はっちゃんZのブログ

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小説2:『武闘派!』なのに、実は超能力探偵の物語

『武闘派!』なのに、実は超能力探偵の物語

あらすじ 桐生 翔(きりゅう しょう)は新宿の片隅で私立探偵業を営む。ある日突然超能力(テレポーテーション)を授かるが、本人も半信半疑の上発現頻度も曖昧で使い方もよくわかっていないまま物語は進んでいく。正義感にあふれる若い探偵が、小さな探偵社…

74.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ9

翔は、同じフロアを各部屋の調査に入った。 フロアの一角に女の子の休憩室と法律系詐欺用員の部屋が用意されている。 壁には、本日の出動場所が掲示されている。 彼らの会話から犯罪の概要が明らかになってきた。 この痴漢冤罪事件のあらましは以下である。 …

73.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ8

「それはそうとボス、 最近痴漢をした男がその場から逃げ始めているってニュースになってますね」 「ああ、それで困ってる。銭になりゃあしねえ」 「そうですか。困ったものですね」 「せっかく、示談に持っていってお金にするところなのに最近は空振りが多…

72.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ7

ニュー川口組事務所フロアーに相当する事務所の窓ガラスには 『痴漢犯罪専門法 NKG法律事務所』の文字が広告されている。 「失礼します。ボス、これが今日のあがりです」 「おう、ご苦労だったな。どうだ?順調か?」 「へい、馬鹿なガキと馬鹿な男のおか…

71.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ6

店の近隣駐車場へバトルカーを待機させ、 夜中にはドローンを飛ばしX線撮影にて建物情報を調査した。 隠し部屋らしき怪しいところは見つからなかった。 クモママから派遣したクモ助の聞き耳タマゴからは 対象が女子高生であったため深い情報は取れなかった…

70.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ5

Ryokoからの連絡がスマホへ入ってきた。 小部屋付近は静かになったようだ。 仕事終わりにはゴミ箱内の清掃があると考えて、 アスカがタイミングを見計らって クモママとクモ大助をテーブルの裏へすでに移動させている。 翔は慎重にクモママとクモ大助を各自…

69.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ4

監視メガネからの映像をRyokoへ送っているので 後で解析していくつもりだった。 でも、もしこの時間まで事務所に百合がいたら・・・ と思うと気が気でなかった。 いくら仕事だからと言っても、 この店の客ではお嬢様の百合には理解し難くあまりいい気はしな…

68.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ3

大きな画面に化粧された『ユキ』の顔が真正面から映っている。 ユキの背景には、ぬいぐるみとか並んでおり自宅の部屋のような光景が映っている。 「ユキです。ご指名頂き今日はありがとうございます。 今日、ユキは学校で少し悪い事をしました。 あなたへご…

67.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ2

翔は早速、夕方を待って変装し監視メガネをかけて目的の店へ入った。 明るい店内で可愛い女子高校生の制服を着た写真が壁一面に貼られている。 世の中平和なのか、 まだ早い時間だというのに若い男から中高年くらいまでたくさん並んでいる。 待合の椅子の前…

66.痴漢冤罪ビジネスの闇を照らせ1

変な女性が出て行ったあと、しばらくすると蒼い顔をした女性が現れた。 事務所を見まわしてソファに座るがなかなか話そうとしない。 じっと待っていると、やがて意を決したように話し始めた。 【依頼内容】 依頼人氏名:愛野 信子様。 依頼人状況:夫が痴漢…

65.怪しいクライアント

ここで時間軸は現在に戻る。 『お化けアパートの怪事件』を解決した翌日は、銀行強盗一味逮捕のニュースが テレビや新聞を飾った。しかしニュースには翔の情報は一切入っていない。 ただ川口組の残党は、警察以外の何者かが 敵として絡んでいることを知った…

64.消された記憶3

百合は翔と会えない間、実は葉山館林邸に戻っていた。 そして、このたびの事件について、こと細かく話した。 祖父母はさすがに驚いた様子だったが、二人が無事だったことと 翔が無事 新宿事務所に引っ越したことを知り二人とも胸を撫で下ろした。 その夜、百…

63.消された記憶2

その夜は百合の作った遅めの晩ご飯を食べてアパートへ帰った。 すでに警察の鑑識官の仕事も終わっている。 部屋の中は雑然としており、片付け終わったのはもう朝方だった。 少し仮眠を取っていると、百合からラインが入った。 『翔さん、疲れは取れましたか…

62.消された記憶1

現場で取調べを受けた二人は、早々に解放されるとミーアの容態を見た。 百合を助けようと男に向かっていったミーアは、ほとんど息をしていない。 急いで動物病院へ連れて行った。 医師からは『予断を許さない状況』と言われている。 内臓から出血しており長…

61. 逆恨み3

もう一本ナイフを出した男に向かって、 百合を心配そうにじっと見ていたミーアが飛び掛かった。 「うわあ、なんだ?この汚いノラ猫が」 『ガリッ』 ミーアが男の顔に爪を立てた。 「てめえ、いてえな」 男の大きな手に掴まれた小さな身体は壁に思い切り打ち…

