はっちゃんZのブログ小説

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62.クリスマス (札幌テレビ塔にて)

七五三が済み子供が大きくなったと言っても、

大人の都合通り静かにしているわけではないので

今年のクリスマスも家の中でしたいと考えていた。

ただ慎一は以前から考えていた事で、

今年は「さっぽろテレビ塔」へ登り

夕方までに一度、暗くなってから一度、

高い場所から大通り公園を見てみたいと思っていたのだ。

さっぽろテレビ塔は、今年2月からリニューアルのため休止していたが、

4月にやっとリニューアルオープンとなったばかりで登っていなかった。

クリスマスシーズンになると

大通り公園自体が、大きなクリスマスツリーを模したものとなっている。

さっぽろテレビ塔をツリーの一番上の星として、その下に飾られる物は公園内のあらゆる場所で様々な形の物がネオンで飾られライトアップされている。

それらがテレビ塔の上から見ると公園全体がクリスマスツリーの形に綺麗にライトアップされているように見えるのだった。

さっぽろテレビ塔」は、札幌におけるテレビ放送開始を機に1956年(昭和31年)に建設され、地上からの高さは147.2mの建造物で、場所は札幌市街地の中心を東西に延びるグリーンベルトの大通公園の東端にあり、市街地を南北に流れる創成川べりに位置している。

ホームページから歴史を見ると、(作者編集)

1956年(昭和31年6月)  テレビ塔建設着工

    (昭和31年12月) 塔体が完成

1957年(昭和32年12月) 3階屋上プラネタリウムオープン

1958年(昭和33年7月)  皇太子殿下(今上天皇)、高松宮ご夫妻、ご来塔

1961年(昭和36年10月) テレビ塔の地上から60m(30階相当)に日本初の「電光時計」設置点灯

1962年(昭和37年10月) 3階屋上プラネタリウム業務廃止

1971年(昭和46年11月) 「第11回札幌オリンピック冬季大会」前に新設された札幌地下街

                [オーロラタウン(東西)・ポールタウン(南北)]のうち

                オーロラタウンテレビ塔地下西側が直結。地下1階映画劇場廃止。

1972年(昭和47年2月)  「第11回札幌オリンピック冬季大会」

1976年(昭和51年4月)  大通公園特設売店でトウキビ販売開始(札幌観光協会からの委託による)

    (昭和51年6月)  札幌市営地下鉄東西線(琴似―白石間)開業にともない、

               テレビ塔地下南側と地下鉄コンコースが直結

当日は、午後に家を出てタクシーを拾ってさっぽろテレビ塔へ移動した。

タクシーの窓からは春まで残る根雪が道路脇に積もっているのが見える。

今年は例年より早めに大雪が降ったため、子供を抱っこしての移動は大変だった。

テレビ塔では3連休の初日でもあり、クリスマス前でもあり、

海外からの観光客を始め高齢者も若い人もたくさん集まっている。

テレビ塔の周りには、手作りのアイスリンクが作られており、子供達も滑って遊んでいる。

雄樹と夏姫も同じ年齢の子供たちが遊んでいるアイスリンクに興味津々で

遊ばせてみるとヨロヨロしながらそっとリンクを歩いて喜んでいる。

テレビ塔のフロアガイドを見ると

地下1階には、グルメコートがあり、ラーメンや蕎麦、コーヒー専門店がある。

1階エントランスコートでは、

5月から着任した非公式キャラクター『テレビ父さん』のぬいぐるみが観光客と一緒に写真を撮っている。

そこにはショップがあり、『テレビ父さん』のお土産がたくさん並んでいる。

リンクで遊び飽きた子供たちはぬいぐるみに興味津々で近くでじっと見ている。

そして、ショップで売ってるテレビ父さんの小さなぬいぐるみを触って笑っている。

振ると『ボヨヨーン』と大きな音が出るので面白がってずっと鳴らしている。

その他エントランスコートには、雪印パーラーがあり客で賑わっている。

そこに立ってる幟には

 真っ赤なボディ

 緑の腹巻

 ピーンと立った一本ヅノ

 そしてチョビヒゲがチャームポイントです。

と謳っている。

この『テレビ父さん』のノホホンとした笑顔と腹巻と言う格好で

全く垢抜けしない感じが何か良かった。

それに細かいプロフィールというものが設定されていて慎一は気に入った。

以下はそのプロフィールである。

誕生日:昭和32年8月24日

身長:147.2m

体重:1000トン以上(最近測っていません)

仕事:テレビ塔

趣味:温泉と仕事が趣味ですな

特技:スキー(そこそこ)

好きな食べ物:ラーメン、カニ、ルイベ

好きな色:赤と緑

大切な物:家族

好きな街:札幌、ミュンヘン

好きな言葉:一期一会

長所:自分で言うのもなんですが、真面目なところでしょうか

子供達も何となく満足した感じになったので

エレベータに乗って3階スカイラウンジまで登る。

そこには洋食レストラン、スーベニアショップ、テレビ父さんのほほんパークと

3階スカイラウンジから約60秒で着く地上90.38mの展望台へのエレベーター乗り場がある。

ここは地上からは大して高くないが、窓からはテレビ塔周辺が良く見える。

ここから展望台までは有料であるため、家族分を買っていよいよ登ることとなる。

エレベーターから降りると展望台は観光客で一杯だった。

いよいよ展望台から札幌市を見渡した。

眼下には、

真っ白に染まる大通公園

遠くに見える青い日本海

雪に煙る石狩平野を背景に札幌市が静かに広がっている。

この光景だけでも上った甲斐はあるのだが、

夕方になって街へ灯りが入るとどうなるのか楽しみだった。

この日は珍しく展望台から3階スカイラウンジまで

点検時にしか使わない外の階段を使って降りていくイベントがあった。

ドアから出る前に子供達を暖かくして、

しっかりと背負って、展望台のドアから出る。

90.38mの高い場所のせいか吹く風は非常に強く

雪も吹き付けて来て耳が痛かった。

子供達も目を細めて不思議そうに外を見つめている。

点検時に作業員しか歩くことのない階段を使うという新しい試みは嬉しかった。

鉄骨の間から見える街の風景も目新しく感じた。

滑りやすい雪の積もる階段を注意して降りて行くとやがて3階に着いた。

3階のドアから入ると

エレベーターの降り口とテレビ父さんのほほんパークが目に入った。

少し身体が寒くなったので、洋食レストランへ入ってケーキや飲み物を頼んだ。

そこで夕闇が迫るまで過ごすつもりだった。

ゆっくりしていると徐々に窓の外が暗くなってきている。

街のビルの灯りが目立ち始めてきた。

瞬く間に夜の帳が下りてきた。

ホワイトイルミネーションが見え始めた。

地上から見上げた大通り公園内のネオンなどでライトアップされた物は

近くにあるためはっきりとはわからなかったが、ちょうどこの距離から見ると

それは金色のベルだったり、銀色の星だったり、赤と緑色のトナカイだったりと

元々想像していたが、それ以上に綺麗ですばらしかった。

この展望台からは、さっぽろ雪まつりYOSAKOIソーラン祭りなどのイベントも一望できるし、何度も来たいものだ慎一は思った。

搭乗記念としてライトアップされた大通り公園を背景に有料の家族写真を撮った。

みんないい顔で笑っている。

雄樹がちょうど昼間に買ったテレビ父さんの『ボヨヨーン』音を鳴らしたので、

全員爆笑で『はい、チーズ』代わりにちょうど良かった。

あと少しすると正月休みなので今年も北海道神宮へ参拝するつもりだった。