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はっちゃんZのブログ

スマホの方は『PC版』『横』の方が読みやすいです。作品のもくじの章の青文字をクリックすればそこへ飛びます。

さざなみにゆられて-北海道編-

小説期間:2000年平成12年4月1日~ あらすじ: 美波は写真集で見た富良野などの北海道の雄大な風景に憧れ、 自分のことを全く知らない人の街で暮らしてみたいと北海道の大学を受験。 小樽商科大学に無事合格し義父の影響で銀行員を目差す。 両親は米子にいた…

『武闘派!』なのに、実は超能力探偵の物語

あらすじ 桐生 翔(きりゅう しょう)は新宿の片隅で私立探偵業を営む。ある日突然超能力(テレポーテーション)を授かるが、本人も半信半疑の上発現頻度も曖昧で使い方もよくわかっていないまま物語は進んでいく。正義感にあふれる若い探偵が、小さな探偵社…

さざなみにゆられて-山陰編ー

*登場人物* 後藤静香 小料理屋「さざなみ」の店主。 地の食材を美味しく食べさせてくれる店。 店ではいつも弓浜絣を着ておりおだやかな笑顔の女性。 娘と二人暮らし。 後藤美波 静香の娘。高校一年生。明るく人懐こいところがある。 日下慎一 春に米子へ新…

5.初出勤

月曜朝早く目覚めた。 新聞を読み、朝ご飯を食べて、手作りのネクタイをきゅっと締めて部屋を出た。 妻の『いってらっしゃい』の声を背中に受けての気合いの朝だった。 新たに発足する新銀行『六花銀行本店』は大通公園に面する北側の通りにある。 銀行に着…

43.お化けアパートの怪4

翔は、泥棒二人が寝静まった頃、そっと地下道へ降りて行った。 ゴーグルには赤外線や紫外線感応画像が流れていく。 こんな大きな地下道をよく二人で掘り進んだものと感心した。 ちょうど爺さんの部屋の下辺りに来ているが、 柔らかい土が落ちてきている。 泥…

4.慎一の自覚と不安

慎一は妻から妊娠の事実を告げられた時、 いつかそうなるとわかっていたが、 その瞬間はどう考えていいのかわからなかった。 自分とは異なる人間の中に自分の半分と同じ人間がいるという不思議な感覚だった。 『あなたの赤ちゃんが欲しい』と言っていたので…

42.お化けアパートの怪3

「ねえ、あんた、まだなの?もう1ヶ月以上も掘ってるのよ」 「周りに気付かれないように掘り進んでいるから待て、あと少しのはずだ」 男は地図を広げて説明している。 地図には銀行の地下金庫への通路が描かれている。 「あんたが、地下道が崩れないように…

3.美波の戸惑い

美波は部屋を大体片付け終わったので昼前に小樽へ帰った。 電車の中で昨夜の双子ちゃんのことを思い出し、 お母さんが今の私と同じ年齢で身ごもったことを思い出した。 私が生まれて数年暮らしてお父さんが亡くなり美波を一人で育てた。 それは今の自分には…

41.お化けアパートの怪 2

何日間か待ったが一向にその怪現象は起こらなかった。 3日も経った金曜日の夜中、爺さんの部屋でじっと待つ。 爺さんは亡くなった奥さんの写真に向かって手を合わせて拝んでいる。 ふと郵便受けに奥さん名の年金振込書が入っていたことを思い出して 「奥さ…

2.初めての胎動

ホテルでの夕食後美波が部屋で片づけをしている。 慎一はテレビを見ながら静香と二人でゆったりとお茶を飲んでいる。 美波は明日の昼には小樽へ戻るそうだ。 慎一はしみじみと妻を見た。 最近の静香は新婚旅行当時と違って、 さすがにお腹もふっくらとしてき…

40.お化けアパートの怪 1

ある日、小汚い爺さんが、新商売「オールジョブ」へ現れた。 事務所の中を見回しながら、 「探偵事務所と聞いたのに違ってるね・・・」 「は?はい、以前ここにありました事務所は閉められたようです。 もし私どもに何かできることがあれば・・・」 「うーん…

1.札幌へ

新千歳空港のボーディング・ブリッジへ慎一と静香は降り立った。 3月末にも関わらず、空港の周辺にはまだ雪が残っている。 ブリッジを流れる空気が肌を引き締める。 北の都の春はまだまだ遠い。 JR快速エアポートに乗り札幌市を目差す。 窓の曇りを掃うと…

