はっちゃんZのブログ小説

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74.梅雨の晴れ間、定山渓へ2

ノースサファリサッポロで目の前で動く動物たちの怖いまたは可愛い姿に十分に堪能した。
時間を忘れていたが、ふと時計を見るともう夕方が近づいてきている。
子供達にトイレをさせて帰りの準備に入る。
帰りのマイクロバスは、多くの人が待っており何台も送迎バスを待つこととなった。
やっと乗ることができて駐車場まで送って貰って急いで定山渓へ向かう。
定山渓へ向かう道路から見える山際にはもう夜が落ちて来ている。

定山渓エリアは古くからある深い原生林と山々に囲まれ、多種多様な動植物が生息する支笏洞爺国立公園内にあり、その大自然を利用する様々なアクティビティが楽しめる様になっている。例えば初心者からレベルに合わせて楽しめる初夏の登山や温泉街の真ん中を流れる渓流でカヌーやラフティング、サップができる。またその他のエリアの八剣山や豊平峡では果物狩り、乗馬、野外キャンプなど、大人も子ども満喫できる様に開発されている。

この広い定山渓エリアは3つのエリアに分かれている。
先ず一つ目の定山渓温泉エリア:鳥のさえずりと川の音が響く自然散策路
豊平川沿いの散策路「二見定山の道」は、気軽に森林散歩ができるスポットで、定山渓を代表する花「エゾノハナシノブ(見頃6〜7月頃)」をはじめ、季節により約200種類の山野草が自生し、世界でも珍しい貴重種の昆虫ジョウザンシジミやシマエナガも生息する豊かな森である。
また、散策路内の「かっぱ淵」は、今もかっぱ伝説が残るミステリーな場所でもある。
“かっぱ淵”に伝わる、河童伝説は以下である。
豊平川は、明治42年銚子の口発電所のダムが出来るまでは、この奥から胴木(柾の原木)を流送する程、流れも多く、至るところの深淵には大きな川魚類が沢山棲息していた。その頃道路工事に従事していた青年、瀬山某がこの淵で魚取りしていた時、足すべらせた訳でもないのに、急に引込まれるように、川底に沈んでいった。これを附近にいて目撃していた胴木流送中の人達がすぐに飛込んだが、淵が深くて救助する事が出来なかったばかりでなく、この青年の姿は遂に発見する事なく日が過ぎた。そして一年、一周忌の当夜、件の青年が故郷の父の夢枕に立って、「私は今かっぱの妻と子供と一緒に幸せに暮らしている」と語った。部落きっての美男子だったこの青年、ここに住んでいるかっぱに魅入られたのだろう………… ということで、以来ここをかっぱの淵と称するようになったが、その後は此処で遭難する者は全く無くなったという。

定山渓豊平川カヌーコース:
深緑の夏も、紅葉の秋も息をのむ絶景が広がる。安定性のあるカナディアンカヌーに乗り込み、渓谷を抜けながら普段は足を踏み入れることのできない場所で、自然の音や空気を感じながらゆっくりと進んでいく。川の水深は平均で1メートル程度、底が見えるほど澄んだ美しい川は、流れも穏やかです。ガイドがレクチャーを行いますので、初めての方でも安心して参加できるらしい。

次のエリアは豊平峡エリア:森林の幻想風景が広がる約10キロの山道
支笏洞爺国立公園内にある定山渓には、多くの山々があり登山客にも人気のエリアである。標高500メートルから1000メートルを超える山まで、バラエティ豊かな山が揃っている。特に札幌市を流れる豊平川の上流にある札幌岳は、標高1293メートルと定山渓の中では大きな山で、初心者でも登れる「冷水コース」と上級者向けの険しい「豊滝コース」があり、空沼岳との縦走もできるため、幅広い登山者が楽しめる人気の山です。また、登山口から約10分のところには、かつて針葉樹林が壊滅的な被害を受けた「台風高原」があり、現在ではマツを植樹し幻想的な風景が広がります。頂上からは蝦夷富士である「羊蹄山」、無意根山、定山渓天狗岳、札幌周辺の山が展望できる。

最後に八剣山エリア:独特な風土から生まれた八剣山テロワール
風光明媚な八剣山の麓で個性豊かな地ワインを造る自社農園や地域の果樹園で生産したブドウやリンゴを原料に、個性豊かな「地ワイン」を造っている。地元産の食材と自社製造に拘ったジャムやジュースの販売や、醸造所建物内には「八剣山ギャラリー」があり、南区在住の2人のアーティスト、川口英高氏(陶芸)と結城幸司氏(版画、木彫)の作品が常設展示されている。
ワイナリー建物に隣接して、地元食材をつかった食事が楽しめるレストランと、自社産ワインや加工品、農産物などのショッピングができる「八剣山キッチン&マルシェ」も楽しめる。
敷地内には、夏だけでなく冬でもキャンプが楽しめる「八剣山ワイナリー・焚き火キャンプ場」があり、四季折々の八剣山とブドウ畑の景観とともに、飲・食・遊のさまざまな体験を、一年をとおして経験できる複合施設となっている。
以上の様に札幌市からすぐのところにこれほどの自然や施設があって、激しいだけでない暖かい北海道の自然と人との共生が営まれている。

