はっちゃんZのブログ小説

スマホの方は『PC版』『横』の方が読みやすいです。ブログトップから掲載されています作品のもくじの章の青文字をクリックすればそこへ飛びます。

15.ストーカー事件を解決せよ!3

都倉警部から前回の事件の被疑者の中国人リーダーの男が、

拘留中の拘置所の中で死んだらしいとの連絡が入った。

耳の中に細い毒針が刺さっていたらしい。

最近採用になった職員が1人だけいなくなっているので

きっとそいつの仕業だろうとの話だった。

警察としては、これが外部に漏れれば

誰か偉いさんの首が飛ぶほど大変なことで都倉警部も困っている。

新しい話題が必要だったので明日の夜に捕り物は開始されることに決まった。

彼女達へはその連絡をし、こちらの指示にしたがって動くようにお願いした。

 

下水道への逃げる道もふさいで一網打尽の予定だった。

地下室の爆弾部屋の存在が不気味だった。

爆発させればビル倒壊の上に誘拐された女性たちも無事では済まない。

爆発させないためには、今夜までに忍び込んで信管を抜く必要があった。

翔は午前中に下水道から侵入した。

下水道にはやはり大きなワニが飼育されているみたいに波打って泳いでいる。

振動棒の振動を当て催眠効果を発揮させ静かにさせて麻酔薬を打って捕獲していく。

10匹で終わったがこれは熱く臭く大変な作業だった。

地下道の向かい側の道までは5m近くもあり通常は渡ることができないはずだった。

この後、鉄製ドアの鍵を開けて地下室へ侵入し爆弾部屋へ向かった。

この爆弾はオクタニトロキュバンのプラスチック爆弾で、

500kgほど積まれていた。

もし爆発すればあたり100m四方は大変な被害が出ることになったはずだった。

設置された信管を抜き振動棒でバラバラにして使用不能とした。

ボスのチョウが来る夕方まであと1時間ほどだった。

百合に彼女達への指示内容を伝え、時間が来たら行動するように連携している。

 

翔は、まず3階の彼女達を保護しなければならなかった。

黒のバトルスーツセット(ヘルメット、ブーツ、ハンド)を装着し、

ビルの裏手からアンカー付のワイヤーを編んだロープを発射し屋上へ上がっていく。

 

ちなみにこのバトルスーツセットは、テロ教団事件の時から使用しているが、

軽くて防弾・防刃・防衝撃機能を持つすぐれものだった。

素材としては、

布部は超高分子量ポリエチレン繊維へ炭窒化チタンを吹きつけ編みこまれたもの。

プレート部は超高分子量ポリエチレン繊維を特殊な温度制御式超高圧プレス機で

圧着し硬度の高いプラスチックの板状にしている。

身体の前面にある急所、首筋・肩・ひじ・ひざ部分及び脊髄保護のための

プレートが入っている。

またプレート内側には衝撃吸収素材が貼られていて身体にショックは感じない。

ただし、繊維は高熱には弱いので注意する必要があった。

実はヘルメット、ブーツ、ハンドにはその他の機能を備えているが

今は説明している時間はないので割愛する。

 

屋上のドアを開けて4階への階段を下りていく。

敵は屋上からの侵入を想定してないので警報装置は設置されていない。

4階は大きな保冷庫が設置されている。

中を確認したかったが扉を開けると警報が作動するのであきらめた。

3階の廊下にはチーマーらしき若者が監視していると言うよりスマホで遊んでいる。

4階の階段から身を伏せて、そっと見張りの方向へ強度振動波を発信した。

百合から彼女達へ『そろそろ救出に向かうので安心するよう』連絡させている。

しばらくしてクモ大助からの情報を確認すると見張りは完全に眠りこけている。

翔は急いで見張りの両手両足と口と目に布製ガムテープを貼った。

きっと目のガムテープをはがす時は酷いことになるが

悪い事しているので仕方なかった。

3階の軟禁部屋の鍵を開けて彼女達を1室へ保護した。

鍵を内から掛ける様に指示した。

1階警備室を外から見張っているクモ大助2号からの信号では警備員に変化は無い。

(つづき)