はっちゃんZのブログ小説

スマホの方は『PC版』『横』の方が読みやすいです。ブログトップから掲載されています作品のもくじの章の青文字をクリックすればそこへ飛びます。

小説4:送霊師奇譚

送霊師奇譚

この物語は特殊能力を持つ男子大学生と女子高校生が主人公となっています。この二人は現実のこの世界へ影響を及ぼしている異なる波長の世界に生きる生物(霊魂、悪霊、悪魔など)と戦って解決していきます。 内容的には悲しく切ない場面が多い物語となってい…

3.新入生歓迎コンパ2(第9章:魔族の蠢動)

金髪でピアスと金のネックレスをジャラジャラさせた男が真美と飛鳥から離れていく。 「なにか物騒なこと言ってたわね。あの男。 飛鳥さん、何かご存知の事はありませんか?」 「この部屋のもう一つ下の地下室には、 強い魔物がいて人間に子分を憑依させては…

2.新入生歓迎コンパ1(第9章:魔族の蠢動)

今週遼真は丹波篠山へ『獅子刀神社』創建のために出張している。 遼真がシシトー神様へ色々と好みなどお聞きして相談しながら創建するのである。 一族から多くの人間が集まっているが神様にお聞きする役目は遼真だった。 歴史のある宍戸家の広い敷地の入り口…

1.入学(第9章:魔族の蠢動)

目黒にある遼真の生家である神社の敷地内へ新たに北星皇子神社を創建してから1週間経ち、遼真がシシトー神よりその力の一部を授かった翌日の金曜日。境内を彩る桜の木から花びらが春の風にのって社務所の窓から舞い込んでくる。この春、真美は無事高校を卒…

19.御社の創建(第8章:占い死)

ある日、遼真は部屋で頭領と連絡を取り合って今後のことについて相談を始めた。それは数時間に及んだ。後片付けや宿題を終えた真美が部屋から出て来て居間に顔を出す。遼真がテレビのニュースや番組を何気に見ながらコーヒーを飲んでいる。「そうだ、真美、…

18.シシトー神との戦い(第8章:占い死)

彼女の身体が鷹の身体へ変わり、身に纏う黒い霧が鞭の様になり二人へ向かってくる。二人がその鞭を避けると二人の身体のあった空間の後ろにあった太い枝が鋭く切り飛ばされた。「ほう、なかなか素早い動きだな。ではこれは」今度は黒い鞭が二本に分かれてス…

17.シシトー神との対話(第8章:占い死)

「誰じゃ」彼女は痙攣する高山を投げ出して遼真と真美の潜む闇へと目を向けた。二人はホテルから出て来た秘書の高山に何か嫌な気配が付いていたので追って来たのだった。「その視線、今まで何度となく覚えがあるぞ。汝であったのか?」「はい、私は桐生遼真…

16.淫獣2(第8章:占い死)

秘書の高山が部屋を出て行った後、永源はそっとベッドに横たわる木村千種の襟元の匂いを吸い込んだ。仄かに漂う高そうな香水の香りが永源の鼻腔を擽る。千種がスヤスヤと寝息を立ててあどけない表情で眠っている。その大きな胸は規則正しく上下している。 こ…

15.淫獣1(第8章:占い死)

クモ助から情報が送られてきた。ある時、木村千種党首から鷹へ博愛民主党永源代表の事で相談事が寄せられた。最近、博愛民主党の永源代表が、食事の誘いなど色々と千種へ秋波を送って来ている。情報収集のためもあり仕方なしに何度か付き合っているうちに、…

14.霊査6(古代日本の歴史)(第8章:占い死)

祖父の狐派頭首との情報交換の中で古代の日本の歴史と宍戸家の過去についての情報が明らかになった。日本書記や古事記には記載されていないが、丹波篠山地方や交流のあった地方の風土記や歴史書の中から明らかになった。宍戸家は、元々古代からこの丹波篠山…

