はっちゃんZのブログ小説

スマホの方は『PC版』『横』の方が読みやすいです。ブログトップから掲載されています作品のもくじの章の青文字をクリックすればそこへ飛びます。

2.乳児誘拐事件発生(第3章:みいつけた)

ある水曜日の夜中、乳児誘拐事件が発生した。名前:川崎 瑞希ベビー年齢:産後7日目場所:トウキョウマタニティクリニック発生時刻:午後8時に判明被疑者:カメラで確認するも不明。看護師の証言:ベビーの母親以外は出入りしていない。警察見解:クリニッ…

76.子供達の習い事とえこりん村

子供達の3歳の誕生日も過ぎたある夜、子供達も一日一日と大きくなってしっかりしてきたので、そろそろ習い事をさせて見ようという事になった。ネットで調べると近くのスポーツクラブに子供用の「水泳教室」や「新体操教室」などがある。とりあえず二人を父親…

1.公園にて(第3章:みいつけた)

季節はもう晩秋だが、今日は初秋の様な陽射しで気持ち良い日だった。都内のとある公園、さして広くもないが遊具の種類も多く、近くにマンションも多くあって、土日以外にもたくさんの親子の姿がある。その公園の片隅には刻まれた文字が削れてわからない上に…

17.真の敵との戦い2(第2章:いつまでも美しい女)

真美達に地縛されていた涼子と士郎は、ふらりと立ち上がり、その自縛陣の力を振り切り外へ出てきた。「キャア」 「キャーン・・・」真美とカイン、キイン、クインは、陣を破ったその衝撃で後ろへ吹き飛ばされた。床で倒れていた警備員は醜悪な顔つきとなり、…

16.真の敵との戦い1(第2章:いつまでも美しい女)

魔法王ソロモン王の瓶から取り出された胎児の頭部の骨に大天使ラファエルの癒しの水が捧げられて元の胎児の姿に戻り母親のお腹に戻った時、「うっ、ラファエルめ、 よくも俺様の依り代を・・・ 我の力の源が・・・ まさかあの女と同じ依り代とは思わなかった…

15.魔女の悲しみ、神父の罪(第2章:いつまでも美しい女)

翔が藤原と戦い始めた時から、遼真と真美は涼子と士郎の二人と向き合った。遼真と真美には見えていた。涼子と士郎の肉体には、腹部から血を流す女性と血に塗(まみ)れた神父の霊が憑依している姿が。それよりも二人に憑依した霊の背後に巣食う黒い霧が気が…

14.潜入、そして藤原との戦い(第2章:いつまでも美しい女)

儀式の始まるのは夜中の3時からである事はわかっているので、0時となり美真野邸の周りが寝静まってから潜入を開始した。先ずは悪霊に感知されないように強力な目隠しの結界御札を身体へ張り付けた。その時、なぜか須田さんは翔の胸ポケットに入る事を希望…

13.魔法陣、悪魔、地獄、天使、天界について(第2章:いつまでも美しい女)

バトルボックスカーコントロールルーム壁面のモニターへ士郎の発した言葉『暗黒十二宮召喚魔法』に関する情報が出てきた。この魔法陣は、円を12個に均等に分けて真ん中に小さな丸を作る。その各区画毎に(ただし真ん中の丸内は除く)、黄道十二宮の星座に…

12.捜査4(第2章:いつまでも美しい女)

海外からの情報が入手できた翌日に従兄の桐生 翔新宿探偵事務所内で潜入の検討を行った。美真野邸の警備は厳重でさすがに簡単には潜入できなかった。正面門に警備室があり、高い塀の上は、電気が流れる金網フェンス、フェンスの無い部分の上空は全て赤外線が…

11.捜査3(第2章:いつまでも美しい女)

家へ戻った遼真は美真野家の洋館について調べ始めた現在の社長美真野涼子が生まれる前の話になるが、あの洋館は美真野家の先代が、ヨーロッパのある国に出張したおり、当時洋館住んでいた貴族に食事会を招待され、豪勢な料理に年代物の美味しいワインを頂き…

