はっちゃんZのブログ小説

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10.独立への一歩

大学1・2 年は基礎科目の授業ばかりで、

オリエンテーションでの説明では、「人間と文化」「社会と人間」「自然と環境」「知の基礎」「健康科学」の5つの系に分かれて、それに付随する形で、文学,哲学,心理学,歴史学社会学,社会思想史,化学,生物学,物理学,数学,健康科学といった分野を学ぶ。さらにこれらの分野をより専門的に勉強したい人にはゼミナールが設けられているようだ。

この科目を学ぶ理由としては、それらが現代を生きていく上で必要な教養を育み、経済学,商学,法学,情報学などの専門分野を勉強するには,人間の心理や行動,社会の歴史や仕組み,自然環境,異文化などに関する基本的な理解が必要とのことらしい。

特に「知の基礎」系は,新入生を対象に,大学で学ぶために必要な接続教育を行うための科目群で、専門を学ぶための基本的な知識,文献の調べ方や発表,議論の仕方,そして卒業後の進路に対する考え方を身につけるためのものだと説明された。

 

美波は入学後、すぐに家庭教師のアルバイトを探した。

生活費は貰っているが、

ファッションやクラブ用の資金を稼ぐつもりだった。

小学生高学年か中学生の女の子を対象に探した。

小樽商科大学ともなるとアルバイトの声も多く掛かってきていた。

小学生6年生(週2回各1時間)と中学2年生(週2回各2時間)で契約した。

いよいよ独立の第一歩だと心を弾ませた。

 

サークルでの新入生歓迎会が催され、

生まれて初めてアルコールを少しだけ飲んだ。

静香の血をひいているのでアルコールに弱い感じはなかったが

美波自身アルコールをあまり美味しく感じなかった。

あまり無理矢理飲ませようとする人もいないのでジュースを飲みながら

同級生の女の子と笑って楽しい時間を過ごした。

サークルで山陰地方鳥取県からきている学生は美波一人だった。

みんなが『鳥取?どっちが先?普通トリトリだよね?』

『右と左どっちが島根と鳥取だったっけ?』など冗談半分で聞いてくる。

「そうですね。確かにわかりづらいかも」と答えている。

(つづく)