はっちゃんZのブログ

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小説3:さざなみにゆられてー北海道編ー

さざなみにゆられて-北海道編-

小説期間:2000年平成12年4月1日~ あらすじ: 美波は写真集で見た富良野などの北海道の雄大な風景に憧れ、 自分のことを全く知らない人の街で暮らしてみたいと北海道の大学を受験。 小樽商科大学に無事合格し義父の影響で銀行員を目差す。 両親は米子にいた…

14.雪のイベント

2月の北海道は、全エリアで雪の行事が盛り沢山だ。 札幌市では『さっぽろ雪祭り』が2月上旬から中旬にかけて開催される。 その同じ時期に小樽市では『小樽雪あかりの路』が開催される。 その他近隣では、『支笏湖氷爆祭』『層雲峡氷爆祭』『旭川冬まつり』な…

13.ゲレンデ

北海道の雪は、「ユキムシ」がその訪れを知らせ、 遠くに見える高い山が「初冠雪」し、 街中に「初雪」が降り「初積雪」となり春まで「根雪」となる。 12月には背丈以上の雪壁が出来て小樽の街も大学も白く染まる。 テニスサークルがウィンタースポーツサー…

12.サークル

大学の講義も最初は高校時代の延長なのでそれほど難しくはなかった。 サークルはとても楽しかった。少しずつ友達も増えてきている。 みんな受験から解放されての大学生活なので大いに羽を伸ばしている様子だった。 土日の休みには女の子同士で札幌市へ出掛け…

11.母の再婚と強がり娘

入学してしばらくすると母から電話があった。 「美波、実はね・・・日下さんとね?うーん、あのね」 「結婚するんでしょ?」 「えっ?なぜわかったの?」 「お母さんを見てたらわかるよ。お母さん、良かったね。今度はおじさん、 いや、お父さんだった、お父…

10.独立への一歩

大学1・2 年は基礎科目の授業ばかりで、 オリエンテーションでの説明では、「人間と文化」「社会と人間」「自然と環境」「知の基礎」「健康科学」の5つの系に分かれて、それに付随する形で、文学,哲学,心理学,歴史学,社会学,社会思想史,化学,生物学…

9.美波、学生生活スタート

ここで時間は1年前にさかのぼる。 美波は1999年4月に小樽商科大学に入学した。 大学の講堂では狭いため、 入学式は小樽市内の市民講堂を使っての大掛かりのものだった。 新入生には両親や祖父母まで一緒に来て 全員で大喜びしているのを見て、 少し羨ましく…

8.YOSAKOIソーラン祭り

梅雨のないカラリと晴れた6月上旬、北海道が熱くなる。 初夏の札幌を鮮やかに彩る『YOSAKOIソーラン祭り』が開催されるからだ。 慎一の本店の屋上からは祭り会場が見えるため 一部の社員が総務に内緒でビール片手に自家製ビアガーデンを開いている。 …

7.美波の誕生日

美波の誕生日は5月19日の金曜日だったので 翌日の土曜日20日に20歳のお誕生会をすることとした。 まさか北海道で娘の20歳の誕生日を一緒に祝えるとは思ってもいなかったからだ。 場所はJRタワーホテルにある有名なフレンチレストランを予約した。 エレベー…

6.二人でコーヒー

ある土曜日に札幌市を一望に見渡せる藻岩山をロープウェイで登った。 展望台からは日本海や札幌市の街並みの全景が綺麗に見えている。 夜景だったらどんなに綺麗だろうかと感じた。 下山してきた場所に喫茶店があった。 『ろいず珈琲 旧小熊邸』 外側にはテ…

5.初出勤

月曜朝早く目覚めた。 新聞を読み、朝ご飯を食べて、手作りのネクタイをきゅっと締めて部屋を出た。 妻の『いってらっしゃい』の声を背中に受けての気合いの朝だった。 新たに発足する新銀行『六花銀行本店』は大通公園に面する北側の通りにある。 銀行に着…

4.慎一の自覚と不安

慎一は妻から妊娠の事実を告げられた時、 いつかそうなるとわかっていたが、 その瞬間はどう考えていいのかわからなかった。 自分とは異なる人間の中に自分の半分と同じ人間がいるという不思議な感覚だった。 『あなたの赤ちゃんが欲しい』と言っていたので…

3.美波の戸惑い

美波は部屋を大体片付け終わったので昼前に小樽へ帰った。 電車の中で昨夜の双子ちゃんのことを思い出し、 お母さんが今の私と同じ年齢で身ごもったことを思い出した。 私が生まれて数年暮らしてお父さんが亡くなり美波を一人で育てた。 それは今の自分には…

2.初めての胎動

ホテルでの夕食後美波が部屋で片づけをしている。 慎一はテレビを見ながら静香と二人でゆったりとお茶を飲んでいる。 美波は明日の昼には小樽へ戻るそうだ。 慎一はしみじみと妻を見た。 最近の静香は新婚旅行当時と違って、 さすがにお腹もふっくらとしてき…

1.札幌へ

新千歳空港のボーディング・ブリッジへ慎一と静香は降り立った。 3月末にも関わらず、空港の周辺にはまだ雪が残っている。 ブリッジを流れる空気が肌を引き締める。 北の都の春はまだまだ遠い。 JR快速エアポートに乗り札幌市を目差す。 窓の曇りを掃うと…