さて定山渓温泉である。
この温泉は支笏洞爺国立公園内の定山渓エリアにあり豊平川の渓流沿いに位置し、札幌から南に約26km車で約1時間程にある北海道を代表する温泉地。緑豊かな渓谷の湯どころとして、年間240万人の方が訪れる。
豊かな自然環境と古い火山帯の山岳地形からなる森の滴が、地中深くにしみ込み大地の熱でつくられた湯どころとして知られている。泉質は、無色透明でまろやかな塩辛さが特徴のナトリウム塩化物泉(中性低張性高温泉)で、入浴すると肌にこの塩分が付着し、汗の蒸発を防ぎ体の芯からポカポカ温まるという作用がある。泉源としては56カ所と非常に多く、そのほとんどが温泉街を流れる豊平川月見橋付近と高山橋付近に集中しており、川岸や川底の岩盤の割れ目から豊富に自然湧出している。湧出量は、毎分8600リットル、湧出温度も60~80度と高温で量・質ともに地元から愛されれているお湯である。
歴史的には、ここが開湯したのは江戸末期の慶応2年で155余年前のこと。修験僧・美泉定山がアイヌの人々の案内でこの泉源と出会い、厳しい自然に耐え幾多の困難を乗り越えた定山が温泉の礎を築いたと言われています。そして、この地が「定山渓」と命名されたらしい。

今日の2つ目の目的の『定山渓ネイチャールミナリエ』である。
このイベントは初夏から秋にかけての時期、定山渓温泉では宿泊者を対象に開催されている。
どうやら宿泊客でなくとも見られるそうなので、車で温泉街へ入り込み、イベント会場の入り口の近くの道端にある駐車エリアへ車を停めてお出かけの準備をする。
静香が準備している間、子供達へジュースとお菓子を食べさせながら、
車内から空を見上げるとすでに多くの星が瞬いている。
しばらく山間から昇る月を見ていると
瞬く間に空の色が紫色から黒色へ変わり、視界に映る星が増えてくる。
もう既に宿泊客らしき多くの人がゆっくりと歩いて会場へと向かっている。

このイベントはネット上では
テーマ:自然と光が溶け合うライティングパフォーマンス
『JOZANKEI NATURE LUMINARIE(定山渓ネイチャールミナリエ)』は、散策コースでもある二見公園から二見吊橋までのエリアに、水・草・花を光で表現したライティングパフォーマンスであり、2016年にクリエイター集団「NAKED」のプロデュースにより始まりました。
散策路は木々や岩石が美しいイルミネーションに彩られ、二見吊橋は川の流れや花々が咲き誇る幻想的な映像に包まれています。真っ暗になる夜の散策はもちろんのこと、空が紫色になる薄暮の一瞬も美しさが増しています。美しい自然で遊び、新鮮な空気を吸い、温泉で疲れた身体を癒やす、清涼なスポットでリフレッシュしましょう。

子供達を抱っこしながら入り口から入る。
そこかしこにライトアップされた綺麗な風景が目に入る。
「おほしさんがいっぱい」
「いっぱい」
「そうだねえ。おほしさんがたくさんあるね」
樹木全体へ様々な色の小さな豆球が瞬いてる。
場所により色や形が異なり見飽きることが無かった。
川沿いの灯りには蛍の様な光が点り、
流れる川の音が耳に心地よかった。
汗ばむ肌を渡る川風が気持ちよかった。
やがて明るく照られされた橋が見えてくる。
二見吊橋である。
橋の上から川を見下ろし、山を見上げて
様々に工夫されたライトアップの景色に魅入られた。
多くの人々の流れに任せて歩いた。
やがてぐるりと回って入口へ帰ってきた。
このイベントは気に入ったので今後は定期的に来ようと夫婦で決めた。