10.美真野家の秘密2(第2章:いつまでも美しい女)

翌朝の食堂の掃除中に天丸1号を侵入させシャンデリア上部で夜まで待機させた。夜に再度バトルカーで同じ有料駐車場に停めて調査に入る。『今日は涼子社長が子供との入浴がある』との情報が昨夜明らかになったため、その時の会話を盗聴する事とした。それと『…

9.美真野家の秘密1(第2章:いつまでも美しい女)

翌日の夕方17時頃、大学の講義を終えた遼真と下校してすぐの真美は社務所奥の部屋で顔を合わせた。宮尾警部からは新しい情報が入った。多摩湖に沈んでいた園芸品は、日本でも数少ないヨーロッパ製で輸入品である事が判明し、取引業者も限られており、現在、…

8.霊査3 多摩湖周辺(第2章:いつまでも美しい女)

遼真は多摩湖の龍神様に教えられた建物に移動した。その場所は『クレオパトラグループ研修センター』と看板がある。白亜の豪勢な大きな建物で西洋の中世の趣を醸し出す研修センターだった。敷地も広く高い塀と高い木で囲まれている。建物の周りには芝生と遊…

7.捜査2 現場と竜神様(第2章:いつまでも美しい女)

須田が献血で何度も通った古いビルへ向かう。既にその古いビルは建て替えられており、後に『クレオパトラ美容クリニック』が建っている。調べると土地の持ち主はもう亡くなっており、その土地はクレオパトラグループの物となっている。登記上からは、古いビ…

6.捜査1 須田氏の人生(第2章:いつまでも美しい女)

昼前になって神社へ宮尾徳蔵警部と小橋光晴刑事は顔を出した。遼真は祈祷所内で二人へ写真を渡した。「えっ?宮さん、この女・・・」「そうだな、ほんの少し前に見てた顔だぞ」「そうなんですか?どなたです?」「美真野涼子、クレオパトラ化粧品の社長だ」…

5.美女の慈善家(第2章:いつまでも美しい女)

遼真から『昼前に神社に来てください』と連絡があったためそれまでの時間を警視庁迷宮事件係(通称038(おみや)課)の 宮尾徳蔵警部と小橋光晴刑事は、 部屋で渋茶を飲みながら何気なく古びたテレビを見ていた。 テレビでは、『秋は紫外線に注意』のテーマ…

75.北竜ひまわりの里

8月上旬、北海道の夏。日差しはそれなりに強いが気温も本州ほど高いものではない。年に数日間はクーラーが必要なほどの暑い日はあるが、空気がサラサラと乾燥していて、本州ではいつも気になる湿気が肌に纏わりつかないため日中でも非常に過ごしやすい。木…

4.霊査2 須田範宣氏の証言(第2章:いつまでも美しい女)

多摩湖から自宅へ戻った遼真と真美は、食事の後に早速準備に入った。祈祷所にはすでに小橋刑事が運んできた古いガーデニング製品と須田さんの霊が入っている|人形《ひとがた》を設置している。二人は水垢離をし身体を清めてから作業へ入った。先ずは須田さん…

3.霊査1 物に宿る記憶(第2章:いつまでも美しい女)

4人で乗って来たセダンタイプの車では湖底からの物を搭載できないため、小橋刑事が1人で別に車を借りて東京まで運ぶ事となり、小橋刑事がレンタカーで戻ってくるまでここで待つことになった。遼真は湖底から引き揚げられた物を駐車場から離れた林の中に置…

2.竜神様からのプレゼント(第2章:いつまでも美しい女)

やがて東大和市に入り、多摩湖が近づいて来た。遼真から「警部、多摩湖での捜査の前にお願いがあります。 多摩湖付近にある酒屋さんとその後必要な神社へ参拝したいのです。 多摩湖で霊とお話する事になりますから必要なんです。 大した時間はかかりません」…

