はっちゃんZのブログ小説

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38.オレオレ詐欺団を壊滅せよ4

翔は噂が気になった。

急いでRyokoに検索させた。

過去の事件解決に関しては、

超人的な武術を駆使して悪党を倒す探偵が関与しているとされている。

近くで見た人間は、大柄な身体に若そうな雰囲気で、

黒いヘルメットだったので顔はわからなかったと言っている。

警察関係の人間だろうと言われており、

特殊部隊出身ではないかとも噂されている。

翔は百合も含めて、今後仕事上では本当の顔を晒さないことを決めた。

京一郎さんに百合用に日本人の平均的な顔つきの仮面と

翔用の外国人版も追加作成してもらう必要があると考えた。

 

クライアントのお婆さんへやはり詐欺グループから再び連絡があった。

その道の相手が『むち打ち症にかかった』ということで

忘れるためには1000万必要と言ってきた。

今度は電話口にその道の人らしい男が出て、べらんめい調で脅してくる。

お婆さんには事前に話していたので

お婆さんは怖がっていう事を聞くふりをしている。

 

弁護士の男が時間通りにやってきた。

その道の人らしき男は首を固定して手足にも包帯を巻いている。

周りをそのお付きが同行している。

前と同じように精巧な偽札を渡している。

お婆さんが孫の無事をお願いしながら家に入っていく。

 

そこに翔が中年の変装の上にマスクをして現れた。

「お前達、誰?何してるの?」

「てめえは誰だ」

「通りすがりのオレオレ詐欺撲滅運動中の人間だ」

「おめえ、どこの誰かしらねえが、いっぺん死ねや」

周りから5人ほどの男が集まり翔を取り囲んだ。

ボスらしき男は短刀を持ち出した。

こうなれば、手下は翔へ向かってこれない。

へたに向かって行くと自分も切られたり刺されたりするからだ。

その男は短刀を舐めて振り回しながらニタニタと笑っている。

相手は怖がって逃げていくと思っている。

翔は、すっと近寄っていく。

相手が驚いたように短刀を持ちなおし構えた瞬間、

短刀を持つ手を押さえたまま、回し蹴りが側頭部に決まった。

驚いた男たちは倒れた男を抱えて必死でお金を持って逃げて行った。

(つづく)