60. 逆恨み2

『ベリッ』 口に貼られたガムテープを乱暴に剥がされた。 「お前は」 「あの時は世話になったな。 警察なんて泣いて反省したふりをすればちょろいもんだぜ。 俺たちは将来、医者になる人間だぜ。信用されて当たり前なんだよ。 『もう彼女には近づくなよ。お…

59. 逆恨み1

ネコの捜索事件を解決した翔は、ふとミーアとの別れを思い出した。 胸の奥からフツフツとした怒りが湧き出してくる。 そして深い悲しみに包まれる。 もう暦では春とはいいながら肌に当たる風はまだ冷たい。 翔の卒業式を間近に控えた土曜日の午後、 二人とミ…

58.新宿探偵事務所スタート4「偶然の大手柄」

【依頼内容】 依頼人氏名:篠原 由梨絵様。 依頼人状況:主婦 種類:ペット探し 猫 (名前)ベン(種類)ベンガル(色)シルバー&スモーク・タビー 経過:昨日昼から戻ってこない。近くの公園を探したが見つからない。 心配なので何とか早く見つけて欲しい…

57.新宿探偵事務所スタート3「情報網構築」

ある時、事務所近くの公園で高校生達に殴られているホームレスを見つけた。 高校生たちはにやにや笑いながら浮浪者を蹴りつけたり殴ったりしている。 翔は腹立たしくなり変装して急いで現場に急行した。 学生達は飛んで火にいる夏の虫と翔へ殴りつけてくるが…

56.新宿探偵事務所スタート2「初依頼」

『ピンポーン』と事務所のインターフォンが鳴った。 二人は飛び上がって一瞬固まった。 やがて気を取り直して、百合がドアへ向かう。 なんと桐生本家の華絵婆さんが顔を出した。 「おや?もう仕事を始めたのかね?」 「もう婆ちゃん、急に顔を出したから驚い…

55.新宿探偵事務所スタート1

翔は大学を無事卒業して、新宿のビルの事務所に入った。 すでに室内には中古だが大きく綺麗な机やソファなどが揃えられている。 1階の葉山不動産に聞くと 『前の業者が残していったものだから使って貰っていい』との事だった。 翔はアルバイトで貯めた資金で…

54.翔、初めて葉山館林家へ 4

「ほう、その顔つき、やっと本気の力を出しそうだな。さぁ、きなさい」 「はい」 そこからは現在の翔が持つ最高のスピードと力で戦ったが、 とうとう爺さんには触ることもできなかった。 そして最後には又もや壁板へ叩きつけられた。 「よし、今日はここまで…

53.翔、初めて葉山館林家へ 3

翔は洋館の一角にある道場へ連れて行かれた。 壁を挟んで隣は女道場となっており、百合とお婆さんが入るようだ。 女道場からは百合の気合いか声らしきものが漏れてくる。 『これはきっとあんなことをしたから二人ともお仕置きされるんだ』と翔は覚悟した。 …

52.翔、初めて葉山館林家へ 2

翔は百合の誘導で葉山館林邸の中に入った。 ピーンと張り詰めた空気が漂っている。 ふと視線を感じて見上げると植木職人が翔をそれとなく見ている。 百合が挨拶するとその職人はぺこりと頭を下げている。 よくよく観察してみると、館林邸は洋館で植木、花壇…

51.翔、初めて葉山館林家へ 1

百合が桐生本家へ行ってしばらくして、百合から話があった。 葉山館林の爺様と婆様が『是非に翔君を連れておいで』と呼んでいるとのことだった。 『もしかして大事な姫の百合とキスとかしてるのでこっぴどく叱られるに違いない』 ビクビクしながら百合と一緒…

50.百合、初めて桐生家へ

爺さんからの話をすると百合は大喜びで 『すぐにでも行きたいけど 色々と準備があるので3日後にして欲しい』と大慌てだった。 どうやら葉山の御実家へ連絡するつもりのようで今度は翔が緊張し始めた。 もしかしてすごい女の子と付き合い始めたのかも?とドキ…

49.翔、久々に実家へ帰る 2

「それならば良い。今日お前を呼んだのは他でもない。将来の事じゃ。 お前はどのような職業に就くつもりだ?あと1年で社会人になるが」 「それを今、考えています。会社に入るのも性に合わないし、 仮に入っても役には立たないと思うし、 都倉警部から警察は…

48.翔、久々に実家へ帰る1

4年生の春休みに桐生本家の爺さんから『一度戻ってこい』と翔へ連絡があった。 本家の桐生家は江戸初期より続く武門の家柄である。 桐生一族は、徳川幕府北東(丑寅の方角)守護を任務とし、最強の一族として将軍家から信頼されていた。明治以降、市井に紛…

47.百合、実家で相談する

翔との初めてのキスの後、百合は葉山の実家に戻り 頭首の妻である悠香へ翔との付き合いを相談した。 さすがに百合も自らの家柄は知っているので 付き合う相手が誰でもいい訳ではないことを理解している。 悠香へ彼との出会いから今までをキス以外は全て話し…

46.初めてのくちづけ

「お化けアパートの怪事件」解決後、 ふと学生時代の百合とのことを思い出した。 ある日の夕方、 翔がアパートへ向かって歩いているとミーアが走ってくる。 不思議に思い抱き上げるとミーアは何かを知らせるように鳴いている。 アパートの鍵を閉めているのに…