「ラビスタ函館ベイホテル」は、
外装といい内装といい、
函館という街の醸し出す大正ロマンそのままに、
赤煉瓦の温かみや開拓時代の面影が漂っている。
早めのホテルのチェックインは正解だった。
港まつりが目的の家族客でフロントは長蛇の列だったからだった。
慎一以外はフロントのソファで休んで貰って時間を過ごした。
やっと部屋の鍵を貰いエレベーターに乗った。
部屋は簡単な玄関エリア付で
和室部分の窓は港に面しており夕日が部屋を照らしている。
『先ずは温泉を』と言うことで
慎一は一人で最上階にある大浴場「海峡の湯」へ向かった。
静香と美波は、女風呂へ向かう予定ということで子供達は二人に任せた。
温泉水としてはやや濁った掛け流しで
露天風呂やサウナ・スチームサウナも完備されている。
看板には以下記載がある。
泉質
ナトリウム-塩化物強塩泉(高張性中性高塩泉)
温泉の効能:
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき他
身体の汚れを洗い流し、
少し硫黄の匂いが漂う浴槽へ身体を沈め手足をそっと伸ばす。
久々の長時間ドライブでやはり身体の芯には若干の疲れが感じられたが、
露天風呂から見える津軽海峡の美しい青さに流され、それらは消えてなくなった。
ちょうど目の前に花火大会会場があり、ちょうど花火が上がる高さだから、
いっそのこと、この露天風呂で湯に浸かりながら見えるのではないかと思ったが
湯に入るとプラスチック製の半透明の柵が邪魔して花火は見えないようだった。
それなば、と立ってじっとしていたが、
海峡からの強い浜風でしばらくすると寒くなってしまい。
残念ながら湯に浸かっての花火見物はできないことになる。
まあ、もしそれが可能なったら、
酒を飲みにながら花火を見て倒れるような不心得者が出ても困るので、
できないことが良いのかもしれないとも思いなおした。
風呂から部屋で戻ると子供達は戻っていた。
今回の宿泊予約では、大人は洋食セットが付いていたが、
子供達用に「魚介物のパイ生地蒸し」と「焼きたてパン」を頼んだ。
大人たちのメニューは
・ノルテ特製オードブルの盛り合わせ(イカ、タコ、ヒラメ、マグロ、イクラ添え)
・コーンクリームスープ
・夏野菜とアサリのパスタ トマト風味
・近海産魚介類とオマール海老のブイヤーベース
・焼きたてパン2種
・季節のフルーツ
・コーヒー
家族全員が堪能した夕食だった。
(つづく)