はっちゃんZのブログ

スマホの方は『PC版』『横』の方が読みやすいです。ブログトップから掲載されています作品のもくじの章の青文字をクリックすればそこへ飛びます。

小説2:『武闘派!』なのに、実は超能力探偵の物語

『武闘派!』なのに、実は超能力探偵の物語

あらすじ 桐生 翔(きりゅう しょう)は新宿の片隅で私立探偵業を営む。ある日突然超能力(テレポーテーション)を授かるが、本人も半信半疑の上発現頻度も曖昧で使い方もよくわかっていないまま物語は進んでいく。正義感にあふれる若い探偵が、小さな探偵社…

83.遺族の恨みは晴れるのか9

ある夜、事務所へ侵入者があった。 予期していたことなので プードル型ロボット犬『ロビン』とアスカを待機させている。 鍵が音も無く開けられ、ドアも静かに開けられた。 気配を消して室内をうかがう侵入者、 寝息を立ててソファで眠っているふりをしている…

82.遺族の恨みは晴れるのか8

華田邸は木造造りの立派な日本家屋で隣に白い大きな土蔵が建てられていた。 屋敷地下と土蔵地下は地下道で繋がっている。 大きな車庫が表と裏に二つあり、表はベンツやロールスロイスが駐車されているが、 裏は鉄板やコンクリートで壁が固められており中身が…

81.遺族の恨みは晴れるのか7

ある夜、華田がお気に入り秘書を膝に乗せている頃、携帯の呼び出し音が鳴った。 画面を見た途端、弾かれたように立ち上がった。 膝に横座りした秘書はそのまま悲鳴を上げて床へ落ちた。 椅子から立ち上がって直立不動で電話に出ている。 「ええ、うちの事業…

80.遺族の恨みは晴れるのか6

事務所へ高価なネックレスを付けた女性のクライアントが訪れた。 【依頼内容】 依頼人氏名:白川 沙后様。 依頼人状況:主婦(弁護士の妻) 種類:行方探し 経過:娘(姫香)が昨夜から塾に行ってから家に帰ってこない。 警察に依頼しているが一晩では動いて…

79.遺族の恨みは晴れるのか5

華田社長宅は、青山の一角にある 庭石が綺麗に配置された樹木に覆われた大きな屋敷だった。 ただし、大きな正門は常に閉まっており、監視カメラが配置されている。 武道の心得のある翔には、ランニングを装って敷地を1周した時に 漏れてくる独特の気配を察…

78.遺族の恨みは晴れるのか4

翔はRyokoへ各闇サイトのヒット件数を調査させ、 よく使われている闇サイトを調べた。 殆どのサイトは活動していないが、2件のサイトのみ活動していることが判明した。 そのサイトは 「INOCHI その重さ、理解できますか」 「平成仕事人」 どちらのサイトも…

77.遺族の恨みは晴れるのか3

現在ネット上でまことしやかに囁かれているのは 「二人殺せば死刑になる。被害者の命は犯人の命の半分しかない」 「何人殺しても心神喪失者になれば死刑にならない」 「死刑を嫌う裁判官や弁護士の家族を殺しても死刑にならない」 「誰か殺してみたいなら死…

76.遺族の恨みは晴れるのか2

Ryokoにネット上で殺害事件の裁判への批判情報の収集を指示した。 夥しい数がヒットしたが、その中で何件かが気になった。 「INOCHI その重さ、理解できますか」 「平成仕事人」 「あなた、今の刑法で満足していますか?」など 数多くの闇サイトがネット空間…

75.遺族の恨みは晴れるのか1

いつもながら目を覆うような事件やニュースが毎日のように報道されている。 一人ひとりがいつ我が身になるのかわからない時代だった。 この日本という国では、自殺者は年間3万人と言われており、 それに隠れるように毎年8万人以上の規模で行方不明の人間が…

74.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ9

翔は、同じフロアを各部屋の調査に入った。 フロアの一角に女の子の休憩室と法律系詐欺用員の部屋が用意されている。 壁には、本日の出動場所が掲示されている。 彼らの会話から犯罪の概要が明らかになってきた。 この痴漢冤罪事件のあらましは以下である。 …

73.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ8

「それはそうとボス、 最近痴漢をした男がその場から逃げ始めているってニュースになってますね」 「ああ、それで困ってる。銭になりゃあしねえ」 「そうですか。困ったものですね」 「せっかく、示談に持っていってお金にするところなのに最近は空振りが多…

72.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ7

ニュー川口組事務所フロアーに相当する事務所の窓ガラスには 『痴漢犯罪専門法 NKG法律事務所』の文字が広告されている。 「失礼します。ボス、これが今日のあがりです」 「おう、ご苦労だったな。どうだ?順調か?」 「へい、馬鹿なガキと馬鹿な男のおか…

71.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ6

店の近隣駐車場へバトルカーを待機させ、 夜中にはドローンを飛ばしX線撮影にて建物情報を調査した。 隠し部屋らしき怪しいところは見つからなかった。 クモママから派遣したクモ助の聞き耳タマゴからは 対象が女子高生であったため深い情報は取れなかった…

70.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ5

Ryokoからの連絡がスマホへ入ってきた。 小部屋付近は静かになったようだ。 仕事終わりにはゴミ箱内の清掃があると考えて、 アスカがタイミングを見計らって クモママとクモ大助をテーブルの裏へすでに移動させている。 翔は慎重にクモママとクモ大助を各自…

