はっちゃんZのブログ小説

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131.新たな旅立ち ー龍鱗(りゅうりん)一族の誕生ー

正体不明の敵から桐生・館林一族と共に首都を守り、

前橋館林家の学園問題も片づけた翔は、
両一族の頭首から「前橋館林家再興」のお願いをされる。
過去において一度は無くなった構想だったが、
奇妙な縁に導かれ翔と百合が結婚することとなり、
再びこの両一族の悲願は達成されることとなった。
特に一族では誰ももっていない稀有の能力
『テレポーテーション』と言う異能の力を有する翔が頭首となることで
異能の力を持つ人間を集めているとされる
両一族の中でも闇に隠れていた桐生『狐派(忌派)』と館林『陰陽派』を組み込み
『龍の姿にも似た』この国の礎を
霊的にも異能の力からも守れる一族『龍国の盾』として再興される事を期待された。

もともと館林は、
『盾の一族(立てるの意味も含む、立はりゅうとも読む)』であり、『林』も自然の風から村を守る防御(盾)を現わす一族の名前だった。
そして桐生は、
『鬼であり龍である一族』であり、攻撃(矛)を現わす一族の名前であった。
再興される「前橋館林家」は、『矛を備えた盾』となる一族として両一族から嘱望された。
攻撃と防御を備える意味から『龍鱗《りゅうりん》一族』として新しく出発する事となった。
実際、空想の生物である『龍』は強固な鋭い鱗《うろこ》が備わっており、
敵からの攻撃をその硬い鱗で弾き、鱗そのものを飛ばす事により敵を切り裂く力がある。
もちろん桐生・館林両家と龍鱗一族である前橋館林家は常に連携を持つ関係で合議制で決定される戦闘集団となる。

これを機に新しいコンピューターシステムが構築されることとなり、新しい電脳機械は、処理速度と解析の得意領域の異なるスーパーコンピューター量子コンピューターを融合させたもので、言ってみれば『ハイパーコンピューター』であって両一族の世界中の頭脳を結集して構築された。
スーパーコンピューターは、0又は1のビットを使い、すべての入力に対して毎回計算し、高度な数値計算やデータ処理に秀でている。
量子コンピューターは、スーパーコンピューターの様に0又は1だけではなく、0と1の量子ビットを使い、0と1の重ね合わせも利用すると言う考え方のもので、従来のコンピューターの形式であるCPUの並列性から量子力学的な重ね合わせ状態で新たな並列性を有する事から同時に多数の状態を表現できるため、それに量子干渉を巧みに用いることで膨大な組み合わせの中から良いと思われる解答を確率的に出す様な高速計算が実現できる。

各一族のハイパーコンピューター名としては、
我が国の三貴神の名前から
アマテラス:館林一族のコンピューター『優子』と『Ryoko』が融合している。
スサノウ:桐生一族のコンピューター『KIRYU機龍』と『KISIN鬼神』が融合している。
ツクヨミ:龍鱗家のコンピューター『オリヒメ』と『ヒコボシ』が融合している。
これらのコンピューターが全て相互に繋がっており世界中の情報を収集解析している。
なお、龍鱗家(旧前橋館林家)のコンピューター『オリヒメ』命名に関しての謂れとしては、
百合がまだ幼少時、
暗い処理中のコンピュータールームのランプの|瞬《またた》きを見て
「まるで天の川みたい。どれがオリヒメ様なのかしら」と話したことから『オリヒメ』と名付けられた。

両一族の人間は
元々政治経済を中心として世界中で従事し多くの情報を収集している。
だが、桐生『狐派(忌派)』と館林『陰陽派』の人間は、
その異能の力を表に出すことなく
同じ一族の者も
その力に関して詳しい事は頭首や長以外は誰も知らなかった。
ある者は「冒険家」として、
ある者は「修験者」として、
ある者は「占い師」として、
ある者は「霊媒師」として、
ある者は「祓い屋」として、
ある者は「禰宜」として、
ある者は「能楽師」として、
ある者は「マジシャン」として、
ある者は「サーカス団員」として、
世界中を活動範囲としており、自身が持つ異能の力を使い情報収集している。
その拠点は京都のさる場所と言われているが、今後は「前橋館林家」がその拠点となる。
以前、「妖?行方不明者を探せ事件」の時に一緒に戦った桐生遼真と真美の二人もこの一族の者となる。

龍鱗一族の若き頭首として百合と共に前橋館林の屋敷に入った翔は、
先ずは各集団の全ての長を屋敷へ一同に集めた。
各集団の長は初めて顔を合わせた様でお互いがお互いを警戒している。
近い過去において
前橋館林一族内部から新しい一族を作る事に反対した派が出て
桐生一族と前橋館林一族の戦った記憶がそうさせているのかもしれない。
その戦いにおいて身内が命を亡くした者もいるはずだった。
実際に翔自身が実の父親を目の前で殺されている事は両一族の全員が知っている。
その感情を頭首として龍の盾ために昇華していく姿を見せ
不幸な過去は、
人間なら誰でも引き起こす妄想が起こした出来事として割り切り、
今後は二度とあのような悲劇を繰り返さないとの意思統一が必要だった。