39.オレオレ詐欺団を壊滅せよ 5

都倉警部に連絡し状況を話し、暴力団担当と連携することとなった。 また翔の情報を警察内部でも秘密にしてくれるように依頼した。 警部はそのネット情報を聞いて、 百合の身の安全も考えて了承してくれた。 警察内で翔を知っている者には、 探偵事務所は畳ん…

38.オレオレ詐欺団を壊滅せよ4

翔は噂が気になった。 急いでRyokoに検索させた。 過去の事件解決に関しては、 超人的な武術を駆使して悪党を倒す探偵が関与しているとされている。 近くで見た人間は、大柄な身体に若そうな雰囲気で、 黒いヘルメットだったので顔はわからなかったと言って…

47.業界再編への動き、そして 

北海道から帰ってきて二人だけのおだやかで楽しい生活が始まった。 美波が小樽へ旅立ってからここ数か月、さざなみを閉めている。 慎一は夜だけでなく昼も家に帰って食べるようになり、 帰宅するといつも静香にずっといて欲しいと思うようになった。 ある日…

37.オレオレ詐欺団を壊滅せよ 3

弁護士役の男はアパートへと帰って行く。 部屋には彼女がいるらしく。愚痴を言っている。 「しょうがないじゃない、あなたが浮気したんだから」 「俺は、嵌められたの」 「はいはい、わかったわ、でもしたことは確かよね?」 「う、うん、そうだけど」 「だ…

46.新婚旅行、娘と、2

翌日、小樽観光を満喫した。 「小樽運河クルーズ」や「北一硝子」などを回り 休憩では「ルタオ本店」を目指した。 有名なこの店の人気商品『ドゥーブルフロマージュ』を食べるためだった。 慎一はコーヒー、静香と美波は紅茶を頼み、ケーキセットを頼んだ。 …

36.オレオレ詐欺団を壊滅せよ 2

聞き耳タマゴからは事務所内の声が聞こえてくる。 「お疲れ様、佐藤、今日の金をここに出せ」 「はい、木村さん、今日は300万です」 「婆さん、どうだった?もう1回くらい引っ張れそうか?」 「はい、そうですね。まだまだ大丈夫でしょう。大きな屋敷だし」 …

45.新婚旅行、娘と、1

新婚旅行は美波もいる北海道と決めて6月に出発した。 北海道は梅雨のないカラリとした気候で、 確かに冬は寒いかもしれないが その過ごしやすさに夫婦は大変気に入った。 そして今後、定期的に娘と会いがてら観光に来ようと決めたのだった。 千歳空港からは…

35.オレオレ詐欺団を壊滅せよ1

朝早く事務所の電話が鳴った。 翔が急いで出るといつものお婆さんからだった。 事務所へ直接出向いて話を聞いてもらいたいとの依頼だった。 お婆さんの家は大きな屋敷だが、翔と話をするのが楽しみみたいで いつも電気修理や棚の取り付けなど他愛もない用事…

44.相性

二人は早々にマンションを借りて引っ越した。 今度のマンションも家具付きの部屋なので箪笥などは少なくて済んだ。 最上階3LDKで大山が綺麗に見える部屋だった。 4月になり慎一はまたもや多忙な日々が続くが、 家へ帰るのが楽しみだった。 仕事を終えて…

34.桐生事務所ビル改築

ある日、ビル所有者の葉山不動産からビルを改築・改装する連絡がきた。 もちろん探偵事務所は開いたままでいいと言われており突貫工事で一気にするらしい。 百合から聞かされた話によると、 現在の百合のマンションの部屋は このビルの最上階へ引っ越すこと…

43.最初の夜

お風呂からでてスキンケアをした静香が和室に入ってきた。 慎一は部屋を暗くして布団を持ち上げて誘った。 彼女が布団へそっと入ってくる。 慎一が抱きしめると 慎一の胸の中で胸の前で両手を組み合わせ身体を固くしている。 「静香、怖くないよ、僕にまかせ…

33.未知の物質は?

