はっちゃんZのブログ

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21.美波の憂鬱

最近、友人の香山さんがやたら美波へ意地悪をしてくるため気分がすぐれなかった。 美波が何か悪い事でもやっていれば謝ろうと理由を聞いてみても、 『別に』と答えるだけで理由がわからないままだった。 米子にいる時にも同じようなことを何度か経験していて…

62.消された記憶1

現場で取調べを受けた二人は、早々に解放されるとミーアの容態を見た。 百合を助けようと男に向かっていったミーアは、ほとんど息をしていない。 急いで動物病院へ連れて行った。 医師からは『予断を許さない状況』と言われている。 内臓から出血しており長…

さざなみにゆられて-北海道編-

小説期間:2000年平成12年4月1日~ あらすじ: 美波は写真集で見た富良野などの北海道の雄大な風景に憧れ、 自分のことを全く知らない人の街で暮らしてみたいと北海道の大学を受験。 小樽商科大学に無事合格し義父の影響で銀行員を目差す。 両親は米子にいた…

『武闘派!』なのに、実は超能力探偵の物語

あらすじ 桐生 翔(きりゅう しょう)は新宿の片隅で私立探偵業を営む。ある日突然超能力(テレポーテーション)を授かるが、本人も半信半疑の上発現頻度も曖昧で使い方もよくわかっていないまま物語は進んでいく。正義感にあふれる若い探偵が、小さな探偵社…

さざなみにゆられて-山陰編ー

*登場人物* 後藤静香 小料理屋「さざなみ」の店主。 地の食材を美味しく食べさせてくれる店。 店ではいつも弓浜絣を着ておりおだやかな笑顔の女性。 娘と二人暮らし。 後藤美波 静香の娘。高校一年生。明るく人懐こいところがある。 日下慎一 春に米子へ新…

61. 逆恨み3

もう一本ナイフを出した男に向かって、 百合を心配そうにじっと見ていたミーアが飛び掛かった。 「うわあ、なんだ?この汚いノラ猫が」 『ガリッ』 ミーアが男の顔に爪を立てた。 「てめえ、いてえな」 男の大きな手に掴まれた小さな身体は壁に思い切り打ち…

60. 逆恨み2

『ベリッ』 口に貼られたガムテープを乱暴に剥がされた。 「お前は」 「あの時は世話になったな。 警察なんて泣いて反省したふりをすればちょろいもんだぜ。 俺たちは将来、医者になる人間だぜ。信用されて当たり前なんだよ。 『もう彼女には近づくなよ。お…

20.お食い初め

もうそろそろ雄樹と夏姫の100日のお食い初めが近づいてきている。 歯固めの儀式用に北海道神宮内で 誰も踏んでいないと思われる場所の白い小石を6個拾い綺麗に洗い乾燥させた。 スーパーマーケットで真鯛2匹を買い、お食い初めの準備をした。 静香が真鯛の塩…

59. 逆恨み1

ネコの捜索事件を解決した翔は、ふとミーアとの別れを思い出した。 胸の奥からフツフツとした怒りが湧き出してくる。 そして深い悲しみに包まれる。 もう暦では春とはいいながら肌に当たる風はまだ冷たい。 翔の卒業式を間近に控えた土曜日の午後、 二人とミ…

19.シシャモ祭りとラムジンギスカン

翌週、鵡川町で『シシャモ祭り』が開始されているため、 ドライブがてら鵡川港へ向かった。 鵡川町に入ると道中に多くのシシャモ販売店が並んでいるのでそこで買ってもいいが、 「『鵡川のシシャモ』は鵡川港で上がったものが本物」と同僚に言われたからだ。…

58.新宿探偵事務所スタート4「偶然の大手柄」

【依頼内容】 依頼人氏名:篠原 由梨絵様。 依頼人状況:主婦 種類:ペット探し 猫 (名前)ベン(種類)ベンガル(色)シルバー&スモーク・タビー 経過:昨日昼から戻ってこない。近くの公園を探したが見つからない。 心配なので何とか早く見つけて欲しい…

18.銀杏の下で

冬が近づいてくると米子と違い、一気に札幌の街が染まり始める。 ニュースで北海道大学内の銀杏通りが紹介されている。 慎一は、家族で出かけた。 『北海道大学』は、1876年本学の前身となる札幌農学校から開校され、 面積は1,776,24 9㎡(東京ドームで約38…

57.新宿探偵事務所スタート3「情報網構築」

ある時、事務所近くの公園で高校生達に殴られているホームレスを見つけた。 高校生たちはにやにや笑いながら浮浪者を蹴りつけたり殴ったりしている。 翔は腹立たしくなり変装して急いで現場に急行した。 学生達は飛んで火にいる夏の虫と翔へ殴りつけてくるが…

56.新宿探偵事務所スタート2「初依頼」

『ピンポーン』と事務所のインターフォンが鳴った。 二人は飛び上がって一瞬固まった。 やがて気を取り直して、百合がドアへ向かう。 なんと桐生本家の華絵婆さんが顔を出した。 「おや?もう仕事を始めたのかね?」 「もう婆ちゃん、急に顔を出したから驚い…

17.お宮参りと育児への参加

8月末にお宮参りのお祓いを北海道神宮へ予約した。 雄樹と夏姫は良い子でお祓いの間、静かにずっと眠っている。 ちょうど最近は、昼夜逆転しているために午前中は睡眠の時間帯だった。 写真屋でレンタル衣装を借りて雄樹と夏姫をおめかしさせて、 日下と後藤…

