼓(締め太鼓)の派手な音と『ハネト』と呼ばれる踊子の持つ手振り鉦(ジャガラギ・テビラガネとも言われる)の『シャン、シャン』と言う音が響き渡った。

先ず最初に目がひきつけられるのは、

目などに光が入り極彩色に輝く大きなねぶた。

職人が時間を掛け、ねぶた祭りへの思いを練り込めたねぶた。

装飾の施された高さ2mの車付きの台に載せられ、高さ5mくらいのものとなったそれは、見る人を驚かせ楽しませ感心させる。

「大型ねぶた」は、担ぎ子が観客へすごい勢いで突っ込むような勢いで観客を驚かせ喜ばせている。

歌舞伎のメイクの様な色彩のねぶたが多く、戦いに強く勇ましい男を表しているものが多かった。

慎一は歴史で習った蝦夷討伐を思い出しながら、青森ねぶた祭り全体を流れる静かで厳かなムードから、兵隊への必勝祈願、無事に帰ってきて欲しい心、亡くなった方への感謝の気持ちが作り出した祭りであることを感じた。

 

花笠をかぶりねじり鉢巻に揃いの半纏のたくさんのハネトが

そこらじゅうを練り歩きながら飛び跳ねて踊っている。

ねぶたの動きに合わせてついていく。

小型の「子供ねぶた」も同様に参加している。

大型ねぶたに負けじと大きな掛け声を発し、観客へ突っ込んで行く。

子供達が慣れない手で作ったであろうねぶただが、

それが逆に大型ねぶたと違って手作りに見えることで可愛かった。

家族で道端に座って21時の終了までじっと見ていた。

 

ネットにも載っていたが、「阿波踊りのニワカ連」ではないけれど、

地元の人間ではない観光客などが集まり同じように踊る集まりもあるようで、

バラバラの服装のハネトがピョンピョン跳ねているのが見える。

観光するだけでなく地元民と同じ気持ちで祭りに参加して、

この東北地方でも大きな祭りを盛り上げて、

短い夏を目一杯楽しもうとしているように見えた。

子供達は、両親の膝に抱っこされながら、

目を輝かせてねぶたを見上げて、足をピンピン延ばして

両手を動かせてハネトに参加していた。

その夜はホテルで今後何度か青森に来ようという話となった。

(つづく)

93.特訓2(浅間別荘編2)

館林家の別荘は「河口浅間神社」と「母の白滝」の間の道から少し入った高台にある。

突き当たりの鬱蒼とした林の中に建っており外面は鉄筋コンクリートの洋館だった。

窓からは真っ白の富士山を映す紅葉に染まる河口湖が目の前に広がっている。

太陽は少し傾いてきている。

 

百合が豪華な樫の木の扉を開けて入っていく。

それに続き、荷物を一杯に担いだ翔が入っていく。

既に空調は動いていたようで、

部屋の空気もしばらく使わなかったようなカビ臭さも一切無かった。

暖炉にも薪が入っており揺れる炎の暖かい光が部屋を照らしている。

 

二人だけの生活は久しぶりだった。

事務所ビルに生活用の部屋はあるが、

警備用のロボット犬「ロビン」が歩いているし、

事務所にはアスカが常に待機している。

二人ともなるべく気にしないようにしているが

やはり彼らの目が気になって少しは遠慮している。

しかし、両一族の重要人物である二人には

常に優子からバトルヘルメットやテレビなどへ

別荘周りの状況などが送られてくる。

本当の所は二人きりとは言えないが十分に二人だけの生活だった。

 

翔は百合が忙しげに荷物整理をしている間、

暖炉の前のソファーに座ってテレビのニュースを見ている。

いつも見ている番組とは異なる地元の番組が放送されており、

地元情報を中心に穏やかな毎日のニュースが流れている。

整理の合間に百合が「八ヶ岳地ビール タッチダウン」を

テーブルに置いてくれている。

ほど良く冷えた瓶の栓を抜くと『シュッ、ポン』と心地良い音がした。

冷えたコップに注ぐと小麦色の液体と真っ白な泡の二層が出来ていく。

とりあえず液体7、泡3の割合の1杯目ができた。

 

ちょうどその時に百合が居間に顔を出した。

「翔さん、荷物の整理は終わったわ」

「お疲れ様。少し休もうよ。今、美味しいビールが出来たよ」

「わかったわ。少し休むわ。ふう、暑いわ」

百合は翔の隣に座った。

翔は急いで2杯目を慎重に作った。

「綺麗なビールね」

百合が嬉しそうに手に持ってコップの壁面を立ち上る泡を見つめている。

「乾杯」

「乾杯」

二人は一緒に飲んだ。

『ゴクッ』

とても美味しかった。

百合の最高の笑顔が翔へ向けられた。

このビールは、八ヶ岳山麓からの湧く天然水とドイツの生酵母を使用して、難しいといわれる「デコクション法」で一か月以上熟成して製造されている。

さすがビールの本場ドイツの酵母を使用しているだけあって、さわやかな咽喉ごしと天然水の甘み、そしてほろ苦さが舌に直撃してきた。

(つづく)