69.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ4

監視メガネからの映像をRyokoへ送っているので 後で解析していくつもりだった。 でも、もしこの時間まで事務所に百合がいたら・・・ と思うと気が気でなかった。 いくら仕事だからと言っても、 この店の客ではお嬢様の百合には理解し難くあまりいい気はしな…

68.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ3

大きな画面に化粧された『ユキ』の顔が真正面から映っている。 ユキの背景には、ぬいぐるみとか並んでおり自宅の部屋のような光景が映っている。 「ユキです。ご指名頂き今日はありがとうございます。 今日、ユキは学校で少し悪い事をしました。 あなたへご…

67.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ2

翔は早速、夕方を待って変装し監視メガネをかけて目的の店へ入った。 明るい店内で可愛い女子高校生の制服を着た写真が壁一面に貼られている。 世の中平和なのか、 まだ早い時間だというのに若い男から中高年くらいまでたくさん並んでいる。 待合の椅子の前…

66.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ1

変な女性が出て行ったあと、しばらくすると蒼い顔をした女性が現れた。 事務所を見まわしてソファに座るがなかなか話そうとしない。 じっと待っていると、やがて意を決したように話し始めた。 【依頼内容】 依頼人氏名:愛野 信子様。 依頼人状況:夫が痴漢…

65.怪しいクライアント

ここで時間軸は現在に戻る。 『お化けアパートの怪事件』を解決した翌日は、銀行強盗一味逮捕のニュースが テレビや新聞を飾った。しかしニュースには翔の情報は一切入っていない。 ただ川口組の残党は、警察以外の何者かが 敵として絡んでいることを知った…

64.消された記憶3

百合は翔と会えない間、実は葉山館林邸に戻っていた。 そして、このたびの事件について、こと細かく話した。 祖父母はさすがに驚いた様子だったが、二人が無事だったことと 翔が無事 新宿事務所に引っ越したことを知り二人とも胸を撫で下ろした。 その夜、百…

63.消された記憶2

その夜は百合の作った遅めの晩ご飯を食べてアパートへ帰った。 すでに警察の鑑識官の仕事も終わっている。 部屋の中は雑然としており、片付け終わったのはもう朝方だった。 少し仮眠を取っていると、百合からラインが入った。 『翔さん、疲れは取れましたか…

62.消された記憶1

現場で取調べを受けた二人は、早々に解放されるとミーアの容態を見た。 百合を助けようと男に向かっていったミーアは、ほとんど息をしていない。 急いで動物病院へ連れて行った。 医師からは『予断を許さない状況』と言われている。 内臓から出血しており長…

61. 逆恨み3

もう一本ナイフを出した男に向かって、 百合を心配そうにじっと見ていたミーアが飛び掛かった。 「うわあ、なんだ?この汚いノラ猫が」 『ガリッ』 ミーアが男の顔に爪を立てた。 「てめえ、いてえな」 男の大きな手に掴まれた小さな身体は壁に思い切り打ち…

60. 逆恨み2

『ベリッ』 口に貼られたガムテープを乱暴に剥がされた。 「お前は」 「あの時は世話になったな。 警察なんて泣いて反省したふりをすればちょろいもんだぜ。 俺たちは将来、医者になる人間だぜ。信用されて当たり前なんだよ。 『もう彼女には近づくなよ。お…

59. 逆恨み1

ネコの捜索事件を解決した翔は、ふとミーアとの別れを思い出した。 胸の奥からフツフツとした怒りが湧き出してくる。 そして深い悲しみに包まれる。 もう暦では春とはいいながら肌に当たる風はまだ冷たい。 翔の卒業式を間近に控えた土曜日の午後、 二人とミ…

58.新宿探偵事務所スタート4「偶然の大手柄」

【依頼内容】 依頼人氏名:篠原 由梨絵様。 依頼人状況:主婦 種類:ペット探し 猫 (名前)ベン(種類)ベンガル(色)シルバー&スモーク・タビー 経過:昨日昼から戻ってこない。近くの公園を探したが見つからない。 心配なので何とか早く見つけて欲しい…

57.新宿探偵事務所スタート3「情報網構築」

ある時、事務所近くの公園で高校生達に殴られているホームレスを見つけた。 高校生たちはにやにや笑いながら浮浪者を蹴りつけたり殴ったりしている。 翔は腹立たしくなり変装して急いで現場に急行した。 学生達は飛んで火にいる夏の虫と翔へ殴りつけてくるが…

56.新宿探偵事務所スタート2「初依頼」

『ピンポーン』と事務所のインターフォンが鳴った。 二人は飛び上がって一瞬固まった。 やがて気を取り直して、百合がドアへ向かう。 なんと桐生本家の華絵婆さんが顔を出した。 「おや?もう仕事を始めたのかね?」 「もう婆ちゃん、急に顔を出したから驚い…

55.新宿探偵事務所スタート1

翔は大学を無事卒業して、新宿のビルの事務所に入った。 すでに室内には中古だが大きく綺麗な机やソファなどが揃えられている。 1階の葉山不動産に聞くと 『前の業者が残していったものだから使って貰っていい』との事だった。 翔はアルバイトで貯めた資金で…