55.新宿探偵事務所スタート1

翔は大学を無事卒業して、新宿のビルの事務所に入った。 すでに室内には中古だが大きく綺麗な机やソファなどが揃えられている。 1階の葉山不動産に聞くと 『前の業者が残していったものだから使って貰っていい』との事だった。 翔はアルバイトで貯めた資金で…

16.子供たちのお披露目

神戸から慎一の両親と妹夫婦と子供、仙台から静香の母親と兄夫婦が札幌へ来た。 全員札幌は初めてで夏場にも関わらずその湿気の無い気候に驚いている。 神戸組5人は日帰り、仙台組は3人なので一泊を予定している。 せっかくなので全国でも有名な円山『すし善…

54.翔、初めて葉山館林家へ 4

「ほう、その顔つき、やっと本気の力を出しそうだな。さぁ、きなさい」 「はい」 そこからは現在の翔が持つ最高のスピードと力で戦ったが、 とうとう爺さんには触ることもできなかった。 そして最後には又もや壁板へ叩きつけられた。 「よし、今日はここまで…

15.誕生

金曜日の夜にとうとう記憶にある痛みが襲ってきた。 夫へすぐに声を掛けて、 入院グッズの詰めたカバンと一緒に病院へ連れて行ってもらった。 生まれるにはまだ時間がかかることを伝えて、外で待ってもらった。 夫は美波へ連絡しているみたいだったが、 電車…

53.翔、初めて葉山館林家へ 3

翔は洋館の一角にある道場へ連れて行かれた。 壁を挟んで隣は女道場となっており、百合とお婆さんが入るようだ。 女道場からは百合の気合いか声らしきものが漏れてくる。 『これはきっとあんなことをしたから二人ともお仕置きされるんだ』と翔は覚悟した。 …

14.雪のイベント

2月の北海道は、全エリアで雪の行事が盛り沢山だ。 札幌市では『さっぽろ雪祭り』が2月上旬から中旬にかけて開催される。 その同じ時期に小樽市では『小樽雪あかりの路』が開催される。 その他近隣では、『支笏湖氷爆祭』『層雲峡氷爆祭』『旭川冬まつり』な…

52.翔、初めて葉山館林家へ 2

翔は百合の誘導で葉山館林邸の中に入った。 ピーンと張り詰めた空気が漂っている。 ふと視線を感じて見上げると植木職人が翔をそれとなく見ている。 百合が挨拶するとその職人はぺこりと頭を下げている。 よくよく観察してみると、館林邸は洋館で植木、花壇…

13.ゲレンデ

北海道の雪は、「ユキムシ」がその訪れを知らせ、 遠くに見える高い山が「初冠雪」し、 街中に「初雪」が降り「初積雪」となり春まで「根雪」となる。 12月には背丈以上の雪壁が出来て小樽の街も大学も白く染まる。 テニスサークルがウィンタースポーツサー…

51.翔、初めて葉山館林家へ 1

百合が桐生本家へ行ってしばらくして、百合から話があった。 葉山館林の爺様と婆様が『是非に翔君を連れておいで』と呼んでいるとのことだった。 『もしかして大事な姫の百合とキスとかしてるのでこっぴどく叱られるに違いない』 ビクビクしながら百合と一緒…

12.サークル

大学の講義も最初は高校時代の延長なのでそれほど難しくはなかった。 サークルはとても楽しかった。少しずつ友達も増えてきている。 みんな受験から解放されての大学生活なので大いに羽を伸ばしている様子だった。 土日の休みには女の子同士で札幌市へ出掛け…

50.百合、初めて桐生家へ

爺さんからの話をすると百合は大喜びで 『すぐにでも行きたいけど 色々と準備があるので3日後にして欲しい』と大慌てだった。 どうやら葉山の御実家へ連絡するつもりのようで今度は翔が緊張し始めた。 もしかしてすごい女の子と付き合い始めたのかも?とドキ…

11.母の再婚と強がり娘

入学してしばらくすると母から電話があった。 「美波、実はね・・・日下さんとね?うーん、あのね」 「結婚するんでしょ?」 「えっ?なぜわかったの?」 「お母さんを見てたらわかるよ。お母さん、良かったね。今度はおじさん、 いや、お父さんだった、お父…

49.翔、久々に実家へ帰る 2

「それならば良い。今日お前を呼んだのは他でもない。将来の事じゃ。 お前はどのような職業に就くつもりだ?あと1年で社会人になるが」 「それを今、考えています。会社に入るのも性に合わないし、 仮に入っても役には立たないと思うし、 都倉警部から警察は…

10.独立への一歩

大学1・2 年は基礎科目の授業ばかりで、 オリエンテーションでの説明では、「人間と文化」「社会と人間」「自然と環境」「知の基礎」「健康科学」の5つの系に分かれて、それに付随する形で、文学,哲学,心理学,歴史学,社会学,社会思想史,化学,生物学…

48.翔、久々に実家へ帰る1

4年生の春休みに桐生本家の爺さんから『一度戻ってこい』と翔へ連絡があった。 本家の桐生家は江戸初期より続く武門の家柄である。 桐生一族は、徳川幕府北東(丑寅の方角)守護を任務とし、最強の一族として将軍家から信頼されていた。明治以降、市井に紛…