はっちゃんZのブログ小説

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43.お化けアパートの怪4

翔は、泥棒二人が寝静まった頃、そっと地下道へ降りて行った。

ゴーグルには赤外線や紫外線感応画像が流れていく。

こんな大きな地下道をよく二人で掘り進んだものと感心した。

ちょうど爺さんの部屋の下辺りに来ているが、

柔らかい土が落ちてきている。

泥棒男がその部分を厚い板と太い柱で補強している。

 

下水道まで進み、

家の通路から下水道への出口を撮影し、再度組み直した。

そして銀行の地下金庫付近を調査した。

暗い下水道ではパッと見た目にはわからないくらい自然なレンガ積みとなっている。

それを写真で撮って、

レンガを剥がしていくと地下金庫の壁材が見えている空間に着いた。

これはすごい技術だった。

この壁1枚の向こうにはお金がうなっているのだ。

足元にはセメントを砕く機械や金属を溶かすバーナーを用意されている。

来週が月末の金曜日なので多くのお金や貴金属が運び込まれる筈だった。

翔は、画像を調べてレンガを元の状態に組み直して下水道から歩いて地上へ出た。

 

都倉警部に連絡し現行犯逮捕するため待機した。

いよいよ金曜日の銀行業務が終了し深夜が訪れた。

警部たちは、川口組がどこから来るかがわからないので

とりあえず地上で待機している。

地下道の反対側にも警官を配備予定で、

1人も逃がさない布陣を考えている。

 

泥棒夫婦は寝静まった近所を確認して、

大きな鞄を持って庭から地下道へ入っていった。

もちろん男の背中にはクモ助が下りており『聞き耳タマゴ』は設置されている。

男は携帯電話で川口組へ連絡をしている。

有料駐車場にバトルカーを停めて川口組を見張っている百合とアスカから連絡が入った。

10名ほどの組員が事務所から出てきた。

1人の組員の背中にクモ助を下ろして『聞き耳タマゴ』の設置に成功した。

彼らはゴルフバッグのようなものを多く担いでおり中身は武器と思われた。

アスカがクモ助を回収して車に戻ってくる。

翔のゴーグルへ彼らの移動地点が送られてくる。

警部へそのデータを送信し、彼らの移動場所を知らせ

彼らに見つからないように周りから包囲し逃げ道を塞いでいった。

(つづく)