はっちゃんZのブログ小説

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34.桐生事務所ビル改築

ある日、ビル所有者の葉山不動産からビルを改築・改装する連絡がきた。

もちろん探偵事務所は開いたままでいいと言われており突貫工事で一気にするらしい。

百合から聞かされた話によると、

現在の百合のマンションの部屋は

このビルの最上階へ引っ越すことになるとのことだった。

翔にすれば、完成後は行き帰りの時間は短縮されるし

百合も守れるので一挙両得だった。

事務所にはいつもアスカさんがいるので心配はしていないが

想定外のことで何があるかわからないからだ。

 

改装改築の作業員全員が

館林一族の関係者で占められており秘密は保たれている。

ビルの玄関以外は屋上も含めて厚い覆いで固められており、

数名の警備員も常駐し24時間体制で工事が行われている。

ビルの正面玄関は厚い強化ガラスのドアで外界から仕切られ、

エントランスルームの壁や装飾品には

見た目からはわからないが

監視・撃退など色々な装置が埋め込まれている。

壁は厚い鉄板と強化セメントで固められ、

透視不可能な素材が使われている。

全ての窓ガラスは銃弾を通過させない強化ガラスに替えられた。

1階は不動産会社が入り、

2階は探偵事務所、3階は貸し倉庫、4階が自室だった。

事務所奥のトレーニングルームと武器庫はそのままだが、

事務所内の隠し扉から4階自室へ直行できるようになっている。

部屋は現在の百合の部屋そのままが移動されている。

地下の駐車場への外部からの通路は埋められ、

車、バイクは1階の奥に格納された。

地下道への通路も整備されており、屋上もヘリポートができた。

施設全てがRyokoのコントロール下にあった。

翔に改装改築の理由はわからないが、何かが動き出していた。

(つづく)