宿泊したラビスタ函館ベイの前を通過し、「金森赤レンガ倉庫」に着いた。
ネットでは、この倉庫は明治期に建てられたもので、現在倉庫群を利用したショッピング&食事スポットとして人気と書いてある。確かに多くの観光客が歩いており、祭り期間中でもありどの店も満員のようだったので車から降りなかった。
次は、「基坂」と「八幡坂」である。
国道から末広町の高台まで一直線の道を進む。
函館は坂の多い街として有名で、
その中で有名な坂としては「基坂」と「八幡坂」がある。
「基坂」は、函館から札幌へ向かう函館本道の起点で、里数を計る元標が建てられたことからその名がついた。
八幡坂は、昔、八幡神社があった頃から、その名前の「八幡」が残った坂道で、坂の上から一直線に海まで道が続いており、一番景色がいい坂といわれている。
非常に眺めがよいことから、CMやドラマにもよく使われているらしい。
ちょうど八幡坂の頂点部分でユーターンして道路脇に駐車しその景色を見る。
沿道に並ぶ夏の強い日差しをも吸収する濃緑の樹木がまっすぐに並び、
遥か遠くまで霞む港まで舗装された道路が続いている。
末広町付近には、多くの家や教会、喫茶店、レストランが並んでいる。
ところどころ昔の茶店風の木の温もりを感じる可愛いお店も見える。
明治時代の息吹が色濃く流れる街であった。
本日の宿泊予定の湯の川温泉にある「湯の川プリンスホテル渚亭」を目指しながら
その途中にあるトラピスチヌ修道院を訪れた。
この修道院の正式名称は、「天使の聖母トラピスチヌ修道院」、通称「天使園」とも言われている。日本初の女子修道院で、現在も厳格な戒律のもとで修道女が祈りと労働を中心とした自給自足の生活を送っている。
近くの駐車場に停め、寺院へ続く階段を上りながら、
「大天使聖ミカエル像」「慈しみの聖母マリア像」「ルルドの聖母」
「聖テレジア像」「ジャンヌダルクの像」とたくさんの像が迎えてくれた。
その静謐な佇まいの中に漂う空気に強い宗教心が張り詰めているように感じた。
天使園の売店で修道女手作りの「マダレナ(マドレーヌ)」と「クッキー」を買った。
心地良い噛み心地と素材の優しい味とほのかな甘さが舌に残った。
これは後日コーヒーや紅茶で飲むことを考えて多めに買った。
修道女の厳しい生活を垣間見ながら、湯の川温泉「渚亭」へ向かう。
とりあえずチェックインし
荷物を部屋へ置き身軽になって再度函館市内へ向かう。
そろそろ夕方であり、函館山展望台からの夜景観光に出発した。
函館山は標高334mで、ロープウェイで登り、
展望台から見える風景は市街と函館港が一望におさまるため特に有名である。
函館山ロープウェイの駐車場に車を停めてロープウェイ客の列に並ぶ。
このロープウェイは大型で125名が乗り込むことができ、山頂まで3分で到着する。
家族がロープウェイに乗る頃にはちょうど夜の帳が降りてきている。
展望台に着く頃には、
水平線に星が瞬き太陽が沈んだ方向の夜空には名残の光が見える。
そこかしこから「オオー」「綺麗」の声が漏れてくる。
函館の街並みと港で輝く光の海、そしてそれらを囲む薄暗い海、
そのコントラストと綺麗な光の光景は目に焼きついた。
家族全員、その光景に目を奪われた。
(つづく)