はっちゃんZのブログ小説

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2022-01-01から1年間の記事一覧

12.姉弟との戦い3(第1章:記憶喪失の男)

失神している萌斗男と梨奈はリビングルームの真ん中で並べられている。生霊が二人の上空で身体に入れずにウロウロしている。「じゃあ、真美、始めようか」「はい、遼真様、行きます。自縛印」と真美の両てのひらを自分へ向けて親指と人差し指で象られた逆三…

74.梅雨の晴れ間、定山渓へ2

ノースサファリサッポロで目の前で動く動物たちの怖いまたは可愛い姿に十分に堪能した。時間を忘れていたが、ふと時計を見るともう夕方が近づいてきている。子供達にトイレをさせて帰りの準備に入る。帰りのマイクロバスは、多くの人が待っており何台も送迎…

11.姉弟との戦い2(第1章:記憶喪失の男)

『天丸(てんまる)1号』より犯行開始の連絡があった。果たして・・・ベランダの上の空間に黒い影がぶら下がり、その影はブラブラと前後に振ってベランダへ降りた。スマホらしき電灯がサッシに照らされ、鍵が開いているのを確認しそっと入って来た。萌斗男は…

10.姉弟との戦い1(第1章:記憶喪失の男)

佐々木と佐智ちゃんの魂を無事霊界へ送ることができてホッとした3人だった。その時、『ピンポーン』と誰かの訪問があった。遼真がドアアイから覗くと宮尾警部と小橋刑事だった。急いで二人を招き入れて、今除霊中であることを伝える。驚いた宮尾警部は「邪…

73.梅雨の晴れ間、定山渓へ1

本州が梅雨の時期は、北海道とは言えそれなりに梅雨は訪れる。 ただ本州ほど湿気もなく温度も高くなく鬱陶しい雰囲気はない。 蝦夷梅雨の晴れ間のある土曜日、慎一は札幌近郊のドライブを計画した。 今の期間にちょうど定山渓温泉郷でライトアップイベントが…

9.記憶の世界へ3(第1章:記憶喪失の男)

佐々木は自分がなぜここにいるかを知った。夢美の術により自らの一生を夢で見たのだ。目覚めた途端、深い悲しみと後悔が生まれた。「俺は何て人間だったんだ。 こんな人間は死んで地獄に行くのが当然だ。 あの大切な可愛い佐智を悲しませてしまった。 あの智…

8.記憶の世界へ2(第1章:記憶喪失の男)

強盗事件当日の夜に元妻からの電報があった。佐々木が嫌な予感に襲われながら慌ただしく開いて読む。やはり娘の佐智が今日夕方4時に亡くなった内容だった。夕方4時と言えば強盗事件開始の時間だった。昨日朝に面会した時、少し顔色は悪かったが、一緒に行…

7.記憶の世界へ1(第1章:記憶喪失の男)

金曜日午前中に管理人さんへ土曜日の除霊の旨を連絡したが、『通いのため土日は休み』とのことで金曜日の夜に鍵を預かった。遼真は管理人さんがいないので何も気にせず十分に準備などができると安心した。土曜日9時に204号室へ入り、8畳間からトイレや風呂…

6.304号室の二人(第1章:記憶喪失の男)

『夢見術』の日程は決まったが、生霊への対応が難しかった。生霊は本体が生きてる人間のため、通常の霊と比較にならないくらい力が強かった。もし『夢見術』の間に佐々木さんの霊領域へ侵入され暴れられれば、佐々木さんは元より真美・夢花の霊体が傷つくこ…

72.旭川にて3-彼からのお祝い-

注意: ここに出て来るレストランは、恋人の美波のために奮発して予約した店ですが、残念ながら作者はまだ行ったことはありません。いずれは行きたいと思っているお店です。従って料理に関しては、お店のホームページなどネット情報を基に作成しておりますた…

5.霊を見る力。記憶を見る力。(第1章:記憶喪失の男)

太古の昔、人が群れを作り始めた頃から、神又は霊の姿の見える者、その声を聞くことの出来る者が、神の代理人として集団を率いた。その時代、神又は霊の住む世界と交信できる者だけが、群れを正しい方向へと導くことができるとされた。ここヤマトの国ではヒ…

4.捜査開始(第1章:記憶喪失の男)

目黒の自宅(社務所)へ帰った遼真と真美は、家政婦のウメさんが作った晩御飯を食べて居間でゆっくりとした。このウメさんは、桐生一族の人間で霊感が強く、卓抜した家政婦能力の女性で、実は薙刀や棒術の名人の腕前で今まで泥棒を何度も捕まえた事がある。…

71.旭川にて2-初めての彼の部屋-

昼食も終わり三浦綾子記念文学館を出て、 『夕方まで時間あるから、晴れてるし次は青い池にでも行こうか』と思っていたら、 突然美波が、 「ねえ、前田さんのお部屋ってどんなところなの?」 「えっ?普通のマンションだよ。2LDKかな」 「ねえ、今まで一…

3.男との対話(第1章:記憶喪失の男)

管理人さんが居たのでなかなか話は出来なかったが、部屋の中に居た時に、遼真と真美はこの部屋で亡くなった男の姿が見えていた。部屋の床と壁を何度も何度も見ながら歩いている。遼真と真美の視線に気づくと不思議そうにじっと見てくる。特には悪意は全く感…

70.旭川にて1-三浦綾子記念文学館-

前田さんからメールで『今度の土曜日の夕方に美波さんの内定のお祝いをしたい』との連絡があった。彼も新しい職場にもやっと慣れたみたいで美波はホッとしたものだった。|義父《ちち》もそうだったし、年度始めは非常に忙しい上に、特に4-6月は、担当者へス…

2.おみや課刑事登場(第1章:記憶喪失の男)

第1章記憶喪失の男の第2話です。

1.新生活(第1章:記憶喪失の男)

第1章:記憶喪失の男 最初は事故物件の物語です。

69.友人と内定のお祝い

父の勤務する六花銀行への内定が無事決まった美波は、急いで彼に電話を入れた。彼は非常に喜んでくれて、『ぜひともお祝いをしたい』と言ってくれている。ただ彼はこの4月から新しい部署への異動となり、初めて一緒になった同僚や新しい得意先ばかりで毎日が…

68.美波内定のお祝い

先週の滝ノ上芝ざくら公園で楽しんだ後に 美波から内定の嬉しい話があったので今週土曜日はお祝いの予定だった。 最近、静香の初めての投資がうまくいっており、 持っていた通信関係の会社が高くなって株式分割をした上に、 すぐに株価が2倍へ育ったため、半…

67.童話村たきのうえ芝桜まつり

5月中旬が近づいてくると街中の家々の花壇にもそろそろ芝桜が咲き始める。 この花は首都圏では山梨県河口湖で開催される「富士芝桜まつり」でも有名だが、 北海道では全道の街中で咲き誇る道民に愛される花である。 芝桜とは 学名:Phlox subulata 和名:シ…