はっちゃんZのブログ

スマホの方は『PC版』『横』の方が読みやすいです。ブログトップから掲載されています作品のもくじの章の青文字をクリックすればそこへ飛びます。

10.独立への一歩

大学1・2 年は基礎科目の授業ばかりで、 オリエンテーションでの説明では、「人間と文化」「社会と人間」「自然と環境」「知の基礎」「健康科学」の5つの系に分かれて、それに付随する形で、文学,哲学,心理学,歴史学,社会学,社会思想史,化学,生物学…

48.翔、久々に実家へ帰る1

4年生の春休みに桐生本家の爺さんから『一度戻ってこい』と翔へ連絡があった。 本家の桐生家は江戸初期より続く武門の家柄である。 桐生一族は、徳川幕府北東(丑寅の方角)守護を任務とし、最強の一族として将軍家から信頼されていた。明治以降、市井に紛…

9.美波、学生生活スタート

ここで時間は1年前にさかのぼる。 美波は1999年4月に小樽商科大学に入学した。 大学の講堂では狭いため、 入学式は小樽市内の市民講堂を使っての大掛かりのものだった。 新入生には両親や祖父母まで一緒に来て 全員で大喜びしているのを見て、 少し羨ましく…

47.百合、実家で相談する

翔との初めてのキスの後、百合は葉山の実家に戻り 頭首の妻である悠香へ翔との付き合いを相談した。 さすがに百合も自らの家柄は知っているので 付き合う相手が誰でもいい訳ではないことを理解している。 悠香へ彼との出会いから今までをキス以外は全て話し…

8.YOSAKOIソーラン祭り

梅雨のないカラリと晴れた6月上旬、北海道が熱くなる。 初夏の札幌を鮮やかに彩る『YOSAKOIソーラン祭り』が開催されるからだ。 慎一の本店の屋上からは祭り会場が見えるため 一部の社員が総務に内緒でビール片手に自家製ビアガーデンを開いている。 …

46.初めてのくちづけ

「お化けアパートの怪事件」解決後、 ふと学生時代の百合とのことを思い出した。 ある日の夕方、 翔がアパートへ向かって歩いているとミーアが走ってくる。 不思議に思い抱き上げるとミーアは何かを知らせるように鳴いている。 アパートの鍵を閉めているのに…

7.美波の誕生日

美波の誕生日は5月19日の金曜日だったので 翌日の土曜日20日に20歳のお誕生会をすることとした。 まさか北海道で娘の20歳の誕生日を一緒に祝えるとは思ってもいなかったからだ。 場所はJRタワーホテルにある有名なフレンチレストランを予約した。 エレベー…

45.お化けアパートの怪 6

「・・・翔、お願い、目を開けて、翔・・・」 百合の必死の声が聞こえてくる・・・ 頬に落ちる水滴にふと気づくと目の前に百合がいた。 翔はバトルカーの近くの路上へテレポートしていた。 全身がバラバラになりそうな痛みが襲ってきた。 警部へ急いで連絡を…

6.二人でコーヒー

ある土曜日に札幌市を一望に見渡せる藻岩山をロープウェイで登った。 展望台からは日本海や札幌市の街並みの全景が綺麗に見えている。 夜景だったらどんなに綺麗だろうかと感じた。 下山してきた場所に喫茶店があった。 『ろいず珈琲 旧小熊邸』 外側にはテ…

44.お化けアパートの怪5

翔は屋敷の庭から入って行った。 泥棒夫婦にわからないようにそっとつけていく。 泥棒夫婦は、下水道への道のレンガ積みをゆっくりと剥がしていく。 川口組の残党と合流するまで彼らは地下通路で待っている。 やがて残党組の10人が夫婦に近づいてきた。 翔は…

5.初出勤

月曜朝早く目覚めた。 新聞を読み、朝ご飯を食べて、手作りのネクタイをきゅっと締めて部屋を出た。 妻の『いってらっしゃい』の声を背中に受けての気合いの朝だった。 新たに発足する新銀行『六花銀行本店』は大通公園に面する北側の通りにある。 銀行に着…

43.お化けアパートの怪4

翔は、泥棒二人が寝静まった頃、そっと地下道へ降りて行った。 ゴーグルには赤外線や紫外線感応画像が流れていく。 こんな大きな地下道をよく二人で掘り進んだものと感心した。 ちょうど爺さんの部屋の下辺りに来ているが、 柔らかい土が落ちてきている。 泥…

4.慎一の自覚と不安

慎一は妻から妊娠の事実を告げられた時、 いつかそうなるとわかっていたが、 その瞬間はどう考えていいのかわからなかった。 自分とは異なる人間の中に自分の半分と同じ人間がいるという不思議な感覚だった。 『あなたの赤ちゃんが欲しい』と言っていたので…

42.お化けアパートの怪3

「ねえ、あんた、まだなの?もう1ヶ月以上も掘ってるのよ」 「周りに気付かれないように掘り進んでいるから待て、あと少しのはずだ」 男は地図を広げて説明している。 地図には銀行の地下金庫への通路が描かれている。 「あんたが、地下道が崩れないように…

3.美波の戸惑い

美波は部屋を大体片付け終わったので昼前に小樽へ帰った。 電車の中で昨夜の双子ちゃんのことを思い出し、 お母さんが今の私と同じ年齢で身ごもったことを思い出した。 私が生まれて数年暮らしてお父さんが亡くなり美波を一人で育てた。 それは今の自分には…

