はっちゃんZのブログ小説

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30.局アナ盗撮事件を解明せよ 3

翌朝、事務所へ出るとRyokoが検索結果を出していた。

やはり合成技術の該当者は、TSV(東京スーパーテレビ)の人間だった。

百合へ事件経過と状況証拠を伝え、

仮に山本アナから連絡が入った場合の答え方について打ち合わせた。

決して彼女に調査していることを悟られてはならなかった。

 

山本アナは、朝早く家を出て

ニュース番組の打ち合わせなど夜遅くまで仕事をしている。

ある水曜日の夜、おめかししてタクシーで会社を出て行った。

翔は、バイクに乗って300メートルほど離れて尾行する。

新宿のとある料亭へ入っていく。

政財界の大物が集まる店と評判の料亭だった。

場所を突き止めたので百合に連絡すると、

ちょうどアスカがメンテナンスで事務所にいたので

バトルカーに乗って来て貰いバイクと交代した。

バトルカーを近くのコインパーキングに停め、トランクからドローンを発信させた。

ドローンで透視撮影をしながら、クモママを屋根瓦へ投下した。

ドローンをトランクへ格納しクモママの操作に没頭した。

まだ食事の時間帯なので衾は開けられている。

透視画像から考えて山本アナと思われる女性のいる部屋が確定できた。

早速クモママを移動させた。

 

山本アナはお茶にも手をつけず待っている。

ニュース原稿を見ている時と違い、綺麗に化粧をして色気ムンムンだった。

クモ助も出動させ、部屋の入口の天井で待機させた。

やがて女中に先導されて1人の男が現れた。

顔の写真を撮ってRyokoに解析を依頼する。

いつものようにクモ助を男の背中へ落とし襟足に隠れて待機させた。

背広はすぐに脱がされて部屋の隅にある洋服入れへ仕舞われた。

クモ助はオナモミ型盗聴器『聞き耳タマゴ』を襟元の繊維へ仕込んだ。

次にその隣に吊られている山本アナの服の襟元にも仕込んだ。

あとはそっと影へ隠れて女中が料理を持って入ってくる時に

衾の合わせ目から脱出してクモママまで戻ってくるだけだった。

この『聞き耳タマゴ』にはGPSも入っているので

この男と山本アナの今後の場所はすぐわかることとなった。

 

Ryokoからの解析結果が送られてきた。

相手の男は、白川アナが移籍すると噂されている

YHT(ヤエスハッピーテレビ)の副社長 山谷越太郎だった。

夕食が終わりタクシーに乗ってホテルに移動すると一戦が始まった。

山本アナは少女っぽい部屋に住んでいるだけあって、

いつもより少し高めのアニメのような声で甘えて副社長へ奉仕し始めた。

「奈々って呼んで下さい。私の事をいつものようにお好きにして下さい」

「奈々、そうかそうか、わしが元気になるまで泣けよ、ははは」

『パシッ、パシッ』

「はい、あっ、痛い、もっとお願いします、もっと・・・」

「ははは、どうだ、どうだ」

「あっすてき、もっと強くお願いします。もっとそこに当たるようにお願い」

「こんな大事なところをいいのか、わかった、ははは」

「あっ、あっ、あっ・・・」

こんな時間がずっと続きやっと終わった。

「ねえ、副社長、いつに私を引き抜いてくれるの?」

「専務派の白川を潰してからだな」

「あの写真が出たら、もう駄目じゃないですか?

 ましてや専務に抱かれている写真を公表されてるし」

「そうだな、あいつは最近落ち着きがなくなって、

 俺に何を言われるか心配みたいだな」

「あと少しね。今、警察の紹介の探偵に頼んでるけど

 頼りなくてわからないと言ってる」

「あいつの技術はすごいもんじゃ、さすがに誰もわからないだろうなあ」

「ええ、あとは白川アナを潰すだけ」

「佐々木アナにはかわいそうなことをした、お前もひどい女よなあ」

「いいのよ、私に並ぼうなんていい気になり過ぎなの、男も知らない癖に」

(つづく)