「局アナ盗撮事件を解明せよ」が解決してしばらくすると、 京一郎から連絡があり、目黒研究所へ急行した。 以前、翔の脊椎液から抽出された未知の物質に関して 知らせると言われたからだ。 天才科学者、京一郎は悔しそうな顔をして話し始めた。 当然のことな…

42.広すぎる家

弓ヶ浜から家に戻り二人でゆっくりとお茶を飲んだ。 慎一は部屋をゆっくりと見まわして一人で住むには広すぎる家と感じた。 静香もそれを感じるようで、何かそわそわしながら見まわしている。 「美波一人がいなくなるだけでこんなに静かで広くなるのねえ」 …

41.旅立ちの日

慎一が美波ちゃんを車で迎えにいく。 美波ちゃんが二階から手を振って、上がってきてほしい仕草をしている。 二階へ上がっていくと美波ちゃんが部屋で正座して慎一を待っている。 「おじさん、この3年間ありがとうございました。 これから小樽へ行きますが…

32.局アナ盗撮事件を解明せよ 5

翌日、都倉警部に事務所へ来てもらい事情を話した。 都倉警部は騙されたことに驚いた様子で気分を害している。 そこで警部の知っている週刊誌を使うように指示される。 一応変装した翔は『週刊GATSUGATSU』の三枝編集長を紹介され打ち合わせた。 三枝編集長…

40.美波の言葉

小樽へ旅立つ前夜、美波が二階から降りてきた。 「お母さん、長い間、色々とありがとう。 美波はもう大学生だから一人でも大丈夫、だから安心してね」 「あらあら、そんなお嫁に行くようなことを言って・・・ 少し遠いかもしれないけれど心配してませんよ。 …

31.局アナ盗撮事件を解明せよ 4

副社長とのことが終わり山本アナはホテルを出て、 隣のホテルへ入っていく。 隣のホテルではディレクターが待っていた。 「ねえ、シャワー浴びていいでしょ?ジジイが嘗め回して汚いの。 役に立たない癖に欲望は一人前なのよね。口直しにお願いね」 「ああ、…

39.美波の受験

慎一が米子へ戻り、去年と同じように時間が流れていく。 ただ今年は美波ちゃんの進学を決める大事な1年なので 今までのようにはいかない。 美波ちゃんのテニスは春の県大会でベスト8まで行った。 本人としては最後までベストを尽くしたので満足だったよう…

30.局アナ盗撮事件を解明せよ 3

翌朝、事務所へ出るとRyokoが検索結果を出していた。 やはり合成技術の該当者は、TSV(東京スーパーテレビ)の人間だった。 百合へ事件経過と状況証拠を伝え、 仮に山本アナから連絡が入った場合の答え方について打ち合わせた。 決して彼女に調査している…

38.再び『さざなみ』へ

家に戻り着替えてから米子市の繁華街の一角と聞いている角盤町へ行くこととした。 角盤町の路地には夕暮れに家路へと急ぐ人達に混じり、 もうだいぶアルコールが入った様子の数人もいる。 町の様子を見ながら少し細めの路地へ目を移した。 小さな看板で『さ…

29.局アナ盗撮事件を解明せよ 2

翔には腑に落ちないことがあった。 先ず画像の精度の問題。 ①山本アナの裸体画像解析 着替え画像はキチンとピントがあっているが、 シャワー画像でバストトップにはピントが合っていない。 首や胸の部分を拡大してみるとやはり巧妙に修正又は差し替えられた…

37.再赴任

「次は米子、米子」 慎一はひとつ背伸びをして手元にある人事異動通知書を見た。 人事異動通知書 京都支店融資部 日下 慎一 殿 関西中央銀行本店 人事部長 清水 英雄 貴殿を平成10年4月1日付で山陰支店への異動を命ずる。 以上 心の中の何かが記憶の蘇ること…

28.局アナ盗撮事件を解明せよ 1

今、ネットではある情報が炎上している。 有名アナウンサー数人の全裸写真がネット上へ投稿されてしまったからだ。 一度、これが出てしまうと コピーのコピーが出回り始めどうしようもなくなってしまう。 最初の被害者になったのは、 TSV(東京スーパーテ…

36.春の息吹

2月も半ばを過ぎとなると暖かい陽射しの日が増えてくる。 慎一はその陽射しを受けながら徐々に活性化していく身体に気がついた。 頭蓋骨の線状骨折も接合し、肩の固定していたネジを外すと 身体は完全に元に戻りつつあることがわかった。 脳波測定からも異常…

27.翔とミーアと百合2

夕食が終わりゆっくりとしていると 「翔、私はそろそろ帰るよ、もう遅いから館林さんをお送りしなさい。 そうそう、これはつまらないものですがご自宅の皆さんでお食べ下さい」 たくさんの野菜を百合用に詰めている。 「そんなにたくさんは、1人で住んでいま…

