はっちゃんZのブログ小説

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2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

18.百合との出会い2

大学で翔は『格闘技研究同好会』に所属していた。 この同好会は戦うわけではないが、闘いの歴史や暗器などの研究をしている同好会で、会員は何某かの格闘技の経験を持っている。 翔自身は『空手』の経験があるという事で入っている。 そんなところへ何と新入…

21.彼との距離

慎一が帰ったあと静香はゆっくりと湯船へつかり彼の笑顔を思い浮かべた。 彼の家庭がうまくいきそうで嬉しかった。 もちろん幼い頃からの辛い記憶を変えることは大変なこととわかっている。 しかし彼本来の性格は、そんな辛い記憶で変わるものではないはずと…

17.百合との出会い1

桜舞い散る中、新入生がキャンパスで光り輝く未来を夢見て歩いている。 翔は、政治経済学専攻の3年生だが将来をまだ見出すことも出来ず、 ただただ鬱屈した日々を送っていた。 大学の帰り道にガラの悪そうな数人が一人の女性を囲んでからかっている。 その…

20.母の再婚

28日朝に出発し昼過ぎには着いていた。 家で甥っ子と遊んだ。やがて甥っ子も疲れて昼寝を始めた。 そこから母親と妹の3人で話し合いが始まった。 父は明日に来るらしい。 一番反対すると思っていた慎一が再婚を認める発言をすると 母と妹は意外な顔をして驚…

16.ストーカー事件を解決せよ!4

ボスの「チョウ」と用心棒らしき男1人が到着したとの連絡があった。 2階の幹部用の部屋へ入った。 都倉警備から地上・地下道全てで配備完了の連絡が入った。 突然、エレベータが3階に上がってきた。 翔は、監視の男と反対側のエレベータの扉の横に身体を…

19.二人で出雲へ

5月連休前に妹から電話が入った。 いつに帰ってくるのか教えて欲しいらしい。 理由を聞くと父親が家に顔を出すからだと言う。 それを聞くと一瞬帰りたくなくなったが、母親のことを考えて帰ることとした。 26日は静香さんと松江・出雲の方を案内してもらう予…

15.ストーカー事件を解決せよ!3

都倉警部から前回の事件の被疑者の中国人リーダーの男が、 拘留中の拘置所の中で死んだらしいとの連絡が入った。 耳の中に細い毒針が刺さっていたらしい。 最近採用になった職員が1人だけいなくなっているので きっとそいつの仕業だろうとの話だった。 警察…

18.桜街道

米子市が桜色に染まるある土曜の朝、 湊山公園で桜を穏やかな気持ちで眺めている。 中海の水面は桜の花びらに染められており、 水鳥公園の鳥達も花見をしているのか、ときおり水鳥の声らしきものが響き渡る。 旧賀茂川沿いの白壁土蔵を背景とした桜並木も見…

14.ストーカー事件を解決せよ!2

資料を見ていた時、一瞬スマホの電話が鳴って切れた。 相手はクライアントの安達玲奈さんだった。 すぐにかけ直したが一切出なかった。 嫌な予感がしたので追跡装置をトレースすると、 目立つ方の追跡装置はあちこちへ移動している。 これは敵が気づいて混乱…

17.移り変わる記憶

もう季節は春へ一歩一歩近づいている。 米子の冬は雪が多い。駐車場の雪かきが必要なこともあった。 『さざなみ』からの帰路には、 街頭に照らされたオレンジ色の雪が舞う様をいつも見上げていた。 その様が見えなくなって久しいと感じ始めた今日この頃。 米…

13.ストーカー事件を解決せよ! 1

ある日、クライアントから立て続けに新しい依頼があった。 【依頼内容1】 依頼人氏名:安達 玲奈様、30歳、 依頼人状況:一人暮らし。化粧品会社業務課勤務。 最近年下の彼(高村 正志、27歳)と別れる。 彼が犯人かもしれないが現在は行方不明。 今の部…

12.臓器売買組織を壊滅せよ

ある日、事務所を東南アジア系らしき女性が訪れた。 【依頼内容】 依頼人氏名:モニカ サントス様。25歳。 依頼人状況:新宿内キャバクラ穣 種類:恋人(ジョン ガルシア 30歳)を捜索。 経過:来日後今までずっと土木作業員をしていたが、 2週間前に空…

16.初詣

マンションに戻るとポストに美波ちゃんから年賀状が来ていた。 『新年あけましておめでとうございます。 美波は今年こそテニスで県大会上位を目指します。 今年も昨年同様に『さざなみ』をよろしくお願い申し上げます。』 PS.旧年中は大変お世話になりあり…

15.帰省、遠い記憶

さざなみで蟹三昧を満喫した翌日は、 早々に掃除をして神戸の実家への帰路についた。 ルートとしては何通りかあるが、慎一は以下ルートを選んだ。 米子市から米子道を通り、中国自動車道に突き当たる落合JCTを左折し、 岡山県を通過し兵庫県に入り、福崎ICで…