44.ねぶた祭りへ3-青森観光2-

三内丸山遺跡」を後にして「棟方志功記念館」へ向かう。

近隣のパーキングに車を停めて記念館へと入って行った。

 

棟方志功氏は、『おれは日本のゴッホになる』と言って有名になった、

板画家で20世紀の美術を代表する世界的巨匠の一人とされている。

青森県出身で1903年明治36年)に刀鍛冶職人の三男として生まれ、1975年(昭和50年)に亡くなった。

幼少の頃、囲炉裏の煤で眼を患い極度の近視となった。そのため眼鏡が板に付く程に顔を近づけ、軍艦マーチを口ずさみながら板画を彫ったらしい。

第二次世界大戦中、富山県疎開したおり浄土真宗にふれた事が大きく作品へ影響しており、その心情が「阿弥陀如来像」「蓮如上人の柵」「御二河白道之柵」「我建超世願」「必至無上道」など仏を題材にした作品を生み出した。

自らの身の小ささ、無力さを自覚して仏への帰依する心を作品にしている。

青森県下の学校では版画の授業が多く、今でも棟方志功氏を偲んでいるらしい。

版画作品には彼の魂がこもっているかのように、炎が燃え上がるような荒々しいタッチの中にも、映し出される仏の優しい眼差しや指先が特徴的だった。 

この記念館は校倉造を模した建物で、池泉回遊式の閑静な日本庭園と調和の取れた形となっている。代表作「釈迦十大弟子」等の板画を展示する他、倭画、油画、書など多数の展示があって、特に初期の代表的作品の殆どを収蔵しているのが特徴と説明されている。ただ展示されている作品数としてはそれほど多いものではなく、以外と少ない印象が残ったが、作品を一点一点じっくり見てほしいという作家自身の意向が反映されていた。

 

そろそろ青森国際ホテルのチェックイン時間に近いため、

車をレンタカー会社へ返してからホテルへ向かった。

今回はダブルのツイン1部屋にデラックスシングル1室の予約を取っている。

美波にも今日はゆっくりと眠れるようにと一人部屋を用意した。

まだ明るいし「祭りの開始の合図」がある19時10分まで時間があったので

早めにホテル内の中華レストランで夕食をとった。

せっかくなのでみんなでシェアできるように

カニとエビの蒸し餃子」「上海蟹小籠包」「大エビのチリソース」「麻婆豆腐」

「卵炒飯」「五目そば」「鮑と貝柱の炒め物」を頼んで、丸テーブルに並べてシェアした。

海老のプリプリ感、上海蟹の甘さ、鮑と貝柱の旨味、舌を刺激する辛味と甘さで

五感を刺激する

デザートは「杏仁豆腐」「リンゴシャーベット」で締めた。

(つづく)

92.特訓1(浅間別荘編1)

このたび事件で偶然とはいえ、

翔は初めて意識して『跳ぶ』ことができて驚き半分、嬉しさ半分だった。

今までは絶体絶命の時にしか跳べず、その場所も百合の近くだった。

しかし今回は思った場所をイメージして跳ぶことができた。

これをいつでも使えるようになれば、今まで以上に戦いは楽になると考えたのだった。

テレポーテーションの発現した状況を百合にも詳しく話したが、

相変わらず心配そうな顔をしている。

 

二人で相談した結果、百合が必ず一緒にいることが条件で

現在依頼されている案件を全て終わらせて、新規案件は受けない事にして

しばらく事務所を閉めて、富士五湖にある舘林家の別荘で特訓することとした。

アスカは事務所で待機させることとした。

何かあればバトルカーで駆けつけてくれる事になっている。

早速別荘の管理人に連絡し、生活のためのガス・水道・電気などの準備を依頼した。

食器や水や基本調味料は常備されているので買うものは食材だけでよかった。

タンデムでバトルバイクに乗って東名高速を飛ばす。

サイドカーには百合が準備した服や下着など必要なものを詰め込んでいる。

 

真っ青な空と流れる冷たい風が気持ちいい。

目の前に雄大で美しい白富士山が横たわっている。

しっかりと抱きついてくる百合の柔らかい胸が当たる背中が幸せだった。

御殿場ICを降りて、東富士五湖道路へ向かう。

富士吉田ICを降りて河口湖東岸を走ると河口浅間神社が見えてくる。

ここまで来たらもう目の前なので街のスーパーマーケットに向かう。

 

