はっちゃんZのブログ小説

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22.幼い兄妹(きょうだい)の依頼 2

理恵子がシャワーを終えてスキンケアをしている。

しばらくすると電話が鳴った。

「はい、わかりました。もうすぐ伺います」

鏡台の椅子に座りながら子供の写真を見て泣いている。

おもむろに鏡台の引き出しから薬剤を出して含んだ。

そして部屋を出ていった。

 

ボスの趙に鞭で打たれながらセックスを強要されている。

「うちの人と子供たちは無事なんですか?いつ会えるの?お願いします」

「うーん、も少し待つ あるね」

「もう2週間も会えていないのです。お願いします」

「ははは、お前は子ともをうんたとは思えないくらいくあいいいね。

 お前のたんなのきぱ、いや孫には勿体ない女あるね。そうそうもっと鳴くよろし」

「お願いします。子供に・・・」

「しかし、おまえのたんな 許せないねえ、わたしのからた けかさせたね。

 地下て、反対かわになけられて いたかったあるね。許さないね」

「許して下さい。お願いします・・・」

「お前が もと私に奉仕したらすくに会わせる あるよ ははははは」

 

あまりにひどい話で百合に聞かせられないので概要をまとめるとこうなる。

理恵子さんは住み込みで働かされており薬剤(覚醒剤?)を服用している。

理恵子さんの夫は秘書の一人で通称『牙』と呼ばれている。

子供たちは2週間前からどこかに預けられており面会させて貰っていない。

趙はどうやらこの前の事件で地下道を逃げたボスであり、

その時警官と戦って趙を逃がした秘書は、理恵子さんの夫『牙』だというのだ。

その秘書『牙』も今はこの建物内にはいない状態だった。

子供たちの行方を探ることが急務と判断し、

ドローンに搭乗させているクモ大助を出動させ、ボスの部屋の外側に待機させた。

 

理恵子さんが部屋を出て行ったあと、趙はシャワーを浴びてベッドで眠っている。

携帯が鳴っている。

「何 ある?」

「ことも いなくなった? それはそうと きぱは しんたか?」

「ならいい。こともは放っておけぱいい。とうせ ふちのちゅかいたから死ぬあるね」

「おんなはこちらて処理するある。とうせくすりつけね」

『富士の樹海』と言われても非常に広過ぎて見当もつかなかった。

 

急いでRyokoに趙名義の建物を検索させた。

静岡県富士市から富士山へ向かうスカイライン途中の別荘がヒットした。

翔は、百合に事務所で状況を確認してもらうこととして急いで別荘へ向かった。

バトルバイクにサイドカーを付けて多くの道具も入れて発進した。

目的地まで約120キロ、

現段階でスピード違反をするわけにはいかないので法定速度上限ギリギリで走行した。

やがて目的地に近づいている表示がヘルメットに送られてくる。

理恵子さんは静かに眠っているようだ。

(つづく)