はっちゃんZのブログ小説

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39.オレオレ詐欺団を壊滅せよ 5

都倉警部に連絡し状況を話し、暴力団担当と連携することとなった。

また翔の情報を警察内部でも秘密にしてくれるように依頼した。

警部はそのネット情報を聞いて、

百合の身の安全も考えて了承してくれた。

警察内で翔を知っている者には、

探偵事務所は畳んだこと。

群馬の実家を継ぐことになり、東京からはいなくなることを知らせた。

警察内で翔と仲の良かった者は寂しがっているようだった。

 

その日から『Kiryu detective agency』はホームページも含め、

一切の痕跡が消えた。

事務所の後には、『何でも屋 オールジョブ』を開業させた。

所長はもちろん翔だが、

声を変え風采の上がらない中年の変装をしている。

事務員は百合とアスカで共に顔を変えている。

ホームページには金額を高めに設定しあまりヒットしないようにした。

 

都倉警部は、先ずオレオレ詐欺グループの本拠に急行した。

彼らは無実だと主張したが、

金庫に翔の作った偽札があったためそれが証拠となり検挙された。

翔の偽札は『透かし部分がモナリザになっている』のですぐにわかるのだった。

 

次に『外道組』への捜査を始めた。

組員達は刑事達を睨み付けながら立っている。

組長は所用で不在とのことだったが、

翔の事前情報で隠し部屋の存在を伝えていたため、

そこに隠れていた組長と

格納された莫大な数の武器(拳銃、刀、ダイナマイトなど)と共に

組幹部は全員逮捕された。

隠し部屋の凶器そのものに

組長や幹部の指紋もついていたため言い逃れは出来なかった。

オレオレ詐欺グループとの繋がりも否定していたが、

隠し金庫の中から『翔の作った偽札』が出てきて万事休すとなった。

また暴力団担当刑事の殺人・傷害事件の証拠も見つかり

組長や幹部達は、

『凶器準備集合罪・凶器準備結集罪』『詐欺罪』『殺人教唆』などで立件された。

事実上、倉持組は解散状態となり多くの組員は散り散りばらばらとなった。

 

この大捕り物のニュースはマスコミを賑わせた。

警察の威信を大きく取り戻した事件となった。

都倉警部は翔へ感謝状を渡したかったが、

翔たちの身に危険が及ぶので取りやめにした。

東京都に翔はいないことになっているので都合が良かった。

しかし、ネットではまだまだ『幻の格闘探偵』の噂で持ちきりだった。

今後は、『何でも屋のオヤジ』を演じて警察へは今まで同様、

可能な時に協力していくこととした。

(つづく)