11.「目黒館林研究所」完成

とうとう目黒の新研究所が完成した。 完成記念パーティが簡単に開催されている。 コンパニオンが数名配置されておりゲストへ接客している。 ただ目の配りや姿勢の良さからどうも素人ではない気がしている。 落成パーティには、多くの招待者に混じり、紅柳瑠…

14.師走、三人で

年末まで過ぎ去る時間は早かった。 ふと気が付けばあれほど街を秋色に染めていた街路樹はその葉を全て落とした。 11月初めの連休こそ、ゆったりと過ごしたが、それ以降は仕事一色だった。 たまに土日のどちらかに遊びに来る美波ちゃんとの会話だけが疲れを癒…

10.テロ教団から都民を救え!3

翔は紅柳博士に寝ているふりをしてもらいながら布団の中で打ち合わせた。 瑠璃も『何とか外部と連絡は取れないか』と思っていた矢先のことなので、 翔のことを色々と確認しながら、今までのことを語った。 この部屋へ幽閉される1ヶ月前に遡る。 『細胞オート…

9.テロ教団から都民を救え!2

翌朝、色々と準備をしていると昼前に新しいクライアントが訪れた。 【依頼内容】 依頼人氏名:高田洋平様。37歳。 依頼人状況:会社員。 種類:家族への宗教勧誘の被害。 経過:通学路歩行中の児童の列へ車をつっこまれて子供を失くした一家の父親。 当日…

8.テロ教団から都民を救え!1

『ピンポーン』 二人はまたもや飛び上がって、ぴったりとくっついた頬も離れた。 今度は依頼人のようだ。 「は、はい、少々お待ちください。 今、外出から帰ったものでこのような格好で失礼します」 奥の部屋で百合がビジネススーツに着替えている。 百合が…

13.とまどい

『私、弱くなったのかもしれない』 ふと脳裏にその言葉が浮かんできた。 静香はステーキハウス精山から帰宅後、お風呂へ入り、 パジャマを着てゆっくりとお茶を飲んでいる。 左手のバンドエイドを張り替えながらじっと今日のことを考えていた。 砂丘で自然と…

12.帰途の二人

せっかくここまで来たのだからと鳥取砂丘でお弁当を食べることとした。 砂丘にはラクダが歩いており、まるでアラビア映画のような光景が広がっていた。 ただ異なるのは、砂丘の向こうは砂の海ではなく蒼い日本海がだったことだった。 砂丘入口から海岸まで行…

7.葉山館林邸2

翌朝、翔は朝日が昇るにはまだ間がある時間に目覚めた。 屋敷内のどこかで無言の裂帛の気合いらしきものが発されたためだ。 この家で事件が起こるはずがないのできっとあの爺さんが発したものだと思い、 トレーニングウェアに着替えて部屋を出た。 屋敷を出…

11.美波、秋の県大会新人選へ出場

9月、10月は上半期末と下半期始めのため慌しい日々が続いている。 土日も家に書類を持って帰る日々が続き、なかなかゆっくりとできる日がない。 そんな中でも『忙中、閑あり』、その金曜日にやっとゆっくりとできる日ができた。 それでも夜8時まではデスクワ…

10.がいな大花火大会

境港市から後藤家に戻るコースを、弓ヶ浜経由に変えて、弓ヶ浜公園に降りた。 弓ヶ浜公園は今後、夢みなと博覧会から大型遊具を譲り受け、 『弓ヶ浜わくわくランド』を開園予定だと聞いたので米子市民は楽しみにしている。 後藤家へ到着し慎一は食材の発泡ス…

6.葉山館林邸1

翔が超能力を発現した後に再度検査して比較データをとり今日は終わった。 研究所の地下道のエスカレータに乗り、葉山館林邸へ運ばれていく。 翔はと言えば、1年ぶりに顔を出すので緊張している。 ここ館林家の爺さんや婆さんは、 桐生家実家の爺さんや婆さ…

9.がいな祭りと境港

夏の山陰地方は涼しいと、関西や四国地方を勤務してきた慎一は感じている。 肌にあたる日差しの強さとか最高気温を比較してわかったことだった。 米子城跡にある湊山公園を散歩している時など木陰に入ると吹き渡る風は涼しかった。 8月始めの土日二日間、こ…

5.いつ出るの?超能力!

「ではさっそく、翔君、跳んでくれたまえ」 「???跳ぶ?」 「いや、だから、もう一度跳んでくれたまえ」 「???」 「もう一度、テレポーテーションをしてくれたまえと言っているんだ」 「もう一度と言われても・・・」 「楽しみにしているよ」 翔は、『…

8.美波の秘密

ある夜、美波は土曜日のプールへの準備をしていた。 母には友達と皆生温泉プールで泳いでくると言っている。 「あなたがプールにねえ。どういう風の吹き回しかしら。水はもう大丈夫なの?」 と不思議そうに美波を見ている。 本当は、皆生プールへ日下さんと…