1.多摩湖変死体事件(第2章:いつまでも美しい女)

季節は夏も終わり、警視庁迷宮事件係 通称 038(おみや)課の窓からは、少しずつ色付き始めた街路樹が見える。宮尾徳蔵警部は、紙コップに入った渋茶を一口飲んでそんな街を静かに見ている。「ふう、もう秋だな・・・」「そうですね。 宮さんがため息とか珍…

12.姉弟との戦い3(第1章:記憶喪失の男)

失神している萌斗男と梨奈はリビングルームの真ん中で並べられている。生霊が二人の上空で身体に入れずにウロウロしている。「じゃあ、真美、始めようか」「はい、遼真様、行きます。自縛印」と真美の両てのひらを自分へ向けて親指と人差し指で象られた逆三…

74.梅雨の晴れ間、定山渓へ2

ノースサファリサッポロで目の前で動く動物たちの怖いまたは可愛い姿に十分に堪能した。時間を忘れていたが、ふと時計を見るともう夕方が近づいてきている。子供達にトイレをさせて帰りの準備に入る。帰りのマイクロバスは、多くの人が待っており何台も送迎…

11.姉弟との戦い2(第1章:記憶喪失の男)

『天丸(てんまる)1号』より犯行開始の連絡があった。果たして・・・ベランダの上の空間に黒い影がぶら下がり、その影はブラブラと前後に振ってベランダへ降りた。スマホらしき電灯がサッシに照らされ、鍵が開いているのを確認しそっと入って来た。萌斗男は…

10.姉弟との戦い1(第1章:記憶喪失の男)

佐々木と佐智ちゃんの魂を無事霊界へ送ることができてホッとした3人だった。その時、『ピンポーン』と誰かの訪問があった。遼真がドアアイから覗くと宮尾警部と小橋刑事だった。急いで二人を招き入れて、今除霊中であることを伝える。驚いた宮尾警部は「邪…

73.梅雨の晴れ間、定山渓へ1

本州が梅雨の時期は、北海道とは言えそれなりに梅雨は訪れる。 ただ本州ほど湿気もなく温度も高くなく鬱陶しい雰囲気はない。 蝦夷梅雨の晴れ間のある土曜日、慎一は札幌近郊のドライブを計画した。 今の期間にちょうど定山渓温泉郷でライトアップイベントが…

9.記憶の世界へ3(第1章:記憶喪失の男)

佐々木は自分がなぜここにいるかを知った。夢美の術により自らの一生を夢で見たのだ。目覚めた途端、深い悲しみと後悔が生まれた。「俺は何て人間だったんだ。 こんな人間は死んで地獄に行くのが当然だ。 あの大切な可愛い佐智を悲しませてしまった。 あの智…

8.記憶の世界へ2(第1章:記憶喪失の男)

強盗事件当日の夜に元妻からの電報があった。佐々木が嫌な予感に襲われながら慌ただしく開いて読む。やはり娘の佐智が今日夕方4時に亡くなった内容だった。夕方4時と言えば強盗事件開始の時間だった。昨日朝に面会した時、少し顔色は悪かったが、一緒に行…

7.記憶の世界へ1(第1章:記憶喪失の男)

金曜日午前中に管理人さんへ土曜日の除霊の旨を連絡したが、『通いのため土日は休み』とのことで金曜日の夜に鍵を預かった。遼真は管理人さんがいないので何も気にせず十分に準備などができると安心した。土曜日9時に204号室へ入り、8畳間からトイレや風呂…

6.304号室の二人(第1章:記憶喪失の男)

『夢見術』の日程は決まったが、生霊への対応が難しかった。生霊は本体が生きてる人間のため、通常の霊と比較にならないくらい力が強かった。もし『夢見術』の間に佐々木さんの霊領域へ侵入され暴れられれば、佐々木さんは元より真美・夢花の霊体が傷つくこ…