はっちゃんZのブログ小説

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2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

45.お化けアパートの怪 6

「・・・翔、お願い、目を開けて、翔・・・」 百合の必死の声が聞こえてくる・・・ 頬に落ちる水滴にふと気づくと目の前に百合がいた。 翔はバトルカーの近くの路上へテレポートしていた。 全身がバラバラになりそうな痛みが襲ってきた。 警部へ急いで連絡を…

6.二人でコーヒー

ある土曜日に札幌市を一望に見渡せる藻岩山をロープウェイで登った。 展望台からは日本海や札幌市の街並みの全景が綺麗に見えている。 夜景だったらどんなに綺麗だろうかと感じた。 下山してきた場所に喫茶店があった。 『ろいず珈琲 旧小熊邸』 外側にはテ…

44.お化けアパートの怪5

翔は屋敷の庭から入って行った。 泥棒夫婦にわからないようにそっとつけていく。 泥棒夫婦は、下水道への道のレンガ積みをゆっくりと剥がしていく。 外道組の残党と合流するまで彼らは地下通路で待っている。 やがて残党組の10人が夫婦に近づいてきた。 翔は…

5.初出勤

月曜朝早く目覚めた。 新聞を読み、朝ご飯を食べて、手作りのネクタイをきゅっと締めて部屋を出た。 妻の『いってらっしゃい』の声を背中に受けての気合いの朝だった。 新たに発足する新銀行『六花銀行本店』は大通公園に面する北側の通りにある。 銀行に着…

43.お化けアパートの怪4

翔は、泥棒二人が寝静まった頃、そっと地下道へ降りて行った。 ゴーグルには赤外線や紫外線感応画像が流れていく。 こんな大きな地下道をよく二人で掘り進んだものと感心した。 ちょうど爺さんの部屋の下辺りに来ているが、 柔らかい土が落ちてきている。 泥…

4.慎一の自覚と不安

慎一は妻から妊娠の事実を告げられた時、 いつかそうなるとわかっていたが、 その瞬間はどう考えていいのかわからなかった。 自分とは異なる人間の中に自分の半分と同じ人間がいるという不思議な感覚だった。 『あなたの赤ちゃんが欲しい』と言っていたので…

42.お化けアパートの怪3

「ねえ、あんた、まだなの?もう1ヶ月以上も掘ってるのよ」 「周りに気付かれないように掘り進んでいるから待て、あと少しのはずだ」 男は地図を広げて説明している。 地図には銀行の地下金庫への通路が描かれている。 「あんたが、地下道が崩れないように…