はっちゃんZのブログ小説

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32.すながわスウィーツロード1

全国的には梅雨と言われているが、この季節の北海道はさらりとした毎日が続く。

たまに雨が降ってもそれほど湿気は強くなく、

降り注ぐ日差しもそれほど強くなく、吹きわたる風が頬にやさしい。

同僚から「砂川スウィーツロード」の噂を聞き、

静香へ話すと早速美波へ連絡がいく。

 

土曜日の午前中遅めにマンションを出発する。

北海道道230号線を東へ走り創成川に突き当たると左折し、道央自動車道に突き当たり、その場所にある札幌北ICから旭川市方向へ向かう。岩見沢市・三笠市美唄市を越えると砂川市に至る。奈井江砂川ICを下り砂川市へと進む。

砂川市を通る国道12号の両側に19軒のケーキ類、和菓子類、パン類、冷菓類などを作っている菓子店が店舗を出しており、お菓子屋さんが広がるこの街は「すながわスウィーツロードと呼ばれているらしい。なかには、創業100年を超える老舗や全国的な知名度を持つお店などさまざまなお菓子屋さんやカフェがあるとネットでは検索できる。

とりあえずは全部回ってみようと言う事となり、国道12号沿いを南側から攻めることとした。

そこから「おはぎ(吉川食品)」、「アップルパイ(ナカヤ)」、「マカロン(プチ・トリフ山屋)」を少しずつ賞味していった。しかし、他に「クリームパフェ(あまとう みに)」や「レアチーズケーキ(カフェくるみる)」、「林檎ロマン(ほんだ)」、「ジェラート(岩瀬牧場)」、多くのカフェなどまだまだ多くの店があり一日では食べながら回りきれなかったのでこれから何度も来ることとした。

最後に一番大きな店舗の「北菓楼」へ昼食がてら車を止めた。

この店は50台の駐車スペースと可愛い庭園、店内は販売エリアと喫茶エリアに分かれており多くの地元客や観光客で賑わっている。

お土産は、自宅用に日持ちのする「開拓オカキ」「イタリアンミラノシュー」「バウムクーヘン妖精の森(厚さ4センチ)」、職場用に「バウムクーヘン妖精の森(厚さ6センチ)」とした。美波の友達へのお土産用に「天使の鈴」を追加した。

喫茶エリアで皮製のソファにくつろぎ「特製オムライス」「野付のすごい帆立のスパゲティ」「畑のスパゲティ」を注文した。

『オムライス』

大きく広げられた卵の上にケチャップがかかる懐かしい見た目。スプーンで一口分を取ると卵の下からじっくり炒められた道産牛やきのこの姿が見える。噛めば噛むほど北海道の食材の味が湧き上がる。日本人が好む醤油風味のガッツリ系のオムライスだった。

『野付のすごい帆立のスパゲティ』

北海道でも有名な道東の野付産の大きな帆立が贅沢に盛り付けられ、オホーツクの栄養分をたっぷりと含んだ帆立の濃厚な旨味が凝縮したクリームソースがスパゲティにからまった絶品の一品だった。

『畑のスパゲティ』

トマトソースのあっさりとしたスパゲッティで多くの北海道産の野菜をじっくりと時間をかけて煮込まれている。

全員でシェアをして平らげてから、ケーキセットをコーヒーと共に頼んだ。

3種類のケーキを選び、待っていると1プレートにケーキ1個、シフォンケーキ、ソフトクリームが飾られている。それはあまりにボリュームたっぷりで、体重が1キロは増えるとこの時全員が実感した瞬間だった。子供達はそんな心配もせず美味しそうに食べて機嫌が良かった。その後、全員満腹なお腹をさすりながら道央自動車道を走り札幌へ帰った。

(つづく)