はっちゃんZのブログ小説

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119.首都を防衛せよ6

ドガーン』

ドガーン』

突然、敵方の大砲が火を噴いた。

3姉妹はバトルコンボイ付近への被弾を防ぐため、

ジャンプしては盾や衝撃吸収網で叩き落している。

砲弾数が多いため漏らした場合も

弾性体で出来たコンボイを囲むトーチカで衝撃を吸収しているため爆発はしない。

ただし、コンクリート部分に着弾した弾は破片を撒き散らしながら爆発している。

たまにバトルコンボイにも被弾しているが、コンボイの壁面を破壊する事は出来なかった。

 

大砲やヘリコプターなどの空中兵器は厄介だったので先ずは黙らせる事として、

大砲はバトルコンボイの『超指向性ビーム砲』と『指向性振動砲』で破壊しながら

そして、レールガンにて『対広範囲用電磁パルス砲弾』を発射した。

電磁パルス砲弾は、クルーズ船の上空で爆発し、半径50mの範囲の電子機器に作用する。

船の長さが200mもあるクルーズ船も4発もあれば全ての電子機器が沈黙した。

飛び立とうとしたヘリコプター5機はそのまま沈黙し、

空中にいた機体はそのまま海へ真っ逆さまに墜落していった。

手動のミサイルランチャーも『超指向性ビーム砲』で溶かしたり

『指向性振動砲』で分解させたりして黙らせた。

 

大型ロボットに「対兵器用電磁パルス発生弾(=ショート君)」を使用するも

重要部分はコーティングをされているためか全く動きを止めることはできなかった。

いよいよ大型ロボットが岸から上がってきた。

上陸阻止部隊は、

『対強化兵用複数戦闘用バトルスーツ阿修羅』

『対機械兵用バトルスーツ田力男』に数々の武器を装着している。

 

続いてゴムボートから敵が上陸してきた。

優子からの指示により

上陸阻止部隊は『対人用強力粘着弾=ヘバリツーク』を一斉に水平撃ちで使用した。

効果としては機械兵には効果があったが、

素早い獣人化兵には当たらず

大型ロボットの足を止めることも出来なかった。

翔達が大型ロボットへ攻撃するも何の効果も無かった。

 

『それでは』と、気合を込めなおした翔は

大型ロボットの鋏の腕を掻い潜り、

手から発射されるスパイダーネットを使い、素早く大型ロボットの背によじのぼった。

その間にも敵兵士を足止めしているレイ、アイ、アスカの3姉妹はキャノン砲で撃たれ

綺麗な彼女達の手や足が吹き飛ばされてしまっている。

翔は彼女達へコンボイへの撤退及び修理、その後百合との救急看護の命令を出した。

 

掛け声と共に

背中に背負った『リアル斬鉄剣=鉄切刀』を振り上げて分厚い装甲へ突き刺した。

『おりゃあー』

『ザクッ』

『スパッ』

切り開かれた内部に複雑な機械部分が見えた。

その中にショート君を撃ち込んだ。

予想通り、機械部分で電磁パルス発生弾が爆発すると機械部分が破壊される。

それでやっと大型ロボットの機能が全て停止させることが出来た。

ただ、他の歩兵からロボットの背にいる翔を狙っての銃撃があり、

他の2台のロボットからキャノン砲が発射される。

背負った盾で何とか防ぐにも砲弾の勢いが強過ぎて地面へ叩き落された。

目の前にロボット体部下面の扉より梯子で敵兵数人が脱出してきて

「こいつがあの探偵だ」

「必ず殺せ」と口々に叫びながら攻めて来る。

翔は、彼らを『対人用閃光弾(=目潰し光弾)』で行動不能にし

『対人用睡眠弾(=スヤスーヤ)』を発射し全員を眠らせた。

 

機械化兵と獣人化兵は、こちらを一向に恐れる素振りも無く進軍してくる。

力が強く防御力に優れる単独行動の多い機械化兵には、

『対機械兵用バトルスーツ(=田力男)』が対峙した。

反射速度の速い、動きがトリッキーで集団行動を行う獣人化兵には、

『対強化兵用複数戦闘用バトルスーツ(=阿修羅)』で対峙した。

 

機械化兵からの攻撃は、パンチ一つにしても強力で生身では受けることができない。

そして、疲れ知らずの上に力任せに槍や剣で攻撃してくる。

田力男型バトルスーツは、

腕部に格納された機械部分に連結された腕パーツに自らの腕を通して、

自らの力を数十倍以上にすることにより、機械化兵に対して防御や攻撃を行う。

武器としては、鉄切刀、鉄切ナイフ、ショート君、対人用電気ショック(=ビリビリ君)などだった。

機械兵は攻撃されてもあまり防御をしないため、

相手からの攻撃を盾で避けたり掻い潜ったりしながら

中間距離では鉄切刀、

接近戦では鉄切ナイフで四肢や首元の関節可動部分を狙っていく。

体内が見えたら鉄切ナイフに付属させている振動波発生装置を使い機械部分を破壊していく。

 

獣人化兵からの攻撃は、獣の種類にもよるが人間の数倍程度の力だが、

それ以上に人間には対応できない程の俊敏性で集団での攻撃が得意であった。

阿修羅型バトルスーツは、

自らの両手以外に体部両側に2本ずつ手がある。

その6本がヘルメット8面に付いているカメラアイの情報で

背中に格納されているコンピューターが攻撃と防御を同時に行う。

背面の敵にも対応できるため、1体で複数の相手が可能になる。

盾と鉄切刀がおのおのにセットされている上に、

生身の両手部分では銃やその他の武器も使用できる。

仮に大型猛獣タイプ(熊など)の場合には、

両側の腕を合体させる事によりその強力な力に対応できるようになっている。

両一族の戦闘員はその道の専門家ではあるが、敵も強く簡単には制圧できなかった。

だが徐々に敵を押さえ込み始めている。

 

まだ大型ロボット2体は健在で、翔1人ではなかなか沈黙させられなかった。

一族の戦闘員の怪我が目立ち始めている。

優子より、レイ、アイ、アスカの3姉妹の破損部分の修理が完了した旨、

彼女達の身体に

人間では負担が大き過ぎる体高約5メートルの「スーパー田力男型バトルスーツ」に「盾」と「超振動鉄切刀」を持たせ

3体で大型ロボット1体へ当たらせる旨の連絡があった。

 

「スーパー田力男型バトルスーツ」のレイ、アイ、アスカの3姉妹が戦線復帰した。

2体の敵大型ロボットは、

今まで連携し翔を攻撃していたが、今度は1体ずつとなった。

そうなれば翔としては、1体を破壊することは簡単ではないが難しい訳ではなかった。

3姉妹は、各自がコンピューターで対応しているため、手早い応戦ができている。

(つづく)