35.静香親子、神戸へ

静香は、今週の土曜日に彼の実家に行くことを決め、妹の幸恵さんに伝えた。 『娘』と一緒に行くことを伝えると、 一瞬の間はあったが、幸恵さんは兄も記憶が戻ればいいなと大喜びだった。 土曜日は、米子駅で彼の大好きなできたての『ふろしき饅頭』を買い …

26.翔とミーアと百合 1

翔がミーアを飼い始めてから百合が翔の部屋へ来る回数が増えている。 そうなってくるとお互いが急速に親しみを増してくるもので、 百合のぎこちない笑顔が自然なものとなるまで時間はそれほどかからなかった。 元々百合は翔の強さを尊敬しているし、態度はぶ…

34.幸恵の疑問

幸恵は以前から不思議に感じていることがあった。 兄の慎一が父親へある時から理解を示すようになったことに対してだった。 『夫婦の事は夫婦でしかわからない。子供にはわからない』 『お酒を飲んでいない父さんを知っているのはお母さんだけやから』 兄と…

25.幼い兄妹(きょうだい)の依頼 5

「おまえ たれ ある」 趙が突然客室へ入ってきた。 翔は急いで彼女をベッドの後へ隠れさせると趙へ攻撃した。 それなりに中国拳法使うが、高齢で体力も続かなくなりフウフウ言い始めたので 後頭部へ手刀を落とし昏睡させた。 続いて秘書らしき男も入ってきた…

33.間違い電話

兄が実家に帰って来て、だんだんと話すようになると 幸恵は兄の枕元に壊れた携帯があったことを思い出した。 仕事上の事は全く心配する必要がないのでそのままにしようかと思ったし 兄に聞いても特に困っていないと言うばかりなのでそのままにしていた。 あ…

32.霧と痛みの世界

慎一は目を覚ました。 見覚えのない白い天井が目に映る。 心配そうに覘きこむ母親と妹の顔が見える。 隣にどこかで見たような顔色の悪い痩せた老人がいる。 話し掛けてきているがその内容はわからなかった。 医師が現れて、何か声を掛けてくる。 聞かれてい…

24.幼い兄妹(きょうだい)の依頼 4

翔は都倉警部へ急いでこのたびの事件を連絡した。 実は公安も内偵を進めていたようですぐに連携が取れた。 すぐに新宿のアジトに急行したが、もぬけの殻だったらしい。 富士の別荘の部下からの定時連絡がなかったので異変に感づいたのかもしれない。 急いで…

31.壊れた携帯

静香は夜になって何度も電話をしたが 『お客様の携帯電話が圏外にいるか電源が入っていないので繋がりません』 のアナウンスが聞こえてくる。 メールを送っても返信はなかった。 もしかして彼の身に大変な事が起こったのかも? なぜか異音を発し二つに割れた…

30.湯呑

『今日はちょっと眠いなあ、久しぶりの休みやから外でコーヒーでも飲むか』 と考えてマンション前の喫茶店へ向かった。 美波ちゃんや静香さんからのメールを読みながら部屋を出た。 エレベーターよりも、たまには歩こうと考えて階段へ向かった。 慎一はこの…

23.幼い兄妹(きょうだい)の依頼 3

趙の別荘の近くに一度停車して、サイドカーに格納しているドローンで偵察した。 別荘の壁は表面上木製で、実際は芯部分にセメントが入っている。 中にいる趙の部下は5名で、子供の姿がどこにも見つからなかった。 嫌な予感がしてドローンを赤外線モードに変…

29.異動の朝

朝早く2階の客間で慎一は目覚めた。 台所からいつもの音が聞こえてくる。 下りていくと静香さんが忙しそうに二人分のお弁当を作っている。 「おはよう」 「あっ、おはようございます。今日は一日いい天気みたいです」 静香さんは慎一の方へ一瞬含羞(はにか)…

28.慎一の約束、静香の願い

美波ちゃんが二階へ上がってしばらくして、静香さんが風呂から上がってきた。 いつのまにか美波ちゃんの部屋からの音も消えている。 「あれっ?美波がいたのだと思いましたが」 「うん、少し話しておやすみなさいって上がっていったよ」 「そう、最近相当に…

22.幼い兄妹(きょうだい)の依頼 2

理恵子がシャワーを終えてスキンケアをしている。 しばらくすると電話が鳴った。 「はい、わかりました。もうすぐ伺います」 鏡台の椅子に座りながら子供の写真を見て泣いている。 おもむろに鏡台の引き出しから薬剤を出して含んだ。 そして部屋を出ていった…