13.シシトー神教団と令和獅子党の躍進(第8章:占い死)

徐々に『シシトー神の館』の噂が一般人の口の端に上り始め最初は興味本位の人も多かったが、一度面会して占って貰うと感激し、それがSNSなどに囁かれ始めると深い悩みを持つ多くの人々から、『もっとシシトー神の館を増やして欲しい』との願いが多く寄せ…

12.霊査5(怪死の現場)(第8章:占い死)

翌日、宮尾警部へ連絡して過去の怪死のあった現場への立ち入りを相談した。先ずは野党最大政党である博愛民主党の武藤政調会長が愛人の銀座のママの上で腹上死した都内のあるホテルの一室へ向かった。ホテルも警察の要請ならば断わることは出来なかった。も…

11.霊査4(令和獅子党2)(第8章:占い死)

木村千種党首と鷹の淫猥なシーンがずっと続く。遼真は覗き屋の様な気がして、しばらくは見ないでおこうと思っていたが、『!?』その時、キインの視覚に感知されるものがあった。彼女の身体に重なる鷹の身体がぶれる様に見え始めたのだ。 鷹の身体から黒い影…

10.捜査5(令和獅子党1)(第8章:占い死)

最後は政党本部の幹部についての調査だった。令和獅子党本部内のロッカー裏に待機させていたクモ助に誰も見ていない時を見計らって木村千種党首の毛皮の中と筆頭秘書の中野海里のハンドバッグの底へ小さなオナモミ型盗聴器を仕込ませた。筆頭秘書の中野海里…

9.捜査4(シシトー神の館へ潜入)(第8章:占い死)

警部たちが帰って真美の念写した写真を調べているが、遼真には何か釈然としないことが多かった。やはり危険だが『シシトー神の館』へ潜入して捜査する必要があった。夜のうちに『シシトー神の館』のビルの近くへ移動し、朝6時頃の人のいない時間帯に先ずは…

8.捜査3(東アジア平和会)(第8章:占い死)

遼真が丹波篠山で事件を探っていた頃と同じ頃、警視庁迷宮事件係(通称|038《おみや》課)宮尾徳蔵警部と小橋光晴刑事は、刑事部屋の中でいつもの様に出涸らしのお茶を飲みながら話している。「宮さん、最近あの二人に会う機会がないですね」「二人?ああ、…

7.霊査3(旧宍戸家鷹の部屋)(第8章:占い死)

廊下の一番奥の長男の鷹の部屋は、綺麗に掃除されており机と椅子くらいしかなかった。机の一番上の引き出しには、真ん中に綺麗に折りたたまれた分厚く白い布とその下に並べて置かれた白い長さ約20センチほどのちょうど両端が関節状の節のある骨状の物が入っ…

6.霊査2(旧宍戸家夫婦、鷲と鈴女の部屋)(第8章:占い死)

囲炉裏のある居間を出て各部屋へ入って行く。残された家具などで何となく誰の部屋なのかがわかった。母親の鶴の部屋には、古い小さな箪笥や卓袱台が残されている。それらからは、若い夫婦の穏やかな楽しい生活から子供の生まれた喜びの日々が伺えた。しかし…

5.霊査1(旧宍戸家の居間)(第8章:占い死)

翌朝、前日夜にコンビニで買ったサンドウィッチを食べて、遼真は身体へ『身代わり護符』を貼っている。これは悪霊からその姿を見られた時に、悪霊の目に映る姿が、実の本人とは異なる姿にできる符であった。仮に攻撃されても最初の1回は、その攻撃を防ぐこと…

4.捜査2(宍戸家情報)(第8章:占い死)

宍戸家は渋谷駅前のタワーマンションの最上階のフロア全てを購入し住んでいる。遼真は真夜中に慎重にバトルカーからドローンを飛ばして昆虫型盗視盗聴器のテントウムシの天丸とクモ助2号を庭へ降ろした。天丸でビル外部の窓から、クモ助は室内へ侵入させて…

