はっちゃんZのブログ小説

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2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

8.記憶の世界へ2(第1章:記憶喪失の男)

強盗事件当日の夜に元妻からの電報があった。佐々木が嫌な予感に襲われながら慌ただしく開いて読む。やはり娘の佐智が今日夕方4時に亡くなった内容だった。夕方4時と言えば強盗事件開始の時間だった。昨日朝に面会した時、少し顔色は悪かったが、一緒に行…

7.記憶の世界へ1(第1章:記憶喪失の男)

金曜日午前中に管理人さんへ土曜日の除霊の旨を連絡したが、『通いのため土日は休み』とのことで金曜日の夜に鍵を預かった。遼真は管理人さんがいないので何も気にせず十分に準備などができると安心した。土曜日9時に204号室へ入り、8畳間からトイレや風呂…

6.304号室の二人(第1章:記憶喪失の男)

『夢見術』の日程は決まったが、生霊への対応が難しかった。生霊は本体が生きてる人間のため、通常の霊と比較にならないくらい力が強かった。もし『夢見術』の間に佐々木さんの霊領域へ侵入され暴れられれば、佐々木さんは元より真美・夢花の霊体が傷つくこ…

72.旭川にて3-彼からのお祝い-

注意: ここに出て来るレストランは、恋人の美波のために奮発して予約した店ですが、残念ながら作者はまだ行ったことはありません。いずれは行きたいと思っているお店です。従って料理に関しては、お店のホームページなどネット情報を基に作成しておりますた…

5.霊を見る力。記憶を見る力。(第1章:記憶喪失の男)

太古の昔、人が群れを作り始めた頃から、神又は霊の姿の見える者、その声を聞くことの出来る者が、神の代理人として集団を率いた。その時代、神又は霊の住む世界と交信できる者だけが、群れを正しい方向へと導くことができるとされた。ここヤマトの国ではヒ…

4.捜査開始(第1章:記憶喪失の男)

目黒の自宅(社務所)へ帰った遼真と真美は、家政婦のウメさんが作った晩御飯を食べて居間でゆっくりとした。このウメさんは、桐生一族の人間で霊感が強く、卓抜した家政婦能力の女性で、実は薙刀や棒術の名人の腕前で今まで泥棒を何度も捕まえた事がある。…

71.旭川にて2-初めての彼の部屋-

昼食も終わり三浦綾子記念文学館を出て、 『夕方まで時間あるから、晴れてるし次は青い池にでも行こうか』と思っていたら、 突然美波が、 「ねえ、前田さんのお部屋ってどんなところなの?」 「えっ?普通のマンションだよ。2LDKかな」 「ねえ、今まで一…

3.男との対話(第1章:記憶喪失の男)

管理人さんが居たのでなかなか話は出来なかったが、部屋の中に居た時に、遼真と真美はこの部屋で亡くなった男の姿が見えていた。部屋の床と壁を何度も何度も見ながら歩いている。遼真と真美の視線に気づくと不思議そうにじっと見てくる。特には悪意は全く感…