はっちゃんZのブログ小説

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48.函館観光2

函館山からの夜景を見て、

その光景を惜しみながらも急いでホテルへと向かう。

夜景観光を念頭に遅めの夕食を予約しているので食事が楽しみだった。

今夜宿泊する「湯の川プリンスホテル渚亭」は、

露天風呂付きの和室で今までのホテルとは違っている。

温泉は24時間湧いているのでいつでも入れるし、他人の目を気にしなくて済む。

 

美波は大喜びしながら、『先ずは』と温泉に足をつけている。

「気持ちいー」という弾んだ声が聞こえてくる。

子供達は抱っこから解放されて、

得意の四つん這いで畳の上を活動している。

静香は荷物整理をしながら『お腹すいたわねえ』と独り言が聞こえる。

「リーン」と部屋の電話が鳴る。

夕食の案内電話だった。

 

個室へ案内されて、ふすまを開けると

テーブルの上には色とりどりの多くの料理が並んでいる。

それを見るみんなの瞳がキラキラと輝いている。

仲居さんが

「これ以外のお料理は、あちらのバイキングコーナーからお取り下さい」

さっそくバイキングコーナーにも顔を出すと食べ切れないくらいの種類の料理が並んでいる。

生の海産物に関しては、ラビスタ函館ベイで食べているので驚きはないが、

テーブル上に盛られた刺身も新鮮で歯ごたえといい甘さといい秀逸だった。

特にイカはやはり夜のものが、身の甘さが倍増されて慎一には美味しかった。

焼き物、地元野菜の煮物、汁椀など子供に食べさせながら平らげていく。

あらかた料理を食べて、バイキングコーナーへ行き、

デザートのフルーツ盛り合わせとミニケーキ盛り合わせ、ジュース、コーヒーを飲む。

子供達もお腹いっぱいになり、活発に部屋中を動いている。

 

部屋に戻ると静香から声を掛けられた。

「あなた、先にお風呂に入って下さい。今日はお疲れ様でした。

 私はあとで美波とこの子達と一緒に入りますから」

言葉に甘えて1番風呂を貰う。

泉質は塩味で加水・加温をしていない源泉100%の温泉と説明されている。

温泉は部屋の海側に作られており、

部屋とはガラスの壁で仕切られている。

洗い場がおよそ畳2畳の面積でシャワーが付いており

浴槽はおよそ畳1.5畳の大きさで深さは70センチ程度、

浴槽内に段になっている場所があり半身浴もできる。

海側の窓ガラスは無く、セメントでうっただけの壁で

高さ1間、幅半間(90センチ)で切り取られており、

その切り取られた空間からは

夜の津軽海峡にポツンと浮かぶイカ釣り船の灯りが光っている。

湯気にほのかな潮の香りが混じっている。

このホテルの海岸部分は、プライベートビーチとなっており

人間が歩くことができないので、女性も安心して部屋の温泉に入り

その風景を見ながらゆっくりと過ごせるのだった。

(つづく)