3.捜査1(シシトー教団)(第8章:占い死)

藤波幹事長が倒れた翌日に京都の祖父より「シシトー教団」を内密に調査するよう指示があった。ただし注意する点として、直接相手と会わない様にして調査せよとのことだった。理由としては、今までの調査段階において、直接相手に会った調査を依頼した探偵に…

2.選挙演説(第8章:占い死)

馬場元総理がテロリストに襲撃され亡くなってから3年経った夏のある日。その事件が話題にも上らなくなった現在の日本では、「衆議院選挙」に突入し、都内を数多くの選挙カーが走り回っている。駅前や商店街の広場で多くの政治家が立ち合い演説をしている。…

1.テロ(第8章:占い死)

ある夏の夕方、政権与党である皇国民主党の馬場健太元総理が、新人候補への応援演説中、テロリストに襲われる事件があった。場所は渋谷駅前の忠犬ハチ公前広場。 忠犬ハチ公の像の近くで小さな演台へ立ち、明るい笑顔を立ち止まる聴衆へ向け、彼のトレードマ…

17.レッドシャーク団との戦い3、そして瑠海の鎮魂(第7章:私の中の誰か)

遼真が霊滅で小瓶に潜んでいる『アフリカ大陸の悪霊』を消滅させている時、赤城の身体が、徐々に大きくなり豹魔人の身体へと変わっていく。遼真としては赤城へ『豹の精霊』の力がどれくらい憑依しているのかが不明だった。仮に長い間その精霊を使役して、精…

16.レッドシャーク団との戦い2(第7章:私の中の誰か)

拳銃の発砲音と同時に紅凛は、副首領のディック高橋とクリス松本の部屋へと近づいていく。部屋の中からは二人が起きて準備している音が聞こえてくる。『黒狼にしては、えらく派手だねえ。催眠ガスが効かないかねえ』『もしかしたら人を操ると言っていた術が…

15.レッドシャーク団との戦い1(第7章:私の中の誰か)

※これからは残酷なシーンがありますので注意してください。 『レッドシャーク団』の幹部の男女4人と数名の組織員は、東京湾に停泊しているとある東南アジアの国の小型コンテナ船へ隠れていた。夜中に偶然上田のユーチューブを観たクリスが急いで赤城へ連絡…

14.霧派始動(第7章:私の中の誰か)

ある夜、紅凛《あかり》と黒狼《くろう》と遼真と真美は、上田邸の近くに居た。広い庭に数頭いた番犬もいつの間にか眠らされている。寝室へ流された睡眠ガスで上田の両親が深い眠りについた頃二人は動き始めた。寝室内の天丸からの画像を確認して、普通に玄…

13.霧派桐生紅凛と黒狼の登場(第7章:私の中の誰か)

京都の祖父、狐派頭領令一から連絡があった。一族で話し合った結果として最終的に、この事件の顛末は表には出さずに闇に葬ることとし、霧派と狐派共同でこの事件を解決することになったとのことだった。霧派は、桐生一族の中で表には出ず暗殺や誘拐などを主…

12.捜査3(ハングレ組織、狂次の情報)(第7章:私の中の誰か)

遼真は、上田の捜査を殆ど終えハングレ組織『レッドシャーク団』の捜査に入った。この組織の事務所は、瑠海の記憶にあった大きな倉庫の中にある。やはりこの倉庫の登記は『GDコーポレーション』という関東でも有数のヤクザ組織『外道組』の物件だった。奴ら…

11.捜査2(上田の情報)(第7章:私の中の誰か)

瑠海へ偏執していた男の名前は、「上田武知也」。25歳無職。警視庁幹部の息子。上田の実家は吉祥寺駅から少し離れた場所にある大きな屋敷だった。その広い庭には3頭のドーベルマンが番犬として放たれている。恵理那が話した上田の警察官に捕まった話や調書の…