41.お化けアパートの怪 2

何日間か待ったが一向にその怪現象は起こらなかった。 3日も経った金曜日の夜中、爺さんの部屋でじっと待つ。 爺さんは亡くなった奥さんの写真に向かって手を合わせて拝んでいる。 ふと郵便受けに奥さん名の年金振込書が入っていたことを思い出して 「奥さ…

2.初めての胎動

ホテルでの夕食後美波が部屋で片づけをしている。 慎一はテレビを見ながら静香と二人でゆったりとお茶を飲んでいる。 美波は明日の昼には小樽へ戻るそうだ。 慎一はしみじみと妻を見た。 最近の静香は新婚旅行当時と違って、 さすがにお腹もふっくらとしてき…

40.お化けアパートの怪 1

ある日、小汚い爺さんが、新商売「オールジョブ」へ現れた。 事務所の中を見回しながら、 「探偵事務所と聞いたのに違ってるね・・・」 「は?はい、以前ここにありました事務所は閉められたようです。 もし私どもに何かできることがあれば・・・」 「うーん…

1.札幌へ

新千歳空港のボーディング・ブリッジへ慎一と静香は降り立った。 3月末にも関わらず、空港の周辺にはまだ雪が残っている。 ブリッジを流れる空気が肌を引き締める。 北の都の春はまだまだ遠い。 JR快速エアポートに乗り札幌市を目差す。 窓の曇りを掃うと…

39.オレオレ詐欺団を壊滅せよ 5

都倉警部に連絡し状況を話し、暴力団担当と連携することとなった。 また翔の情報を警察内部でも秘密にしてくれるように依頼した。 警部はそのネット情報を聞いて、 百合の身の安全も考えて了承してくれた。 警察内で翔を知っている者には、 探偵事務所は畳ん…

38.オレオレ詐欺団を壊滅せよ4

翔は噂が気になった。 急いでRyokoに検索させた。 過去の事件解決に関しては、 超人的な武術を駆使して悪党を倒す探偵が関与しているとされている。 近くで見た人間は、大柄な身体に若そうな雰囲気で、 黒いヘルメットだったので顔はわからなかったと言って…

47.業界再編への動き、そして 

北海道から帰ってきて二人だけのおだやかで楽しい生活が始まった。 美波が小樽へ旅立ってからここ数か月、さざなみを閉めている。 慎一は夜だけでなく昼も家に帰って食べるようになり、 帰宅するといつも静香にずっといて欲しいと思うようになった。 ある日…

37.オレオレ詐欺団を壊滅せよ 3

弁護士役の男はアパートへと帰って行く。 部屋には彼女がいるらしく。愚痴を言っている。 「しょうがないじゃない、あなたが浮気したんだから」 「俺は、嵌められたの」 「はいはい、わかったわ、でもしたことは確かよね?」 「う、うん、そうだけど」 「だ…

46.新婚旅行、娘と、2

翌日、小樽観光を満喫した。 「小樽運河クルーズ」や「北一硝子」などを回り 休憩では「ルタオ本店」を目指した。 有名なこの店の人気商品『ドゥーブルフロマージュ』を食べるためだった。 慎一はコーヒー、静香と美波は紅茶を頼み、ケーキセットを頼んだ。 …

36.オレオレ詐欺団を壊滅せよ 2

聞き耳タマゴからは事務所内の声が聞こえてくる。 「お疲れ様、佐藤、今日の金をここに出せ」 「はい、木村さん、今日は300万です」 「婆さん、どうだった?もう1回くらい引っ張れそうか?」 「はい、そうですね。まだまだ大丈夫でしょう。大きな屋敷だし」 …

45.新婚旅行、娘と、1

新婚旅行は美波もいる北海道と決めて6月に出発した。 北海道は梅雨のないカラリとした気候で、 確かに冬は寒いかもしれないが その過ごしやすさに夫婦は大変気に入った。 そして今後、定期的に娘と会いがてら観光に来ようと決めたのだった。 千歳空港からは…

35.オレオレ詐欺団を壊滅せよ1

朝早く事務所の電話が鳴った。 翔が急いで出るといつものお婆さんからだった。 事務所へ直接出向いて話を聞いてもらいたいとの依頼だった。 お婆さんの家は大きな屋敷だが、翔と話をするのが楽しみみたいで いつも電気修理や棚の取り付けなど他愛もない用事…

44.相性

二人は早々にマンションを借りて引っ越した。 今度のマンションも家具付きの部屋なので箪笥などは少なくて済んだ。 最上階3LDKで大山が綺麗に見える部屋だった。 4月になり慎一はまたもや多忙な日々が続くが、 家へ帰るのが楽しみだった。 仕事を終えて…

34.桐生事務所ビル改築

ある日、ビル所有者の葉山不動産からビルを改築・改装する連絡がきた。 もちろん探偵事務所は開いたままでいいと言われており突貫工事で一気にするらしい。 百合から聞かされた話によると、 現在の百合のマンションの部屋は このビルの最上階へ引っ越すこと…

43.最初の夜

お風呂からでてスキンケアをした静香が和室に入ってきた。 慎一は部屋を暗くして布団を持ち上げて誘った。 彼女が布団へそっと入ってくる。 慎一が抱きしめると 慎一の胸の中で胸の前で両手を組み合わせ身体を固くしている。 「静香、怖くないよ、僕にまかせ…