はっちゃんZのブログ小説

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70.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ5

Ryokoからの連絡がスマホへ入ってきた。

小部屋付近は静かになったようだ。

仕事終わりにはゴミ箱内の清掃があると考えて、

アスカがタイミングを見計らって

クモママとクモ大助をテーブルの裏へすでに移動させている。

翔は慎重にクモママとクモ大助を各自の持ち場へと移動させていった。

 

事務所やスタッフルームは店に入った時に確認している。

クモママはスタッフルーム(女の子部屋)の家具の裏へ待機させ、

クモ大助は事務所にある額縁の裏へ移動させた。

これから連日情報収集に入った。

 

スタッフルーム(女の子部屋)情報をまとめると

①この店に雇われている女の子は概ね二つのグループに分けられている。

②仕事の種類は2種類の仕事であり、「V担当」と『A担当(別名F担当)』と呼ばれている。

③業務で手取りがいいのは『A担当(別名F担当)』である。

④V担当者業務の詳細

・時間がくると専用小部屋へ行き、大きなカメラの前で待機する。

 ・ご奉仕コース:目の前に置かれている箱の中に映る男性の局部(画像)を手で

         触る。客へは顔だけがアップされている。

・お口コース :目の前に置かれている男性の局部の模型を舐めたり含んだりする。

        模型根元に設置されたレンズからのカメラ目線が客へ写される。

・爆射コース :ベッドが設置されており、腰から上が客へ映る。

        大人のおもちゃ(女性用、コード付、ただし小型)を使う。

        男性の挿入要望に合わせて、自ら挿入し感じる演技をする。

        性体験未経験者の場合、横になった腹部へ男性用大人のおもちゃを

        置き、局部のおもちゃを出し入れする。(レンズには映らない)

        挿入時の演技力などが必要で定期的に指導教育がある。

⑤機械の構造は不明で『壊したら殺す』と言われており怖がっている。

⑥バイト代は毎日受け取り、またはまとめて受け取りかを選ぶことができる。

⑦女の子の会話で由紀菜から『同級生のチカちゃん』(佐渡千佳?)の名前が出て

 おり、由紀菜と同じ学校でこのアルバイトを紹介されている。

⑧『同級生のチカちゃん』はA班でアルバイトをしている。

 A班の部屋はこのビルとは異なる場所にあって教えてもらっていない。

 

事務所からの情報は

①店としての1日の稼ぎは目標が500万円である。

②上納金は毎月5000万円、倉持組残党のニュー倉持組(神田)へ届けている。

③店としてAV女優や風俗嬢への斡旋もしている。

④VR機器の技師は『ソメヤ』という都内の大学生。覚醒剤で薬籠中にしている。

 初心なふりした女子高生をたまにあてがうだけで満足している。

⑤姉妹店として「セクサドール専門店」も経営している。

⑥A班は、詐欺グループが絡んでいるようだが、詳細は店の上層部しか知らない。

 まだ色々と情報は取れたが、どうも最後の詐欺グループ情報が気になった。

 

今回は、都内マンションに住む大学生『ソメヤ』の部屋へ

今日がアルバイト最終日となった由紀菜が派遣される。

彼女の外出着の襟に聞き耳タマゴを挿入し、場所の割り出しと情報聴取を開始した。

由紀菜のアルバイトの目的が、

苦労掛けてきた母親の誕生日のプレゼントの購入であることがわかっている。

普段仕事が忙しく、あまり話ができない母親へ

サプライズで喜ばせたいと考えているのだった。

 

『ソメヤ』と言う男が、生身には全く興味が無いことがわかっているため

由紀菜の身に危害が及ぶことは考えられなかった。

彼女が部屋から出てくるであろう時間にクライアントに連絡し待った。

少し疲れたようにマンションから出てきた彼女は

お母さんを見つけて最初は驚いていたが、

「ママ、どうして、ここに?」

「おかえり、由紀菜、心配したのよ」

母親の笑顔を見て安心したのか、屈託のない笑顔で母親へ近寄ってきた。

「由紀菜、良かった、あなたが無事で」

「ママ、ごめんなさい。アルバイトは今日が最後だったの」

「ならいいわ、さあ帰りましょう」

そして母娘二人で並んで仲良く家へ帰って行った。

翔は後日、由紀菜へ、

もうあのようなアルバイトは辞めるように

風俗店の機器そのものは違法でないが、

由紀菜や家族の身に危害が及ぶ可能性があることを考えて

他言は無用と伝えて近寄らないことを誓わせた。

(つづく)