百合は食材の吟味に時間を掛けている。

米には富士吉田市特別栽培米『ミルキークイーン』

牛肉は富士山の麓で育てたジューシーな『富士山麓牛』

豚肉は脂身の甘さが赤身に溶け込んだ「山梨レッドポーク」

鶏肉は自然の中で約120日間、放し飼いにより歯ごたえのある美味しさの「甲州地鶏」

その他、多くの地元で作られた有機栽培の土の付いた野菜を買い込んだ。

日本酒は「旦(DAN)」と「七賢」、

ワインは『さくらんのワイン」と「シャトーブリヤン2013」を購入した。

地ビールはすぐに飲めるように冷えた「八ヶ岳地ビール タッチダウン」をたんまりと買った。

(つづく)

43.ねぶた祭りへ2-青森観光1-

ナビに「三内丸山遺跡」と入力して出発する。

青森駅から大体15分くらいの場所にある。

青森駅から浪館通りを南西に進み、青森県総合運動公園の北側を道なりに進み、

県立美術館建設予定地を過ぎると遺跡が見えてくる。

三内丸山遺跡】は、昨年より特別史跡として指定された遺跡で、

現在より約5500年前~4000年前に営まれた縄文時代の集落跡である。

発掘調査では竪穴住居跡、大型竪穴住居跡、大人の墓、子どもの墓、盛土、掘立柱建物跡、大型掘立柱建物跡、貯蔵穴、粘土採掘坑、捨て場、道路跡などが見つかり、集落全体の様子や当時の自然環境などが具体的にわかるようになった遺跡だった。

膨大な量の縄文土器、石器、土偶、土・石の装身具、木器(掘り棒、袋状編み物、編布、漆器など)、骨角器、他の地域から運ばれたヒスイや黒曜石なども出土しており、当時栽培されていたヒョウタン、ゴボウ、マメなどの植物が出土し、DNA分析によりクリの栽培が明らかになるなど、数多くの発見が縄文文化のイメージを大きく変えたとネットでは説明されている。

 

「縄文時遊館」で子供達のトイレを済ませて早速館内を回る。

「さんまるミュージアム」では、遺跡から出土した重要文化財約500点を含む総数約1700点の遺物を展示されている。

入口のタイムトンネルを抜けると左手に「縄文のこころ」コーナーがあったり、重要文化財の大型板状土偶をはじめ、「ヒスイ製大珠」「クリの大型木柱」などが展示されている。

右手の「テーマ展示-縄文人のくらしをひもとく-」コーナーでは、人形などを用いて、出土品から考えられる縄文人の生活の各場面をわかりやすく展示しており、子供達も人形を見てはマンマとか話しかけており、当時の住居内の生活を想像でき非常に興味深い展示内容だった。

 

時遊トンネルを抜けて遺跡への道を歩く。

最初に目に入るのは高さ20メートルほどの

「大型掘立柱建築跡(おおがたほったてばしらたてものあと)」

6本柱で長方形の大型高床建物で柱穴は直径約2メートル、深さ約2メートル、間隔が4.2メートル、建てられている木柱は直径約1メートルのクリの木だった。これらを見ると緑が深く木の生い茂る日本ならではの古代巨木文明の証と感じた。

 

そこから奥へ視線を送ると、家族用住居の「竪穴住居跡」、倉庫と思われる「掘立柱建物」、そして何より目を引いたのは「大型竪穴住居跡」だった。

中は何十人いや100人以上が集まることができる規模のものだった。

当時栗などを栽培しながら、海や山で魚や獣を捕まえていたようだが、これほどの人間は長い間生活できたほど、当時は豊かな自然であったことに慎一は驚きを感じた。しかし、食べ物の少ない冬にこの雪深い中で過ごす彼らの生活は相当にひもじく寒かったであろうことは想像できた。

また別の場所には、お墓のようなものもあり、亡くなった人を送り出す、現在と変わらない光景が人形で再現されている。

それは現在の我々と同じで人と人とが肩を寄せ合って、助け合って生きた時代だった。

一巡してから縄文時遊館内のレストランで「あおもり名物貝焼き味噌定食」「縄文美人蕎麦」「温かつくねうどん」「三内丸山縄文古代飯おにぎり」を頼んだ。

双子母娘はやはり「縄文美人蕎麦」を頬張っている。

デザートは縄文人が味わった素材の「そふと栗夢(クリーム)」と「津軽の太陽をいっぱい浴びたリンゴジュース」にした。

(つづく)

