はっちゃんZのブログ小説

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2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

1.多摩湖変死体事件(第2章:いつまでも美しい女)

季節は夏も終わり、警視庁迷宮事件係 通称 038(おみや)課の窓からは、少しずつ色付き始めた街路樹が見える。宮尾徳蔵警部は、紙コップに入った渋茶を一口飲んでそんな街を静かに見ている。「ふう、もう秋だな・・・」「そうですね。 宮さんがため息とか珍…

12.姉弟との戦い3(第1章:記憶喪失の男)

失神している萌斗男と梨奈はリビングルームの真ん中で並べられている。生霊が二人の上空で身体に入れずにウロウロしている。「じゃあ、真美、始めようか」「はい、遼真様、行きます。自縛印」と真美の両てのひらを自分へ向けて親指と人差し指で象られた逆三…

74.梅雨の晴れ間、定山渓へ2

ノースサファリサッポロで目の前で動く動物たちの怖いまたは可愛い姿に十分に堪能した。時間を忘れていたが、ふと時計を見るともう夕方が近づいてきている。子供達にトイレをさせて帰りの準備に入る。帰りのマイクロバスは、多くの人が待っており何台も送迎…

11.姉弟との戦い2(第1章:記憶喪失の男)

『天丸(てんまる)1号』より犯行開始の連絡があった。果たして・・・ベランダの上の空間に黒い影がぶら下がり、その影はブラブラと前後に振ってベランダへ降りた。スマホらしき電灯がサッシに照らされ、鍵が開いているのを確認しそっと入って来た。萌斗男は…

10.姉弟との戦い1(第1章:記憶喪失の男)

佐々木と佐智ちゃんの魂を無事霊界へ送ることができてホッとした3人だった。その時、『ピンポーン』と誰かの訪問があった。遼真がドアアイから覗くと宮尾警部と小橋刑事だった。急いで二人を招き入れて、今除霊中であることを伝える。驚いた宮尾警部は「邪…

73.梅雨の晴れ間、定山渓へ1

本州が梅雨の時期は、北海道とは言えそれなりに梅雨は訪れる。 ただ本州ほど湿気もなく温度も高くなく鬱陶しい雰囲気はない。 蝦夷梅雨の晴れ間のある土曜日、慎一は札幌近郊のドライブを計画した。 今の期間にちょうど定山渓温泉郷でライトアップイベントが…

9.記憶の世界へ3(第1章:記憶喪失の男)

佐々木は自分がなぜここにいるかを知った。夢美の術により自らの一生を夢で見たのだ。目覚めた途端、深い悲しみと後悔が生まれた。「俺は何て人間だったんだ。 こんな人間は死んで地獄に行くのが当然だ。 あの大切な可愛い佐智を悲しませてしまった。 あの智…