はっちゃんZのブログ小説

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31.局アナ盗撮事件を解明せよ 4

副社長とのことが終わり山本アナはホテルを出て、

隣のホテルへ入っていく。

隣のホテルではディレクターが待っていた。

「ねえ、シャワー浴びていいでしょ?ジジイが嘗め回して汚いの。

 役に立たない癖に欲望は一人前なのよね。口直しにお願いね」

「ああ、早く移籍して俺を引っ張ってくれよ。

 もう同期は近々出世するみたいだから、

 あの佐々木の起用で出世しやがった。くそっ!

 今頃、きっと抱いて喜んでいるんだろうなあ」

「大丈夫、あのネンネはもう立ち直れないわ。

 これ以上傷つくのが耐えられなくて家族も辞めろというはず。

 そうなればあなたの同期への責任問題が出るから

 出世は取りやめになる筈よ」

「怖い女だなあ、ベッドではすごく可愛いのに」

「ふふふ、女には色々な顔があるものよ。

 私を裏切らないでね、わかってる?」

「おうおう怖い怖い、わかってるよ、

 俺もここまでやったら後には引けない」

「その意気よ、時期を見てあなたが嫌いな佐々木を抱かしてあげるわ」

「そうか?それは楽しみ、待ってるぜ、ひいひい言わしてやる」

「待っててね。もうじき白川が失脚して後釜に私が移籍すれば

 あなたを引っ張っるように副社長には頼んでいるから」

 そこからはまたもやよく似た展開で始終した。

 

しばらくして

「ねえ、佐々木のあの写真は誰とのものなの?

 あの首元の痣はあなたよねえ」

「ああ、あれは俺と君の写真だよ」

「えっ?いつ撮ったの?あなたの相手が気になって仕方なかったわ」

「ああ、焼餅か?あれは君だよ。

 たまに君を鑑賞するために撮り貯めているんだ。すごく綺麗だよ」

「もしどこかに漏れたら困るからすぐに消してよ」

「君が約束を守ったらね。君の前で消去ボタンを押させてあげるよ」

「でも私の身体を使ってまで佐々木としたいなんて相当なご執心ね」

「いや、あんな人形みたいな女には興味は無い。

 俺様を無視したから憎いだけだ」

「相当に怒っているわねえ。ねえ、私はどう?気持ちいい?」

「そりゃあ言わずもがなだ。いい泣き声で最高だよ、奈々は」

「こんな風にしたのはあなたでしょ?責任とってよね」

「わかってる。もう俺無しではこの身体は駄目だろう」

「あっ、また、眠れなくなっちゃう、

 やめて、・・・いや、もっと・・・」

また始まったので盗聴は中止した。

 

白川アナは、毎日スポーツジムへ通っている。

そのジムに専務が毎週水曜日に来ている。

二人で示し合わせて隣のホテルで一戦を交えるようだ。

専務がジムを出てきた時、

浮浪者に変装してぶつかってクモ助を背中に配置した。

ぶつかったところを汚そうに振り払いながらホテルへ歩いていく。

クモ助はいつものように背広の襟足から入り、

『聞き耳タマゴ』を埋め込み、路上へ落ちて翔の回収を待った。

 

「ねえ、専務、あの画像は私じゃないけど誰と寝て写真を撮られたの?

 あんな体格していないし、私はあんな顔しないしすごく不思議」

「いや、よく似た顔の時があるぞ。最後はいつもあんなだぞ」

「えー、やだー、そんなこと言わないで、

 だってあなたがこんな風にしたのよ」

「そうだったな。お前はわしとの時が初めてだったからなあ、

 あんなに何も知らなかったお前がよく感じるようになったものだ。

 しかし、あの画像はいつ撮られたのか、

 副社長の山谷があの写真の男がわしだと

 いつ気が付くか気が気でないぞ。何とかならないか・・・」

「今、山本アナが警察の紹介で探偵を紹介されたけど

 なかなか犯人がわからないみたい」

「このまま行けば、わしが失脚することになる。まいった」

「えーそうなの?だったら私どうしよう。せっかくトップアナなのに」

「まあ、何かあれば、

 ちょっと怖いのが知り合いにいるから手伝って貰うか」

「でもきっともうすぐ皆が忘れ始めるわよ。日本人はすぐに忘れるから」

「そうだな、あの写真から探ってもらうか」

「頼んだわよ、ねえ早く早く、

 いつものね・・・早く・・・舐め・・・あっ」

そこからは乱痴気騒ぎが始まったので盗聴は一時休止。

 

佐々木アナは自宅にこもって出てこない。

家族だけが出入りしている。

クモ大助を使って盗聴を開始した。

「麗子、そろそろ何か口に入れないと身体を壊すわよ」

「はい、でも食欲がないの。もし復帰したら、

 きっとあの写真と重ね合わされて見られるんだ

 と思うと耐えられないの」

「そんなに思いつめるものじゃありません。

 もう世間は覚えていないわよ」

「そんなはずないわ、私は東京スーパーテレビの朝の顔なのよ。

 もう外を歩くのも嫌」

「まあ、世間が忘れるまで待つしかないでしょうね。

 いっそのこともう辞めて家に戻りなさいよ」

「そのことも考えてるの。

 着替えはまだ我慢できるけど・・・もう一つは絶対嫌。

 私は本当に彼もいないし、まだ綺麗な身体なのに・・・」

「探偵さんはどういってる?」

「なかなかむつかしいって」

「そうだろうねえ。どうしたらいいものかねえ」

「会社には長期休暇を申請したわ。別にこのまま消えてもいいし」

「それならしばらくこのままいましょう、ね?麗子」

「はい、お母様、しばらくお世話になります」

(つづく)