はっちゃんZのブログ小説

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69.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ4

 

監視メガネからの映像をRyokoへ送っているので

後で解析していくつもりだった。

でも、もしこの時間まで事務所に百合がいたら・・・

と思うと気が気でなかった。

いくら仕事だからと言っても、

この店の客ではお嬢様の百合には理解し難くあまりいい気はしないと感じたからだ。

事務所に戻ると百合はすでに最上階の部屋に帰っているようだった。

店の営業時間は26時までなのでまだ時間があった。

今の時間は客がいるため部屋で

クモママやクモ大助を移動させるのは無理だった。

一度部屋へ戻って待機することとし、Ryokoへデータ解析を指示した。

 

部屋ではちょうど百合がご飯を作っていた。

「ただいま」

「あらっ?翔さん、早かったわね」

「お腹空いた」

「はいはい、どうぞ、今出来たわよ」

「おっ、この分厚いトンテキ!おいしそう」

「ええ、今日は偶然TOKYO X(東京エックス)が手に入ったの」

「へえ、テレビしか聞いたことない。百合、早く一緒に食べようよ」

「はい、それはそうと翔さん、今日はどうだったの?」

「うん?まあそれはご飯の後で」

「そうね、変な店だから何かあったらと心配だったの」

「えっ?知ってたの?」

「知ってたわよ、翔さんも大変ねと思って」

「怒らないの?」

「いいえ、なぜ?お仕事なのに・・・」

「うん、そう、変な店で困ったよ。でも準備はできたよ」

「なら良かったわ。そんな店、もう行かなくて済むならそれが一番」

「そうだね、良かった。じゃあ、いただきます」

「じゃあ、いただきます」

 

TOKYO Xは、ちまたの話題となっている東京都で開発生産されている豚肉で、3つの品種(北京黒豚、イギリス系黒豚、デュロック種) を交配させて改良した新しい品種の豚で、上質の赤身と脂肪がほどよく混ざった肉質が特徴とチラシには記載されている。

 

食後はコーヒーを飲みながら、

テレビをつけて二人でゆったりと過ごした。

夕方に精神力で局部を元気にさせたと言えども、

変に刺激されて少し身体が活性化している。

大好きな百合を目の前にすると、

ついつい安心してしまい抑え難くなって抱きしめていた。

「ねえ翔、私のこと考えて、お店では我慢してたのね。

 大丈夫よ、私はそんな事でヤキモチは焼かないわ」

「そうなの?」

「ええ、一応は男性の生理について知っているつもり。ふふふ」

「でも俺は百合じゃないと嫌だもん。百合、大好き」

「翔、私もよ。ここは明るいからお部屋で・・・」

「いいの?」

「ふふ、いいわよ、翔ったら、甘えん坊さんになる時はいつもそう」

「へへへ、だって百合は可愛いし素敵だし、いい匂いなんだもん」

「ああ、翔・・・もう・・・あん・・・好き・・・」

そんなこんなで百合と愛し合い、夜中まで軽く眠った。

(つづく)