はっちゃんZのブログ小説

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51.洞爺から札幌へ-昭和新山熊牧場-

熊牧場としては「登別市の熊牧場」を知っていたが、

今回は近道の豊浦から札幌市へ向かう道を予定しているため

こちらの「昭和新山熊牧場」を見ることにしていた。

牧場の構成は、

「こぐま牧場」

「若くま牧場」

「大牧場」

「くまのアパート」

「あらいぐま牧場」

「人の檻」となっている。

先ずは入り口で販売されているクマ用の野菜やクッキーを買って、

「こぐま牧場」へ行く。

今年生まれの仔熊の紹介があって、

じゃれ合ったり、木登りの練習をしたり遊んでいる。

餌をやると小熊達が急いで食べに来る。

まだ子供なので小さくて可愛いが、

食べている様子を見るとやはり鋭い牙と爪が見えて怖かった。

次に「若くま牧場」へ近寄っていくと、

人間の持っている野菜などを発見し、

クマ達は立ち上がり、声を上げている。

少し先では手招きするクマもいる。

面白がってクッキーを投げると

急いでその場所へ走るクマ達の姿が見える。

そのほかグループで遊んだり、

のんびり寝転がったり、

じゃれ合ってお相撲(喧嘩?)をとっていたりしている。

そのクマのひょうきんな姿に静香も美波も笑っている。

 

「大牧場」は大人のクマばかりで、

そのエリアに突き出されて作られた「人の檻(特別観察室)」に入ると、

鉄格子以外遮るものがないため目の前にクマの姿が見える。

クマは慎一達の持ってる食べ物の匂いに誘われて近寄って来る。

とたんに強い野生の匂いと共に

ゴシゴシした毛並み、

開かれた手には大人の中指ほどの長さの太い爪、

開けられた口には人間の親指くらいの太さの鋭い牙が目に入った。

そして、クマ同士が餌を求めて喧嘩を始めた。

『グワッ』『ブホッ』『ガウッ』などの叫び声やその息遣いが聞こえてくる。

さすがに静香も美波も怖くなったようで子供達と共に急いで檻から出ている。

北海道では結構頻繁に民家付近へのクマ出没の新聞報道がされているが、

もし本当に目の前にこのクマが出てきたらと考えると絶望的な気持ちになると感じた。

 

実家や仙台に住む義母へのメロンとトウモロコシの配送手続きも済ませ出発する。

熊牧場を出発し、北上し洞爺湖畔へ突き当たりを左折し

洞爺湖温泉、壮瞥温泉を過ぎて洞爺湖南岸を走る。

洞爺国道230号線に合流し、札幌へと向かう。

途中、東側に大きなルスツリゾートの遊園地が見える。

子供達がもう少し大きくなったら来たいものだと皆で話し合う。

羊蹄山の美しい形に惹かれながら喜茂別町内を走り一路「望羊中山」へ向かう。

「望羊中山」は、『峠の揚げ芋』が有名で、

その揚げ芋を一度食べてから何度かドライブで訪れている。

(つづく)