はっちゃんZのブログ小説

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33.すながわスウィーツロード2

夕食後、コーヒー又は紅茶と共に「イタリアンミラノシュー」を賞味した。

その俵型のシューの表面には真っ白のパウダーシュガーがかかっている。

油で揚げられた少しもっちりした薄い生地には、

カスタードクリームがたっぷりと詰められている。

そのドーナツのような感覚のシューに新鮮味を覚えた。

口の周りが真っ白になるくらいたっぷりのパウダーシュガーと

濃厚なカスタードクリームの甘すぎるコラボを薄い生地がうまくまとめている。

静香と美波は2個目に取り掛かっているが、慎一には1個で十分だった。

 

バウムクーヘン妖精の森』は翌日のおやつに切り分けた。

このバウムクーヘンは、フィギアスケートの高橋選手の結婚式の引き出物に使われたくらい知る人ぞ知るものだったが、北海道出身芸能人の番組での宣伝やお取り寄せ物番組などでも取り上げられて全国的に有名なものとなった。

早速に切り分けると子供達が目を輝かせて我先に掴んで食べ始めた。

表面の焼き目の入った部分にはたっぷりの蜂蜜が練りこまれており、

掴んだ部分からジワリと蜂蜜が滲み出てきている。

生地そのものは甘さが抑えられているが、

しっかりとした歯ごたえ、しっとりとした食感、

焼き目と一緒に食べた時の美味しさは、

今まで食べたバウムクーヘンとは次元の異なるものだった。

バウムクーヘンは非常にシンプルなものゆえに騙しのきかないものである。

厳選されたすべての食材を最高の配合で生地を作り、

ただひたすら職人が心を込めて焼き上げているものと感じた。

(つづく)