91.遺族の恨みは晴れるのか17

翔は横たわっている『ネコ男』の元へ急いだ。

機械部分が完全に壊されたわけではないため、

人間部分と獣人部分があり暴走しかけている。

身体はネコではなく『タテガミのある獅子』の特徴を有している。

鋭い牙のある口が苦しげに開かれ、呼吸が荒くなっている。

翔は、「獣人化減弱薬」を注入し獣人化の暴走を防いだ。

しばらくすると呼吸が落ち着いてきた。

横たわった男の顔は、普通のよくある日本人のものだった。

 

「ありがとう。助かりました」

「日本人のお前が助かって、うれしい、良かった」

「お名前は?」

「名前はない。『ネコ』とだけ言われている」

「ネコではなくライオンと思うのですが」

「そうなのか」

『ネコ男』も警察に事情聴取をされて、とりあえず翔が身元引受人となった。

 

事務所に『ネコ男』を連れて行き、怪我の手当てをした。

アスカが作った夕食を二人で食べた。                                                                       

『ネコ男』は、初めての日本料理に感激し、日本酒を飲んでは眼を見張った。

翔は、『ネコ男』の身の上話を聞いた。

 

元々彼は日本生まれの日本人だが、生活に困った母親にアジアの犯罪組織へ売られた無戸籍者で、幼少時より殺人者として育てられた。成人後、機械化された時に、記憶は消去されたにも関わらず日本国内にて淡い記憶が蘇り、組織から逃亡を図るもその罰で重症を負わされ監禁されていた。

 

ちょうど目黒研究所の京一郎から、『ネコ男』を連れてくるように連絡があった。

京一郎が元の人間の身体に戻そうとするが機械部分を外す事が出来ず、徐々に獣人化薬の影響を中和させていったため鍛えられた身体機能そのものは元には戻らず、超人的な体力と技術を持つ人間となった。

仕事に関しては、本人の希望もあり研究所警備職員『犬神獅子男(新しい名前)』として働き始めることとなった。

 

この国際犯罪集団の逮捕劇も日本中を騒然とさせた事件となった。

日本中で「死刑制度」について真剣に論議が交わされるようになったが、

今なお結論に至らない意見ばかりで、このような犯罪が起こる土壌はなかなか無くならなかった。

(つづく)

42.ねぶた祭りへ1-青森へ移動-

朝ご飯のあと、ゆったりとしてからチェックアウトして、

函館駅近くのパーキングに車を停めて荷物をまとめる。

函館駅から青森県に上陸して青森駅まで向かうつもりだった。

函館駅構内は港祭りの観光客でごった返している。

子供達をベビーカーに乗せて静香と美波が押している。

慎一は大きめのトランクを押して改札へと向かう。

函館-青森間は将来的には新幹線が延伸すると噂されているが

今は青函トンネル485系「白鳥」に乗って2時間ほどで移動する。

慎一は海底トンネルを初めて走るのでとても楽しみにしている。

 

青函トンネルについて、ネット情報では

津軽海峡の海底下約100mの地中を穿って設けられたトンネルで、全長53.85 kmは交通機関用のトンネルとしては日本一および東洋一である。全長は約53.9kmである。

トンネルの最深地点には青色と緑色の蛍光灯による目印があり、

竜飛海底駅』という海底よりも深い場所に設置された駅らしい。

今回はそのまま通り過ぎることとしたが、

列車内の案内には下車して駅の構内観光ができると記載されている。

しばらく海岸線を楽しんでいると木古内駅を通り過ぎる頃からトンネルに入った。

そこからは暗い車窓が流れていく、最深部の『竜飛海底駅』が近づいてくる。

『ガタン』と停車した車窓からは、

青色と緑色の蛍光灯に照らされたやや薄暗い構内へ数人の乗客が降りていった。

どの客も駅員の説明を聞きながら興味津々の顔つきで構内を見回している。

発進ししばらくするとトンネルから抜け、窓から深い緑が目に入ってきた。

そして、少しずつ家が増えてきて大きな街が見えてきた。

もう青森市だった。

 

慎一も静香も青森とはあまり関係のない環境で育ってきている。

青森と聞けば失礼ではあるが、雪が多く吹雪いている町並みが浮かぶ。

観光地も「白神山地」「奥入瀬渓流」「十和田湖」「津軽三味線」「恐山」

名産物も「リンゴ」「大間マグロ」くらいしか知らなかった。

実際にネットで調べてみると、歴史的にも非常に古い地域であり、

複数回来ないと回れないくらい多くの温泉と観光名所があることがわかった。

今回は「ねぶた祭り」をメインに

観光は「特別史跡三内丸山遺跡」と「棟方志功記念館」に決めている。

10時頃に青森駅に到着した。

駅前のレンタカー会社へ入り大型車を借りる。

(つづく)