この二つの一族が融合してその力を充分に発揮するためには
一族の者の疑問とするところは、
長へ隠すことなく話し、
長は隠すことなく頭首へ伝え、
頭首は湧きあがったその疑問を最優先で解決し払拭する約束をした。
両一族の者は、お互いがお互いの気持ちを推し量り、
お互いがお互いを尊敬し合わなければ機能しない事は明白だった。

翔は長達と『我が一族の将来と使命』について時間を掛けて話し合った。
現在の日本の近隣諸国や同盟国との状況や
近い将来に起こるであろうあらゆる可能性についても
各|長《おさ》達と情報を隠すことなくお互いに腹蔵無く知見を深め合った。
その結果、各集団単位だけではその多くが解決できない事に気づき
今後、一族としてお互い交流を深めて切磋琢磨をしていく事とした。

異能の力と言っても、
霊能力者から超能力者までいる訳で全員の力が同じではないので注意が必要だった。
異能の力を使い盾として戦う采配は、翔と集団の長が決める事とした。
この場での各集団の異能の力について披露する事は避けた。
それは頭領の翔だけが知っていればいいだけであり、
両一族が徐々に交流を深めるうちに
お互いがお互いを必要とし始める事に気づくまで各能力の公開は控えさせた。

翔と百合はその後時期を見て順番に長の同席のもと全ての一族の者と会った。
どの集団も一騎当千の強者ばかりで、
頭領としての翔は格闘の機会を持ってお互いを理解し合った。
百合は若き頭領の翔と共に同席し、
一族の女達とも仲良く話し合い、格闘の練習にも励んだ。
全ての者と面会し一族の頭首としてはまだまだ若過ぎるが、
翔の格闘術の強さ、弱者への絶対的な優しさ、度量の大きさ、人懐こい人柄と
百合の分け隔ての無い細やかな心遣いに
それまで同じ一族でありながらも自身の持つ異能の力ゆえに
親兄弟や周りからどこか恐れられ疎ましがられてきた経験がある者として
異能の力を隠す事無く、堂々と発揮できるこの新しい一族の出発を心から喜んだ。
一族の活動は方向は合議にて党首が決め、細かい現場の事は長が補佐をする事として開始された。

ある夜、久しぶりに屋敷に戻り、
百合と二人きりで夕食を食べゆったりとしていた。
テレビでは面白ければそれでいいとの考えのバラエティー番組が花盛りで
多くの日本国民は何も考えずにテレビやユーチューブにかじりつき楽しんでいる。
この平和な日本を今後どのように守っていくのかを考えると
世界や一族の色々な問題が浮かんできて心からテレビを見て笑う事はできなかった。
翔が難しい顔をしてテレビを見ているので、百合がそっと寄り添い胸にもたれてきた。
「あなた、やっと二人きりになれたわ。お疲れだったでしょう。
 ねえ、未来の大きな事やわからないことは考えず、
 目の前にある一つ一つの小さなことからやっていきましょうよ。
 先ずはそれを積み重ねてを行きましょうよ」
「そうだったね。
 一族のみんなの気持ちを考えると
 頭首としてもっともっと考えないといけないと思っていたけど
 あまり気張らないで今までのようにやっていく事にするよ」
「それがあなたの持ち味だし、私があなたを愛したところです」
「そう言われたら何か気持ちが軽くなった。百合、ありがとう」
「いいえ、あなたに難しい顔は似合いません。
 一族の皆もあなたの優しい笑顔を見たいはずです」
翔は胸元から立ち昇る百合の香りに久しぶりに胸がときめいた。
「ねえ、久しぶりに二人でお風呂に入ろうよ」
「ええ、そうしましょう」
翔は百合をいつものようにお姫様抱っこして百合へ口づけをした。
百合はにこやかに笑い、翔の首へ腕を回している。
屋敷の広く長い廊下をゆっくりと歩いて風呂へ向かう。
かけ流しの温泉が流れ込む大きな檜の浴槽へ二人で身体を沈めるとザアーと湯が流れていく。
ここしばらくゆっくりと出来なかった二人の疲れも一緒に流されていく・・・

二人はいつもより早めに寝室へ入った。
翔は早速百合の首筋へ口づけをした。
「百合、いい香り」
「ああ、あなた、あっ・・・」
「やっぱり一番落ち着くね」
「ふふふ、私もそう。
 そうそう、あなた、あなたが頭首になってからは
 もうピルは飲んでいませんからいつでも赤ちゃんは作れますよ」
「そうなの?この僕が父親か・・・。何かピーンとこないなあ」
「ここしばらくはこんな時間が無かったからまだ出来てませんよ」
「そうか、もしかしたら今晩出来るかも、がんばる」
「そんなに焦らなくても赤ちゃんは必要な時に神様が授けてくれるわ」
「わかったよ。ゆりー、もう我慢できないよー」

