近隣のパーキングに車を停めて記念館へと入って行った。
棟方志功氏は、『おれは日本のゴッホになる』と言って有名になった、
板画家で20世紀の美術を代表する世界的巨匠の一人とされている。
青森県出身で1903年(明治36年)に刀鍛冶職人の三男として生まれ、1975年(昭和50年)に亡くなった。
幼少の頃、囲炉裏の煤で眼を患い極度の近視となった。そのため眼鏡が板に付く程に顔を近づけ、軍艦マーチを口ずさみながら板画を彫ったらしい。
第二次世界大戦中、富山県に疎開したおり浄土真宗にふれた事が大きく作品へ影響しており、その心情が「阿弥陀如来像」「蓮如上人の柵」「御二河白道之柵」「我建超世願」「必至無上道」など仏を題材にした作品を生み出した。
自らの身の小ささ、無力さを自覚して仏への帰依する心を作品にしている。
青森県下の学校では版画の授業が多く、今でも棟方志功氏を偲んでいるらしい。
版画作品には彼の魂がこもっているかのように、炎が燃え上がるような荒々しいタッチの中にも、映し出される仏の優しい眼差しや指先が特徴的だった。
この記念館は校倉造を模した建物で、池泉回遊式の閑静な日本庭園と調和の取れた形となっている。代表作「釈迦十大弟子」等の板画を展示する他、倭画、油画、書など多数の展示があって、特に初期の代表的作品の殆どを収蔵しているのが特徴と説明されている。ただ展示されている作品数としてはそれほど多いものではなく、以外と少ない印象が残ったが、作品を一点一点じっくり見てほしいという作家自身の意向が反映されていた。
そろそろ青森国際ホテルのチェックイン時間に近いため、
車をレンタカー会社へ返してからホテルへ向かった。
今回はダブルのツイン1部屋にデラックスシングル1室の予約を取っている。
美波にも今日はゆっくりと眠れるようにと一人部屋を用意した。
まだ明るいし「祭りの開始の合図」がある19時10分まで時間があったので
早めにホテル内の中華レストランで夕食をとった。
せっかくなのでみんなでシェアできるように
「カニとエビの蒸し餃子」「上海蟹小籠包」「大エビのチリソース」「麻婆豆腐」
「卵炒飯」「五目そば」「鮑と貝柱の炒め物」を頼んで、丸テーブルに並べてシェアした。
海老のプリプリ感、上海蟹の甘さ、鮑と貝柱の旨味、舌を刺激する辛味と甘さで
五感を刺激する
デザートは「杏仁豆腐」「リンゴシャーベット」で締めた。
(つづく)