車に乗って急いで札幌市内へ向かう。渋滞もなく順調に市内へ着いた。
急いでいる理由は、今晩は、「広島風お好み焼き」にしようと考えているためだった。
そこは偶然お昼に入った中央区の店で、
慎一の住むマンションから歩いて10分くらいの場所にあって、
南一条の市電通り沿いから南へ1本路地を入った大きな病院の裏のお店だった。
そこは見た目は小さな店ではあるが、中は意外に広く、
入ってすぐ左側に畳の小上がりがあり5つほど鉄板付きの卓があって、
店主が焼いてる厚い鉄板の周りには椅子が10脚ほどある。
島風お好み焼きを食べるのは初めてだったのどんなものか試しに入ったのだが、
その美味しさと店主の非常に明るい性格が気に入って、いつか家族で来ようと思っていたのだった。
もう時間も遅いため、市内に入ってから電話で予約をする。
「アップそば入り肉玉」「イカ天そば入り肉卵」
マンションに車を停めて急いで店へ向かう。
もう客がまばらだったが何とか間に合って畳の小上がりの予約席に座る。
子供達にカルピスを頼み、夫婦は好きな「札幌クラシック樽生ジョッキ」を頼んだ。
すぐに大きな鉄の小手にソースの焼ける匂いと共にジュウジュウと音が入ってくる。
子供達もお腹が空いているらしく、お好み焼きやそばやきから目を離さない・
子供達にお好み焼きを切り分けて皿へ置いて、フウフウして冷ます。
その間ももう待ちきれない様に急いでフォークで食べ始める。
夫婦はとりあえずジョッキで乾杯した。
この「札幌クラシック」というビールは、
札幌に来て初めて飲んでから二人のお気に入りである。
それほど強い苦みもなくちょうど良いホップの苦みで口当たりがまろやかだった。
家にも常備しているが、外で飲むときもやはり「札幌クラシック」を頼んでいる。
静香は「広島風お好み焼き」は初めてだったそうで気に入ったようで、
「今度は家でお好み焼きでもしようかしら」と笑っている。
慎一は実は「イカ天そば入り肉卵」が一番好きで来た時はいつも頼んでいる。
もともと大のイカ好きでもあるが、
作り方は最初にトッピングする前に鉄板の上でイカ天を水と一緒に蒸して、
その後、トッピングとして入れてくれるので
お好み焼きの中の少し蒸されて柔らかくなったイカ天の歯ごたえと甘みが好きだった。
他にも多くのメニューはあるが、
これらのお好み焼きは店主が広島で修行して一番美味いと思ったものだったそうで自信作なのだ。
ビールのピッチも早くジョッキでお代わりをしながらどんどん食べていく。
子供達も結構食べるので追加で「スペシャル焼きそば」も頼んだ。
そんなこんなで全員満足して夕食を食べ終えた。
今度は美波も一緒に連れて来て食べようと言うことになった。

その後足早にマンションへ帰り、眠たくなってきている子供達を急いでお風呂に入れた。
静香が子供達を寝させている間にテレビを見ながら
今日一日抱っこしていた背中や肩の凝りをほぐしながらコーヒーの準備をした。
やがて子供達を寝かせお風呂から出た静香がリビングに入ってくる。
今夜は十分にビールを飲んでいるのでソファでさっぱり系のコーヒーをゆっくりと飲んだ。
その夜、寝る前に背中とかマッサージしてもらっていると
ついつい明日も休みだしゆっくりと眠れると思い、久しぶりに静香の横に移動する。
子供達も今日は疲れたのか隣でぐっすりと眠っているが、
いつ起きるかわからないので注意する必要がある。

頭の下へ腕を入れようとすると静香の頭が軽く持ち上げられる。
静香の瞼がそっと閉じられ、その微笑みを描く唇へ口づけをする。
そして首筋へそっと唇を近づけると仄かに夜化粧の香りに包まれる。
静香の唇から『アッ、ハアハア』と軽い息遣いが聞こえる。
そっとパジャマのボタンを外してしっとりとした乳房を包む。
乳首を軽く摘まみながら弾力のある乳房を愛撫し、もう片方の乳首を口に含む。
最近は特に感じやすくなっていてすぐに肌がよりしっとりとしはじめる。
「あなた、子供たちが起きるかもしれないから今日は軽くていいわよ。
 それに今日はそのままでも最後まで大丈夫よ。
 ちょうど一昨日終わったところだから安心してね」
そっと下着の方へ指を滑らせると既に準備は出来ていた。
パジャマの上下を脱がせて側臥位で挿入する。
相変わらず愛液は潤沢で入り口や中が強く締め付けてくる。
側臥位は身体を抱きしめることはできないが、
挿入しながら同時に胸や性器を愛撫することができるし、
そのまま後ろを向かせ側臥状態での後背位への移行も可能だった。
お互いに高まってきたので正常位に変わり抱きしめ合った。
やがて静香が『あん、あん、あなた』と耳元で小さな声で呟き始める。
静香の慎一を抱きしめる力が徐々に強くなる。
『・・・あ・・・あっ』と少し高めの呟きが漏れ、腕の力が弱くなった。
それに合わせて慎一は放った。