翔の顔の左側にある百合の小さな顔を両手で挟み、
指をその長い髪に潜らせると、
百合の弾力に富むバランスのいい厚さの唇へ吸い付いた。
「百合、愛してる。これからずっとよろしくね」
「はい、私も愛しています」
最近、手のひらからこぼれるほど大きくなった百合の襟元へ右手を入れた。
手のひらに触れる百合の滑らかな肌が気持ち良かった。
口づけをしながらそっと百合の寝巻の帯を解き、翔も寝巻を脱いだ。
仄暗い部屋の中でスラリとした百合の真っ白い肌が浮かんでいる。

百合の右の乳首を吸いながら、右手で左の胸を優しく揉む。
もう既に紅く小さな乳首は固く尖っている。
「ああ、あなた、気持ちいい」
翔は、左手のひらで滑らかな背中や脇腹へとそっと撫でていく。
百合の右腕を寝巻から抜きながらしっとりした襟元や肩や背中へ口づけをしていく。
唇が触れるたびに百合はピクリと震え感じている。
今度は、百合の左側へ移動して
左手で百合の右胸を優しく揉みながら乳首をそっと摘まみ
同時に左胸の乳首を含む。
百合の左腕を寝巻から抜きながらしっとりした襟元や肩や背中へ口づけをしていく。
百合の着ていた寝巻を軽く巻いてそっと枕元へ置いた。
しばらく二人は抱き合って肌を合わせてその感触を楽しんだ。
そして二人は一番肌が馴染む相手である事を再び理解し合うのだった。

百合の肌がよりしっとりとし始めた頃、
翔は右手を百合の下着へと下げていく。
百合も腰を少し上げて協力する。
百合のスラリとした足から下着を抜いた後、すぐに翔もパンツを脱いだ。
翔は再び唇へ強く口づけをして、首筋から胸へと唇を移動していく。
百合も喘ぎ声と身体のピクリとする反応で応えていく。
翔の指が百合の密やかに息づく場所へ到達した。
細めでやや縮れた陰毛を掻き分ける。
そこは既に十分に濡れている。
翔の指がその中に潜む敏感な芽を探した。
それは小さく固く尖っていた。
翔が愛液を指に絡ませてそっとタッピングし、そっと優しく回していく。
百合の口からやや大きめの声が漏れ始める。

その時、百合が翔のモノにそっと手を伸ばしてきた。
「あっ、百合、今日は駄目だよー、早く終わっちゃうから」
「ふふふ、いつもあなたに気持ち良くして貰ってるからお礼よ。
 でも本当に気持ちいい。ああ、好き、あなた、ステキ」
「あっ、そんな・・・ああ、気持ちいい」
「今日もお口でしてあげるわね」
「ああ、少しだよ。あまりに気持ち良すぎて出ちゃうから」
「ふふふ、別に出しちゃってもいいわよ。でも今日は駄目なのね」
「うん、今日は駄目」
「じゃあ、ここまででやめておくわ」
「もう、急にするなんてびっくりしちゃうじゃん」
「ふふふ、可愛いあなたを見たかったの」
「もう、お返し」
翔は、百合の密やかに息づく場所へ口づけを始めた。
「あっ、あーん・・・気持ちいい」
翔は、大量の愛液に塗れ大きく開かれた紅い花弁を
唇で挟んだり吸ったりの愛撫を繰り替えした。
敏感な芽も舌先で回したり、タッピングをして刺激した。
百合の膣から大量の愛液が流れ出て布団にまで染みが出来てきている。
ここまでくると翔ももう我慢が出来なくなってきている。
「百合、もう・・・」
「うん、・・・来て」
翔はギンギンになったモノをそっと膣口に当てると一気に奥へ突き入れた。
突き入れたモノをしなやかな壁が包み、
前後左右に動かすたびにリズミカルにギューッと締めてくる。
翔の耳元に百合の喘ぎ声が聞こえてくる。
翔の腰から背骨へ震えが上がってくる。
その震えが脳へと上がった時、いつもの感覚が訪れた
百合の一番奥の部分の締め付けが突然無くなり、
代わりに根元が今までより強く締め付けられた。
二人一緒に声が出る。
「あっ、あん、浮かぶー・・・!?」


「うっ」
翔は百合の奥深くへ大量の熱い塊を注ぎ込んだ。


百合には絶頂に昇りつめた瞬間、
以前この力が出始めた頃にうなされていた時の様に
強く抱きしめていた筈の翔の逞しい肉体が一瞬|朧《おぼろ》となった感触があった。
(終わり)