はっちゃんZのブログ小説

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79.遺族の恨みは晴れるのか5

華田社長宅は、青山の一角にある

庭石が綺麗に配置された樹木に覆われた大きな屋敷だった。

ただし、大きな正門は常に閉まっており、監視カメラが配置されている。

武道の心得のある翔には、ランニングを装って敷地を1周した時に

漏れてくる独特の気配を察知することができた。

ただ路上駐車も目立つくらい閑静な住宅街であり監視は不可能だった。

まずは専務から調査を開始することとした。

 

朴川専務宅は、銀座にある大きなタワーマンションの最上階だった。

部外者は立ち入ることもできず、24時間監視カメラが回っている。

夜の闇にまぎれて迷彩されたドローンでマンション屋上へクモ大助を運んだ。

朴川専務の部屋の窓へクモ大助を操作していった。

最上階は2区画が1部屋に改築されており、小さな庭も備え付けられていた。

ガラス窓外面の室内レースのカーテンの陰に隠れる角へクモ大助を待機させた。

音声と画像は24時間体勢でRyokoへ送られてくる。

 

朴川 流麗、公表年齢は49歳となっている。

とてもその年齢とは思えないほどの

怪しく鈍い光を放つ、吸いつくような肌を備えた

バランスの取れた美しい裸身であった。

俗にいう美魔女である。

ホストがとても好きで、週に数回3人のホストを部屋へ呼んでは楽しんでいる。

美しい女が1人キングサイズのベッドに横たわり、

その女の周りに3人の男が群がって奉仕している。

一人が首筋から乳房へ、一人が足の指から上へ、一人が臍中心に愛撫され、

うつ伏せになっても同様な場所を愛撫され全身愛撫の状態で嬌声を上げている。

特に大切な部分は前も後ろも奪い合いで愛撫している。

その女の男達に命令する勝ち誇ったような目つきを見ると

まるで女王クモに仕える雄クモのようで

最後にこの男達は頭から食べられて殺されるかもしれないと感じる光景であった。

 

数日間の情報収集の結果として、

社長との電話での会話から推理するに

やはり闇サイトの運営責任者が朴川専務だった。

ある組織への上納金は月に数億円で、覚醒剤を除いては一番の組織のようだった。

その組織の全容は全く見えてこなかったが、

川口組とは別組織であることは明白だった。

先ず闇サイトへ入った人間のアドレスへメールを送り開封させる。

するとウィルス感染が起こり、そのコンピュータを支配下に置き、

備え付けのカメラアイから依頼人の生活状況を監視する。

その後、裏切りに備えて依頼人の弱み情報を収集し、

十分な調査後に朴川の指示で依頼人との待ち合わせメールを送信する。

(つづく)