はっちゃんZのブログ小説

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81.道央旅行5(朝食とラフティング、ヤギの郵便屋さん)

昨日に一番の目的だった「雲海」は見ることが出来たので今朝はゆっくりと眠った。
朝食は、『レストラン ミカク』の予定だった。
ここは予約ができないため部屋から移動した。
この店は、朝食のみしか営業しておらず、
トマム ザ・タワーに内にある和食に重きを置いているビュッフェレストランである。
和食では定番の「刺身」「味噌汁」「野菜や根菜の煮物」「出し巻き卵」「焼き魚」「漬物」「酢の物」「松前漬」「イクラの醬油漬」などを始め、「握りたてホクホクのおむすび」「だし茶づけ」などもあり、これらも昨夜同様に子供達を連れて行って好きなおかずをプレートへ載せて回っていく。後ろからは美波と静香が料理を取っていく。慎一は子供達をテーブルへ戻した後に色々とプレートに載せて、海鮮丼を作ってだし茶漬けにした。

最終日の今日のアクティビティは『川下りラフティング』の予定だった。
3つの清流に囲まれたトマムは、北海道屈指のラフティングエリアで
手つかずの大自然の中で川下りラフティングができ北海道の大自然を全身で体感できるらしい。
今回は子供が小さいので安心な緩やかな川下りが出来るプランを予約している。
大人だけの場合は大人専用の落ち込みの激しい清流を下るプランもあるらしい。
ネットでは、アイヌ語で「滝が幾重にもかかる川」という意味の「空知川」や奇跡の清流とも呼ばれる「シーソラプチ川」は、川床の石や水面がキラキラと輝く美しい川です。冷たい清流の飛沫、爽やかな北海道の風を浴びながら身体を動かすラフティングは、空と緑と水の美しさが一度に味わえると紹介されている。

さっそく大きめのカヌーに救命胴衣を着けた家族全員が乗りこんでの出発だった。
とりあえず泳げる人間を先頭と最後尾にと考えて
先頭は美波、次に夏姫、雄樹、静香、最後尾が慎一の順番に座った。
人間が住む前から流れる自然そのものの美しいシーソラプチ川のせせらぎに混じり、
どこからか名前はわからないが野鳥の可愛い鳴き声が聞こえてくる。
本当にネットの紹介にあった様な
『奇跡の清流』と呼ばれるほど透明で綺麗な水のため本当に川底にある石が見える。
そっと水に手を浸けると夏とは思えないほど冷たい水に驚く。
雄樹も同じようにしたが、底をじっと見てその冷たさが気持ち良いのかずっと浸けている。
夏姫も手を浸けたまま「キラキラしてる」とじっと水面を見つめている。
美波は周りをじっと見まわして野鳥を見つけては夏姫や雄樹へ知らせている。
やがて、川から湖へと流れていく。
カヌーの波だけが広がる静かな湖の中を進んでいく。
その湖は人の気配のない原生林に囲まれている。
ときおり吹く風に乱される水面、
ふと響く野鳥の声、
湖の底まで見える水、
カヌーの影に驚き素早く泳ぐ魚の姿、
それらすべてが贅沢な時間だった。
やがて昼になりこのアクティビティも終わり部屋へと戻る。
そろそろチェックアウトの時間だった。

ここのアクティビティは、他にもあって以下である。
『ワイルドキャニオリング』
自分の身体ひとつで川を流れていくという、時にスリルも味わえる川下り。
『ツリーイング』
ロープとサドルだけを使って登り、鳥目線で眺めるトマムの景色や空中で森林浴も楽しめる木登り体験。
『乗馬体験』
経験がなくても引き馬で安全に体験できる。
『サファリカートツアー』
普段は林や茂みに隠れている野生動物が活発に動き始める夕方~夜にかけて行われるツアー。カートに乗って移動する夜の探検。野生動物の痕跡を探すのが目的でエゾシカ、キタキツネ、ユキウサギなどの野生の動物の姿を見る。暗闇の中にキラッと光る動物の目を見つけたときには、ドキドキするかも。
『モーモーカヌーで行くカヌーピクニック』
カヌーと貸切のピクニックが同時に体験できる。ピクニックボックス(クラッカー、チーズ、チーズケーキ、飲み物)付。
『森のクラフト体験』森に落ちている木の葉や木の実を使って道具などを作る。

チェックアウトをして荷物を車に入れると最後のアクティビティへ向かう。
『ヤギの郵便屋さん』である。
このアクティビティは童謡の歌にある「白やぎさんから お手紙ついた 黒やぎさんたら 読まずに食べた~♪」という童謡の世界に飛び込んでしまったようなアクティビティだった。タラヨウという葉に手紙を書き、郵便屋さんに扮した可愛いヤギに食べられてしまわないようにポストへ投函するドキドキの体験である。
タラヨウは傷をつけると跡が黒く浮かび上がることから、「葉書」の元になったと言われている葉で、インクを使わないため、ヤギが食べてしまっても安心らしい。葉へ文字などを書いて、付属の透明なビニール袋に葉を入れて切手を貼って投函すると、本当に配達されるらしい。
仙台と神戸の実家へ送ることとした。
雄樹や夏姫に「きっとジイチャンバアチャンは喜ぶよ」と言うと葉へ可愛い文字を書いている。
二人はヤギさんに食べられない様にシンボルツリーへ固定されているポストの元へそっと歩いていく。
そしてポストに投函すると二人は『成功したよー』と走って戻ってくる。

 ヤギの郵便屋さんに投函してからゆっくりと駐車場へ戻り札幌市へと出発した。
トマムICから道東自動車道へ上り、占冠鵡川、夕張を越えて千歳恵庭JCT道央自動車道へと入り、
大谷地ICで降りてマンションへ向かう。夕方には無事マンションについてほっとした。
子供達には居間のテレビでトマムでのビデオを見させて遊ばせて旅行の片づけに入っている。
その夜は、みんな疲れているので近くの「びっくりドンキー」まで歩いて夕食とした。