はっちゃんZのブログ小説

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43.最初の夜

お風呂からでてスキンケアをした静香が和室に入ってきた。

慎一は部屋を暗くして布団を持ち上げて誘った。

彼女が布団へそっと入ってくる。

慎一が抱きしめると

慎一の胸の中で胸の前で両手を組み合わせ身体を固くしている。

「静香、怖くないよ、僕にまかせておけばいいよ」

『コクリ』とうなずき身を寄せてくる

「最初はこんな風に抱いて眠るだけでもいいよ」

『イヤイヤ』と顔を横に振っている。

慎一は最初優しく、次に強い口づけをした。

彼女からも応えるかのように口づけを返してくる。

慎一の背中に回された彼女の手が強く抱きしめてくる。

まだ身体からは弱い震えが伝わってくる。

 

カーテンの隙間から差し込む弱い光が壁に当たり、

それに反射し照らされた顔は上気している。

いい香りのする髪へ口づけをして耳元から襟足へ唇を移していく。

『ピクリ』と反応する。

身体から細かい震えは消えて、その反応が増えてきている。

慎一は焦らないで宝物を扱うように優しくそっと愛していった。

彼女の身体から余計な力が抜けてきている。

耳元でささやいた。

「静香、可愛い、愛してる」

『ピクリ』と反応し、

その言葉に応えるかのように抱きしめる力が強くなる。

 

彼女へ長い間経験したことのなかった感覚が訪れていることはわかった。

慎一はその長い時間を埋めるかのように優しくゆっくりと愛していった。

彼女の呼吸が少し荒くなってきている。

静香の抱きしめる力が弱くなり、手足から力が抜けてきている。

そっと背中から胸に手を回す。

一瞬、胸を隠そうと

手を持ってきそうになったがその手に力は入っていない。

パジャマのボタンをそっとはずしていく。

手の平にあまるくらいのしっとりとした乳房が揺れている。

そっと唇を近づけていく。

小さな乳首を含むと小さな声で『あっ』と震えた。

 

慎一が優しくパジャマを脱がしながら、

そのか細い背中や肩、首筋へ口づけをしていく。

唇が触れるたびに身体が反応していく。

パジャマが脱がされると彼女の顔を慎一の方へ向かせる。

ふたたび胸へ優しく口付けしていく。

慎一の手が胸から下へと移っていく。

彼女の手が慎一の手をそっと掴んだ。

「怖がらなくてもいいよ。すごく綺麗」

「でも、恥ずかしい・・・」

「大丈夫、僕に任せて、力を抜いてごらん」

『コクリ』と彼女がうなずいた。

 

彼女の身体から完全に力が抜けて慎一にすべてを委ねている。

自然と開かれた両足は慎一の手の動きに合わせて揺れている。

やがて二人は一つになった。

慎一を初めて受け入れた彼女から小さな声が漏れてくる。

ほんの少し抵抗があり、身体に少し力が入ったようなので気になった。

痛みのためなのか、気持ちの高ぶりのためなのかはわからなかった。

そのどちらとも思える。

少し寄せた眉、

閉じられた瞼の涙の跡に気がついた。

慎一はそっと口づけでその涙を拭きとった。

そのまま動かずにじっとして抱きしめていた。

やがて彼女から徐々に力が抜けてきて、慎一へ口づけをしてくる。

慎一はほっとしてゆっくりと動かし始めた。

そこからはとぎれることのない二人の時間だけが流れた。

 

優しく激しい愛の行為のあと

二人は額をつけたままじっとして口づけをして見つめ合った。

「静香、すごく好き、いつまでもこうしていたい」

「あなた、わたしも・・・あなたと一緒になれて本当に良かった」

「それは僕も一緒や、ずっとずっと二人で一緒にね」

「うん、ずっとずっと、約束よ」

「うん」

(つづく)