はっちゃんZのブログ小説

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71.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ6

店の近隣駐車場へバトルカーを待機させ、

夜中にはドローンを飛ばしX線撮影にて建物情報を調査した。

隠し部屋らしき怪しいところは見つからなかった。

クモママから派遣したクモ助の聞き耳タマゴからは

対象が女子高生であったため深い情報は取れなかった。

更なる情報を求め、

クモママを事務所裏口の真上にある換気口へ移動させ、

いつでも出入する者に貼り付けるようにクモ助を待機させることとした。

事務所内に待機しているクモ大助との連携を取るつもりだった。

 

「それはそうとあっちの方、A班・・・は順調なのですか?」

「あまり詳しくは知らないけどそうなんじゃないか?

 でも最近、線路に逃げる奴が増えてきているようだよなあ」

「それと何か関係あるのですか?」

「よくわからないが、逃げられたら売上げにならないと

 ニュース見たボスが独りごと言ってたなあ」

「ふーん、あまりわからないけど。売上げにならないと

 またいろいろとこっちに言ってきますねえ」

「そうだろうなあ。

 でもこちらは生身の女と縁のない寂しい男からコツコツと釣ってるだけだから」

「しかし、不思議な機械ですよねえ。全く原理がわからない」

「まあ、物理の天才の生身嫌いの学生の発明だけど。

 あれと天才は紙一重というのは本当だな」

「そうですね。生身を目の前にして、

 あの機械でしてもらうのが好きってんだから、本当に変な奴ですよねえ。」

「あの機械試してみたけど、不思議だった。本当にしてるみたいだったぜ」

「そうなんですか」

「ああ、あそこがきゅっと締め付けられて、こう動くんだ。

 最後には思わず出てしまったぜ」

「へえ、そりゃあ不思議ですねえ」

「まあ、あの箱の中にセクサロイドと同じ物が入っているらしいけど・・・」

「だけど、あの触られる感触は・・・逆に怖いですねえ」

「もう何でもありの世界になりつつあるのかねえ。でもやはり俺は生身が好きだなあ」

「俺もです。でもへたな女よりはうちの機械が勝ってるような気がしますがねえ」

「そうだろうな。だから毎日毎日これだけの客がくるのだろうなあ」

「お陰でボスに喜ばれるということですね」

「そうだな」

「それはそうと、今日は組に顔を出す日ではないですか?」

「そうだった。ちょっとお金の準備してくる」

「へい、お気をつけて」

 

男は神田駅前にある古いビルへと入っていく。

どうやら3階のフロア全体を借りているようだ。

早速クモ大助をビル壁面の換気口、

クモママをビルの出入口上部の換気口へ待機させ調査を開始した。

(つづく)