はっちゃんZのブログ小説

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9.美波、学生生活スタート

ここで時間は1年前にさかのぼる。

美波は1999年4月に小樽商科大学に入学した。

大学の講堂では狭いため、

入学式は小樽市内の市民講堂を使っての大掛かりのものだった。

新入生には両親や祖父母まで一緒に来て

全員で大喜びしているのを見て、

少し羨ましくもなったが、

誰も知らない所で1人でもがんばると決めた心を思いだしていた。

小さい時からずっと母娘二人で寄り添って生きてきたが、

母が新しい道を選び歩き始めたことを知って

自分も独立することを決めたのだった。

 

美波のマンションは大学にも近く女性専用だった。

ただ社会人も入っているので男性客は禁止ではないが門限があった。

その約束が守れない場合、また風紀が守れない場合は、

学生の場合は両親へ連絡の上マンションを出る事となっている。

毎日の朝ご飯はきちんと用意されており夕食は予約制だった。

部屋で作ってもいいことにもなっている。

大家さんは品が良くキチンとした女性で、

朝ご飯は特に大切との考え方で、

キチンとした栄養のものを用意してくれている。

そしてこの綺麗で静かなマンションを経営することを誇りに思っている。

 

入学してからはテニスサークルへ入り、

結構強い美波はサークル上級者となった。

ただサークルなので楽しむだけの人も多く若干不満だった。

しばらくしてその理由がわかった。

雪が積もるとテニスはできないのだった。

テニスが休止となる代わりにスキーサークルへと変わるらしい。

スキーの経験のない美波はスキーが楽しみだった。

(つづく)